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CAEと品質工学寄稿 芝野 広志 氏  高木 俊雄 氏  平野 雅康 氏

実践編:CAEと品質工学を融合した事例

2005/08/24

2. CAEの簡易モデル・簡易解析

 CAE技術は開発スピードを向上してくれる戦略技術である。それは、実物を作るよりシミュレーションする方が時間は短く費用は低い可能性が高いからだ。このことは、応用編で述べたように『実物試作よりモデル・理論式作成の方が簡単迅速で安価』であることによる。

 コンピュータシミュレーションにおける作業の中身は、モデル作成や解析作業(シミュレーショソフトの稼動)が主である。しかし、ここ数年でモデル作成や解析のスピードは飛躍的に上がったとはいえ、残念ながら現状のCAE技術のレベルではモデル作成や解析に時間がかかり実物を使った開発より時間がかかる場合も考えられる。

 以上のような状況を踏まえて、品質工学では『モデル作成時間の短縮のための簡易モデル・簡易解析の工夫』を提案している。

  簡易モデル・簡易解析で開発を行う場合、簡易でありかつ得られた情報が実物で通用するかどうかが最大の関心の1つである。実物で通用しなければ、シミュレーションそのものが無駄だからである。応用編で説明したように、CAEの結果が実物で通用するかどうかを予測することが品質工学の役割である。
  よって今回の事例においても簡易モデル・簡易解析を用いることとし、その内容は次のようにした。

簡易モデル 2次元モデル
簡易解析 静止状態の紙姿勢を解析



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