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CAEと品質工学寄稿 
芝野 広志 氏  高木 俊雄 氏  平野 雅康 氏

はじめに

2005/06/20

 現在、企業を中心に技術開発や製品開発を効率的に進めるための手法として、品質工学が注目されている。品質工学とは日本での名称であり、海外ではタグチメソッドと呼ばれている。品質工学の生みの親である田口玄一博士は、自動車産業を中心に、低迷していたアメリカの製造業を復活させた功績を認められ、自動車の殿堂入りを果たされているほか、幾多の賞を受賞され、アメリカを蘇らせた男として有名である。現在も大学での講義や公的研究機関、企業での技術開発指導など、世界中で積極的に活動されている。

 日本では、1992年に品質工学フォーラム(現在の品質工学会)が設立され、多くの企業、大学の研究者が会員となって研究を進めている。

 現在の品質工学は電気や機械系の技術、いわゆるハード分野への適用だけでなく、パターン認識やソフトバグ検出への適用など、ソフト分野の技術開発にまで広がりを見せている。まさにすべての産業に適用できるスーパー汎用技術として、今後の発展が期待される学問である。

 そこで、基礎編では品質工学の考え方/使い方の基礎を、応用編ではCAEと組み合わせてさらに研究効率を向上させる方法を、実践編ではその実施例を解説する。





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