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特徴SoilPlus:地盤・浸透・耐震統合解析システム


技術情報

液状化解析技術

液状化とは、地下水位の高い砂地盤が地震などで繰り返し揺すられて、液体状になる現象です。液状化は建物やライフラインに被害を及ぼし、私たちの日常生活に甚大な影響をもたらします。緩い砂の地盤が堆積している埋立地や河川の近くなど、液状化が発生しやすい場所を特定し、適切な対策をあらかじめ施すことで、液状化による被害を防ぐ・低減することができます。

当社では、液状化現象を正確にシミュレーションする技術を有しており、技術サポートおよびトレーニング等でユーザー様の支援を行っています。

解析モデル

解析モデル
(液状化対策なし)

過剰間隙水圧比のコンター図

過剰間隙水圧比のコンター図
(液状化すると1.0に近づく)

液状化とは

砂でできた地盤は、砂粒が互いに支え合うことでバランスを保っており、地下水位が高い場合は粒の間は水で満たされています。このような砂地盤が地震などで繰り返し揺すられるとバランスが崩れて互いの支えが外れ、砂粒が水に浮いた状態=液体状になります。この現象を液状化と呼んでいます。

液体状の砂の上では、重い建物や橋梁は沈下し、軽いマンホールや地中の配管などは浮き上がってしまいます。また、場所によっては砂混じりの水が地表に吹き出す噴砂と呼ばれる現象が生じます。揺れがおさまると砂が沈み、これまでよりも低い位置で新たなバランスを作ることで、地盤沈下が生じます。

液状化のメカニズム

液状化のメカニズム

地震と対で取り上げられることの多い液状化現象ですが、いつでもどこでも発生する訳ではありません。揺れによって砂のバランスが崩れることと、砂の間に水があることが必要ですので、以下の4つの条件が揃ったときに、液状化が発生することが知られています。

  1. 粒径の揃った砂の地盤である。
  2. 緩い砂の地盤が堆積している。
  3. 砂粒のまわりが地下水で満たされている。
  4. 砂粒のかみ合わせが外れるような強い揺れを受ける。

一般的に、川や海が埋め立てられて市街化された場所は、液状化が発生しやすいと言われています。

大地震後の液状化の様子

大地震後の液状化の様子

液状化被害を防ぐには、その現象を正確に理解することと、適切な対策技術が必要になります。当社が開発した液状化解析コード「Soil Plus」をご紹介します。

※ 引用サイト:清水建設株式会社様 テクノアイ
https://www.shimztechnonews.com/hotTopics/news/2021/2021-04.html 新しいウィンドウで開く

液状化現象を3次元解析でシミュレーション:Soil Plus

Soil Plusは、砂粒と地下水の挙動を忠実にモデル化することにより、液状化現象を正確に再現することができるシミュレーション解析コードです。地盤中に発生する液状化の領域、程度、発生後の被害状況や、対策工法の効果検証までを一貫して3次元シミュレーションすることで、広域で不整形な地盤でも適切かつ高度に評価することが可能です。

Soil Plusは、地震などにより繰り返し揺すられる砂粒の挙動を表現した「おわんモデル」を採用していることが最大の特徴で、その原型は1991年に開発されました。それ以降も、2009年には地震時の最大せん断ひずみをもとに地盤の残留変形を求めるポスト液状化理論を採用、2014年には広域の地震応答解析が行えるように解析能力を拡張するなど、常に解析機能の充実・向上を図っています。

Soil Plusは、これまでに数多くの実案件の検討に採用されており、現在も、液状化にともなう地盤沈下や地盤流動の予測、液状化対策工法の効果検証などに用いられています。

Soil Plusの解析事例

今後の展開

当社は、液状化現象を3次元で正確に評価できるSoil Plusを用いて、長年のシミュレーション技術の実績を通じた、解析ソフトウェアおよび解析サービスの品質メニューを用意し、随時アップデートを行なっております。
解析ソフトウェア【Soil Plus】の継続的な利便性の向上に努め、また当社の持つシミュレーション技術である解析サービスを提供することにより、安全・安心な社会の実現に貢献していきます。