建設系エンジニアのための地下構造物三次元FEM事始め伊藤忠テクノソリューションズ(株) 野口 利雄
講座概要
従来、地下構造物の設計は基本的に二次元問題として扱われてきました。もちろんボックスカルバートのような線状の構造物は横断面での検討で問題はありません。しかし、平面形状が矩形に近い、または円形の立坑や、ストラットを有する半地下構造物などは、二次元解析では不都合を生じることがあります。それでも解析作業に時間とコストがかかるとの認識で、三次元解析が行われることは多くありませんでした。
もしも、三次元解析作業に要する時間とコストが二次元と比べてそれほど差がなければどうでしょう。安全で経済的な設計実施を行え、設計対象である地下構造物の三次元構造特性を考慮できるとなれば、三次元解析は強力な一手法となります。今後、地下構造物に対する性能設計が、広く取り入れられるようになれば、構造解析手法のバリエーションはより豊富なものとなります。
このページでは、三次元の設計に必然的に用いられる三次元FEM解析について「事始め」として、わかり易い簡単な解析対象モデルを使って、三次元で設計し、得られた所見や検討すべき項目などを連載記事で紹介します。実際に三次元で設計を行う場合には二次元で考えられなかった問題が発生することも想定されます。それらの問題点についても見解、提案を示したいと思っています。それでは、はじめてみましょう。
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