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高圧ガス設備等における配管系の耐震設計と解析寄稿 本橋 賀津彦

第1回:レベル1耐震性能評価について

2003/08/04

1. はじめに

 高圧ガス設備等耐震設計基準(告示515号)の一部が改正され(告示143号)、配管系が耐震設計の対象になっています。重要度IaおよびIの配管系に関しては、レベル2地震動に対する耐震性能評価を行う必要があります。重要度IIおよびIIIの配管系についは許容スパン法による簡易評価が許されています。また、改正告示では、耐震設計地震動がレベル1地震動とレベル2地震動の2段階評価になっています。レベル1地震動は共用期間中に発生する可能性がある一般地震動に相当し、レベル2地震動は極めて発生確率が低い巨大地震による高レベル地震動を示します。

レベル1地震動に係わる「高圧ガス設備等耐震設計指針(レベル1耐震性能評価)」が1997年、レベル2地震動に係わる「高圧ガス設備等耐震設計指針(レベル2耐震性能評価)」が2000年に高圧ガス保安協会(KHK)より発刊されています。AutoPIPEでは、これを受けてAutoPIPE V6.0以降でレベル1、AutoPIPE V6.1以降でレベル2にそれぞれ対応してきました。

本稿ではAutoPIPEのKHKのレベル1機能、次稿においてはKHKのレベル2機能について紹介していきます。また、それ以降についはノズル部の耐震評価について紹介していく予定です。

2. AutoPIPEにおけるレベル1耐震評価の適用範囲

基準および指針では配管系の応力算定に関して様々な規定が示されていますが、KHKレベル1コードが対応している項目は以下のようになります。

重要度

重要度 対応 備考
Ⅰa及びⅠ 詳細解析
Ⅱ及びⅢ × 簡易解析

解析手法

解析分類 解析手法 対応 備考
詳細解析 修正震度法  
モード解析法 ×  
時刻歴応答解析法 ×  
簡易解析 許容スパン法 ×  

応力算定

応力算定 対応 備考
配管部の応力算定 指針による組合せ、応力、許容応力の算定
フランジの応力算定 ×  
弁の応力算定 ×  
伸縮継手の応力算定 ×  
ノズル部の応力算定 AutoPIPE Nozzleで対応可能(※)
配管支持構造物の応力算定 ×  
  • ※ 旧バージョンのAutoPIPEに付属していたAutoPIPE Nozzleで対応可能。
    ただし、AutoPIPE Nozzleの提供は終了しています。

その他

 修正震度法による解析では以下を考慮することができます。

  • 領域あるいは節点ごとの設計修正地震力の設定
  • 腐れしろを除いた剛性による解析
  • 運転時の縦弾性係数を用いた解析
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