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詳細PFC:2次元/3次元粒状体挙動解析プログラム

PFC 6 OFFICIALLY RELEASED

PFC6.0 新機能

PFC6.0が利用可能となりました。本バージョンではモデリング機能、ソフトウェア間の連携が強化され、グラフィック機能が向上しました。

新機能

コンベックスリジッドブロック

凸剛体ポリゴン(2D)と多面体(3D)をモデル化できるようになりました。これは、形状が重要である場合(粒状または結合系)、クランプを使わずに非球状の物体のモデリングを可能にします。
接触検出および生成は、効率を最大にするために、2つの物体間に一つの接触点を用いる(すなわち、複数の接触点がない)GJK(Gilbert-Johnson-Keerthi)などのアルゴリズムを使用します。剛体ブロックとボール、クランプ、ウォール等、他のPFCの要素の相互作用は通常の接触モデルが使用可能です。PFCのボール、クランプおよびUDEC/3DECのブロックと同じように動的解法スキームを利用しています。

コンベックスリジッドブロックのユーティリティには以下が含まれます。

  • 簡単な形状作成
  • CADデータから形状をインポート
  • 節点から凸形状の自動計算
  • テンプレートから複数ブロックの複製または生成(クランプと同様)
  • 既存のブロックをより小さなブロックに切断(条件指定)
  • 縦横比または相対体積でブロックを切断し、破片を除去
  • ブロックのマージ
  • アクティブな接触点を減らすために角や先端を丸める(ラウンディング)

以下のリジッドブロックの例は、ビンの流れのブロック速度のコンター(左)と加振によって混合される円筒形ブロック(右)の挙動を示しています。

リジッドブロックの例

次の図は、薄壁のアーチをサポートするフライング・バットレスの有効性を示すシミュレーションです。構造をリジッドブロックで表現し、重力荷重下での変形を表しています。バットレスの効果を検証するため、バットレスが有る状態(左)と、無い状態(右)で解析しています。

バットレスが有る状態と無い状態

ボンドブロックモデル(BBM)

粒状体及び粒状体結合モデルに加えて、UDECおよび3DECモデルに似たブロックボンディングモデル(BBM)も簡単に作成できます。たとえば、一軸圧縮試験を例としてPFC2Dのブロックボンディングモデル(BBM)(左)と従来のPFC2D粒子ボンディングモデル(BPM)を比較したものです。2つのモデルプロットはサンプルの損傷と断片化を示しています。モデルプロットの下に、軸応力と軸ひずみのxyプロットを表示しています。

ブロックボンディングモデル(BBM)も簡単に作成

FLAC3Dとの連成

FLAC3D V.6.0のリリースにより、ユーザーはゾーンと粒子をモデル化できるようになりました。PFC3D V.6。0ではこれらの機能がさらに拡張されています。これにより、有限差分法のゾーン、境界面、構造要素と個別要素法の粒子、クランプ、ウォールをすべて1つのプログラムで操作できます。PFC3D V.6.0、およびFLAC3D V.6.0(以降)のライセンスを使用すれば、FLAC3Dの要素をPFC3D環境にロードできます。

カップリング機能には3つの形態があります。

構造要素カップリング(一次元)

梁、ケーブル、杭などの一次元FLAC3D構造要素は、FLAC3Dのゾーンリンクと同様に、PFC3Dボール、クランプ、およびリジッドブロックにリンクできるようになりました。
次の図は、四面体ウェッジのリジッドブロックが他のブロックから離れ、最終的にFLAC3Dのケーブルで支えられて安定する例を示しています。

LAC3Dのケーブルで支えられて安定する例

インターフェースカップリング(二次元)

疑似静的シミュレーションに、PFC3Dとゾーンフェースおよびシェルベースの構造要素に結合します。PFCのウォールは自動的に作成され、FLAC3Dゾーンフェースまたはシェルベースの構造要素フェースに従属させることができます。ウォールの節点はFLAC3D節点に従属し、ウォールに加えられた力は外部から加えられた力(境界条件)としてFLAC3D節点に伝達され、効率的な双方向カップリングを実現します。なお、この機能はFLAC3D V.6.0で初めて導入されました。

たとえば、下図(左)は、FLAC3Dゾーンとボンディングした粒子の一部で構成されるPFC3D V.6.0(右)で作成および実行された段階掘削トンネルモデルです。これは弾性モデルです。ボンディングした粒子のミクロ特性は、FLAC3Dゾーンの力学的特性と一致するようにキャリブレーションにより決めています(E = 40 MPa、v = 0.2)。ゾーンと粒子間の変位はスムーズに分布していることが示されています。連成モデル(右)とFLAC3Dモデル(左)を比較すると、2つのモデルの応答はよく一致しています。両モデルのトンネル掘削面は支保工を表すためにシェル要素を使っています。

連成モデルとFLAC3Dモデルの比較

もう一つの例では、FLAC3DとPFC3Dの連成機能を利用して境界条件を与える、異方性の高い応力条件下(σH =3σV)でのトンネル掘削解析モデルを示しています。リジッドブロック(四面体)は周期境界が設定されたPFC3Dの領域で使用されます。円形の挿入図は、破壊状態と位置を示しています(せん断破壊の場合は黒、引張破壊の場合は紫)。

円形の挿入図

以下のFLAC3D V.6。0の解析例は、PFC3D V.6.0に完全に移行できます。
以下の左図は、PFC粒子がシュートからベルトコンベア上に落下した場合のベルトの変形を評価した例です。右図は、FLAC3Dのゾーンで構成されたパンチが、ボンディングしたPFC3D粒子で表現された別の材料に押し込まれる解析例です。

例

連成解析のもう1つの例は、落石シミュレーションで、保護ネットを2Dシェル要素でモデル化した例です。下の図では、複雑なリジッドブロック(クランプではない)が、壁でモデル化された斜面を移動する岩を表しています。丘の底に向かう岩の落下を妨ぐ、保護壁が設置されています。リジッドブロックとシェル要素の色付けは、変位コンターとしています(カラースケールは異なります)。

壁でモデル化された斜面を移動する岩

ドメインブリッジング(三次元)

PFC3D粒子とFLAC3Dゾーンを結合します。PFC3D粒子とFLAC3Dゾーンのオーバーラップ領域での変位の連続性を保証するために運動学的な制限条件を考慮しています。

運動学的な制限条件

この方法は疑似静的および動的解析に使用でき、モデルの異なる領域間の見かけエネルギーの不連続性を最小限に抑えます。たとえば、次の動的波動伝播解析モデルでは、内部のPFC3Dモデルの中心に地震動(Rickerウェーブレット)を入力し、遠方境界のFLAC3Dゾーンでの変位応答を記録します。粒子とゾーンの両方の速度の大きさは、モデル断面の下部にプロットされています。ブリッジモデルの応答は、Stokeの方程式の解析解と一致します。

動的波動伝播解析モデル

新しい接触モデル

一般的な粘着性接触モデル

接着性回転抵抗線形モデルは、単純な粘着性粒状材料を表すためにPFC V.6.0で利用可能となった新しい接触モデルです。それはGilabertら(2007)の二次元モデルに基づいています。粘着力は短距離場合の引力から生じ、ファンデルワールス(van der Waals)法則の線形近似式から計算されます。短距離引力は、破断の概念がないという点でPFCのボンド材料と異なります(すなわち、相互作用面が特定の引力範囲内に入るときいつでも引力は存在します)。Gilabertらは、粘性粒子が非粘性粒子より平衡密度に大きく依存し、場合によってはゆるい集合体または固体のような挙動を有することを述べています。粘性粒状系は、非粘性粒状系(典型的な固形分数が58~64%の場合)よりも低い固形分率(25~30%まで)で力学的平衡を保つことができます。粘性粒状材料は、非粘性材料よりも数値シミュレーションする例がはるかに少ないです。PFCの新しい接触モデルは両方のタイプの材料を含み、ゼログラフィックトナー(粘性力はファンデルワールス相互作用に生じる)などの粘性粉末や湿式ビーズパック(隣接する粒子をつなぐ液体架橋から生じる)など様々な粘性粒状体の巨視的挙動の研究に使用できます。

この接触モデルは、回転抵抗線形モデルに粘着成分を追加することによって、ファンデルワールス力の線形近似として、短距離引力による粘着性粒状材料の挙動を評価します。Ball-BallとBall-Facetの接触点に追加可能な線形ベースのモデルです。次の図のように、粘着成分は最大引力(F0)と引力範囲(D0)の2つのパラメータによって特徴付けられます。粘性回転抵抗線形モデルの接触計算は、接触点のギャップが引力範囲より小さいアクティブ接触の場合のみ有効であり、非アクティブ接触点についての力-変位の計算はスキップされます。回転抵抗線形モデルの各エネルギー計算に加えて、粘性エネルギーも計算されます(すなわち、接触点の引力によって生じるエネルギー)。詳細はGilabertら(2007)およびGilabertら(2008)の文献を参照。また、粘性粒状材料の構造および力学的性質、実験室での研究例も参照できます。

粘性回転抵抗線形モデルの接触計算

ソフトボンド接触モデル

ソフトボンドは新しい接触モデルで、粒子ボンディングモデルの(BPM)応用に線形軟化接触モデルを表しています。引張またはせん断でボンディング強度に達する前に、基本的な挙動は線形パラレルボンディングモデルと同じです。軟化パラメータを指定して、引張破壊後の状態における剛性を変更し、ボンド伸び量の関数として引張剛性を低下させることができます。そのような軟化は、伝統的な線形パラレルボンドモデルと比較したときに、試験片の引張強度に対するUCS比を増大させることができます。

その他の追加機能

  • PFC V.5.0のデータファイルをPFC V.6.0に変換するデータファイルコンバータ(互換性を考慮して限られた数のみのPFC V.5.0のコマンド/FISH関数の名前が変更されています)。
  • PFC V.5.0のアップデートプログラムには、PFC V.5.0のセーブファイルをPFC V.6.0でリストアできるようにエクスポート機能が追加されています。
  • PFCのグラフィックレンダリングエンジンがアップデートされました。
  • リモートデスクトッププロトコル(RDP)への対応
  • ヘルプパネルの統合
  • テクニカルサポートダイアログの統合
  • ユーザー指定の結果のみを保存する結果ファイル。このファイルには以下の特長があります。
  • 計算サイクル中に手動または自動的に生成することができます。
  • 大規模モデルの場合、ファイルサイズをフルセーブファイルのサイズの約5%にすることができます。。
  • ユーザー間で結果を共有したり、解析をアーカイブすることができます。
  • ポスト処理を簡単にします(例えば、モデリングの過程で多くの結果ファイルにわたる動画を生成するための大量の自動ビットマップ画像が生成できます)。
  • 但し、シミュレーションの計算を継続することはできません(完全なモデル状態を保持するためにsaveファイルが必要です)。
  • 将来のすべてのメジャーバージョンでsaveファイルの互換性を提供する新しいアーカイブシステム(V.6.0以降)
  • Pythonをバージョン3.6に更新
  • 更新された材料モデリングサポートパッケージが利用可能
  • Intel 2018のサポートが提供されるVisual Studio 2017、QT 5でプログラミングされています。
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