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お客様の広場SoilPlus:地盤・浸透・耐震統合解析システム

FAQ

04_施工段階解析

SoilPlusStatic:収束しない場合の対応

解析モデルや条件に依存して、どうしても収束解が得られない場合があります。
物性値や境界条件を見直して条件に誤りが見つからない無い場合、収束させない解を見るとなぜ収束しなかったか考察することができます。

まず解析制御の「収束条件」にある「収束しない場合計算を終了する」のチェックボックスを外します。
こうすることで残差が収束条件を満たしていなくても次のステージへ進んで計算を継続します。
収束しなければ結果を得られなかった場合に比べて最終的な変形形状や応力状態を確認できるため、なぜ収束しきらなかったか視覚的に判断することができます。

例えばモデルが破壊や崩壊をする状態である場合、力のつり合いは取れません。
そのような条件では収束解を得ることはできず、つり合いが取れず破壊する、という結論になります。

注意点は力のつり合いが1ステージ内で収まっておらず残差が次のステップへ持ち越されている点です。
残差が微小であれば問題ありませんが、有意な値である場合は想定する条件とは異なる解析を行っていることになります。
収束させずに得た解は収束しない場合の考察用としては問題ありませんが、解析解として使用することは難しいと考えて下さい。

詳しい、収束状況はリストファイルで判断して下さい。
リストファイルには以下の様な収束状況が出力されています。

0*** SYSTEM INFORMATION MESSAGE 5020, CONVERGENCE CRITERIA AT INTERVAL    1 STEP    1 ITERATION    1 FOLLOWS --
          NORM OF UNBALANCED FORCE VECTOR =  2.62769E+01
          NORM OF PREVIOUS UNBALANCED FORCE VECTOR =  2.16021E+03
          NORM OF ORIGINAL UNBALANCED FORCE VECTOR =  2.16021E+03
          ITERATION NOT CONVERGED

最後に「ITERATION NOT CONVERGED」とあるので収束していないことが分かります。
最終的に「ITERATION CONVERGED」とあれば収束していることになります。

収束しない場合であっても、残差(NORM:ノルム)に着目して下さい。
収束の判断は、初期の残差、現在の残差、の比をとっています。
この比が無視できるほど小さくなった場合に収束したと判断します。

しかしながら、そもそも残差が殆ど発生せず、分母、分子、とも小さい値同士で比を取っている場合、その比は有意な値と見なされ収束しないと判断される場合があります。

収束しない場合であっても、残差が非常に小さい値である場合は、収束していると判断して差し支えありません。
この場合、収束しなくとも計算を進める設定として、ユーザーの判断で、その結果を解析の結果として利用することにします。