FAQ
03_解析条件の設定
液体要素を用いた解析における境界条件
液体要素を用いた解析の境界条件は少し複雑です。
液体要素を用いた解析では「自由表面要素」「液体要素」「インターフェース要素」「構造要素」に分けて考えます。
・自由表面要素
波高を計算する為の要素です。
圧力、波高、2つの自由度を持っています。
・液体要素
液体の圧力を計算する為の要素です。
圧力の自由度を持っています。
・インターフェース要素
構造要素と液体要素の間に作成する要素です。
液体要素で計算された圧力を構造要素へ伝達する為に使用します。
構造要素の自由度(1~6)、と液体要素の自由度(圧力)を持っています。
・構造要素
構造物(地盤、建屋等)をモデル化する要素です。
構造6自由度(Dx、Dy、Dz、Rx、Ry、Rz)を持っています。
以上の4分類に対して、「変位拘束条件」「水の拘束条件」「自由度縮合条件」の規則があります。
その規則に従って境界条件を設定します。
・変位拘束条件
通常の側方、底面拘束条件とは別に与える条件です。
液体は構造自由度(1~6)を持っていません。
その自由度を変位拘束条件で固定します。
コマンド:[モデル]-[境界条件]-[変位拘束条件]
<拘束する自由度>
自由表面要素:構造自由度(1~6)
液体要素:構造自由度(1~6)
インターフェース要素:なし(※1)
構造要素:なし(※2)
※1 構造物と接するため構造自由度を持っている。
※2 液体解析時に加える条件は特に無い。これとは別に通常の変位拘束条件は必要である。
・水の拘束条件
液体要素以外は圧力、波高の自由度を持っていません。
従って、液体要素に使用される節点以外はすべて圧力・波高の自由度を固定します。
コマンド:[モデル]-[境界条件]-[水の拘束条件]
<拘束する自由度>
自由表面要素:拘束しない
液体要素:波高
インターフェース要素:波高
構造要素:圧力、波高
・自由度縮合条件
液体を用いた解析は、圧力、自由度を1~6に縮合します。
縮合を行うと圧力を持つ節点は縮合前の自由度が削除されるため、予め縮合後に持つ自由度を「自由度縮合条件」として与えます。
条件を付与する対象は圧力の自由度を持つ節点で、自由度縮合条件として縮合前の自由度に圧力を除いた自由度1~6、波高を指定します。
コマンド:[モデル]-[境界条件]-[自由度縮合条件]
<自由度縮合条件>
自由表面要素:波高
液体要素:なし
インターフェース要素:縮合前に持っていた圧力を除く自由度
構造要素:なし