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天然ガス貯蔵設備 予測シミュレーションで1000万ドルの投資抑制
世界的に有名な大手エンジニアリング会社が、北欧にあるガス貯蔵設備の運用に関する解析にWITNESSを使った事例をご紹介します。運用目標を達成するために、現状の設備のままで大丈夫か、あるいは追加の設備投資が必要かどうか、シミュレーションを使って検証しました。
1. 変動する需要に対応するために、新たな設備は必要か?
ガス貯蔵設備には気体の天然ガスを液化させる装置が2台あり、3台目を導入するかを判断する必要がありました。しかし、季節に応じた天然ガスの需要の変化や、設備障害のなど、ランダムな要因の影響が大きく、必要な設備数を求めることは困難でした。
- 注入モード:夏の間、貯蔵設備にガスを満たすために行われます。
- 生産モード:冬の間、ガスを近隣の都市に送ります。
- 交換モード:春と秋、注入モードと生産モードを断続的に繰り返します。
2. 複雑で長期的な運用条件を理解する。
エンジニアリング会社は、WITNESSの機能を活用してデジタルツインを作成し、30年間分にわたるRAM(信頼性、保守性、可用性)分析を実施しました。
使用したWITNESSの機能
- 流体、パイプ、タンク:ガスや液体などの連続体をシミュレーションするための要素です。
- 機械の故障と修理:装置の動作状況に基づく、障害発生、修理を再現することができます。
- 時間と日付:季節変動を考慮したシミュレーションが可能になります。
3. 1000万ドルをこえる投資抑制
WITNESSで30年分の運用状況をシミュレーションした結果、以下のことが明らかになりました。
- 新しい設備は夏季の注入モードに大きな影響を与えない。
- 冬季の生産モードにおいて、利用者へのガス供給量が低下する。
ただし、運用時間に換算すると0.06%に過ぎない。
この結果から、エンジニアリング会社は追加の設備投資は不要と判断し、1000万ドルを超える投資抑制につながりました。
分析モデルの概要については、WITNESSを使ったRAM分析 をご確認ください。