Thermo-Calc 2024b
Thermo-Calc 2024b 概要
AMモジュールでは、プロセスマップを出力する機能が追加されました。また精度向上のため、キーホールモデルで流体流れが考慮できるようになりました。プロパティモデルでは、並列計算機能が追加されています。新たに、Ti合金向けプロパティモデルが追加され、マルテンサイト温度や合金強度の予測が可能となりました。鉄鋼向けプロパティモデルで、焼き戻しの時間依存効果を予測するモデルが追加されました。
データベースについては、新たにMo合金とNb合金のデータベースがリリースされました。また、Ti合金、はんだ合金、超高温材料向けのデータベースがメジャーアップデートされました。Ti合金データベースでは、弾性特性が計算できるようになりました。はんだ合金データベースでは熱伝導率、電気抵抗が追加され、超高温材料向けデータベースではモル体積データが追加されました。
Thermo-Calc 2024b 更新内容
■ Thermo-Calc
- 本体
- 5つの弾性定数(c11、c12、c13、c33、c44)および3つの弾性率(体積弾性率、剪断弾性率、ヤング率)がTCTI6で使用可能になりました。
- コンソールモードのコマンド
弾性定数:Cij(phase)
体積弾性率:BULKMOD(phase)
剪断弾性率:SHEARMOD(phase)
ヤング率:YOUNGMOD(phase) - TC-Python
get_value_of()やget_values_of()の引数として
弾性定数:Cij(phase)
体積弾性率:ThermodynamicQuantity.bulk_modulus(phase)
剪断弾性率ThermodynamicQuantity.shear_modulus(phase)
ヤング率:ThermodynamicQuantity.youngs_modulus(phase)
- コンソールモードのコマンド
- 弾性特性およびヤング率に関する例題が追加されました。
(T_19_Elastic_Properties_YoungsModulus_Ti-O.tcu) - 相と相の構成の表示、一軸計算時の初期値の自動指定など使用感の改善やそのほかバグの修正がされました。
- 5つの弾性定数(c11、c12、c13、c33、c44)および3つの弾性率(体積弾性率、剪断弾性率、ヤング率)がTCTI6で使用可能になりました。
■ プロパティモデル
- 並列計算機能が実装され、計算速度が大幅に向上しました。
- モデルパラメータを関数として入力できるようになりました。
- Ti合金向けプロパティモデル
- マルテンサイト温度モデルが新たに追加されました。
(PM_Ti_01_ Martensite_Temperatures_Ti-Zr.tcu) - 合金強度モデルが新たに追加されました。
(PM_Ti_02_Alloy_Strength_Ti-O.tcu)
- マルテンサイト温度モデルが新たに追加されました。
- 鉄鋼向けプロパティモデル
- 機械学習モデルを使用して焼き戻しの時間依存効果を予測する「Tempering time」の設定が追加されました。
(PM_Fe_10_Martensitic_Steel_Strength.tcu)
- 機械学習モデルを使用して焼き戻しの時間依存効果を予測する「Tempering time」の設定が追加されました。
■ Additive Manufacturing(AM)モジュール
- 定常状態でバッチおよびグリッド計算が使用できるようになりました。
- 3Dプロットで初期粉末層の厚さを可視化できるようになりました。
- 流体の流れを含んだキーホールが考慮できるようになり、メルトプールの深さと幅をより正確に推定できるようになりました。
- 新たな出力形式として、プロセスマップが追加されました。
- バッチおよびグリッド計算で使用でき、積層造形中に発生する可能性のある3つの欠陥(キーホール、溶融不良、ボーリング)を出力できます。
- キーホール寸法(Wk、Dk)、メルトプール寸法(W、D、L)、ハッチ距離(h)
- 粉末の厚さ(t)として欠陥基準は下記のように定義されています。
- キーホール:低走査速度、高レーザ出力で発生。
- キーホールの幅/深さの比(Wk/Dk)が大きい
- メルトプールの幅/深さの比(W/D)が大きい
- 溶融不良:高走査速度、低レーザ出力で発生。
- メルトプールの深さが粉末の厚さより小さい(D/t < 1.0)
- Dh/t < 1.0の場合はハッチ距離の半分の2つのトラック間で発生
- ボーリング:走査速度の増加で発生。
- メルトプールの幅/長さの比(W/L)が小さい
- メルトプールの深さ/長さの比(D/L)が小さい
- キーホール:低走査速度、高レーザ出力で発生。
- 新たな出力形式として、Parity plotが追加されました。
流体の流れを含んだキーホールを考慮した場合に有効です。 - 新たな出力形式として、メルトプール寸法対エネルギー密度が追加されました。
- 新たな計算タイプと出力形式の追加に伴い5つの例題が追加されました。
- AM_07_Batch_IN718.tcu
- AM_08a_Printability_Map_Ti64.tcu
- AM_08b_Batch_Ti64.tcu
- AM_09a_Printability_Map_316L.tcu
- AM_09b_Batch_316L.tcu
■ TC-Python
- 例題
- 造形の上面で観測されるメルトプール面積を計算する新しいメソッドが追加され、それにともない例題が更新されました。
(pyex_AM_03_Printability_map.py) - pyex_AM_05_Printability_map.pyが更新されました。
- プロパティモデルに凍結温度を伴う平衡特性モデルの新たな例題が追加されました。
(pyex_PM_5_Property_model_equilibrium_with_freeze_in_temperature
.py)
- 造形の上面で観測されるメルトプール面積を計算する新しいメソッドが追加され、それにともない例題が更新されました。
- メソッド
- 下記の値がThermodynamicQuantityおよびScheilQuantityクラスで指定できるようになりました。
- 電気伝導率および電気抵抗率
- 熱伝導率および熱抵抗率、熱拡散率
- 粘度および動粘度
- 表面張力
- モル体積(ThermodynamicQuantity)
- 蒸発駆動力(ScheilQuantity)
- 蒸発エンタルピー(ScheilQuantity)
- 気体のモル質量(ScheilQuantity)
- 下記のメソッドが消去されました。
クラス メソッド PropertyModelCalculation add_poly_command PropertyModelCalculation remove_all_poly_commands MatrixPhase (precipitation) set_mobility_enhancement_prefactor MatrixPhase (precipitation) set_mobility_enhancement_activation_energy - 下記のメソッドが変更され、2025bで完全に移行されます。
旧名称 新名称 HeatSource.get_calibrated_heatsource
_names ()HeatSource.get_available_calibrated
_heat_source_names ()HeatSource.get_path_of_calibrated
_heatsource ()消去される
- 下記の値がThermodynamicQuantityおよびScheilQuantityクラスで指定できるようになりました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規データベースリリース
- TCMO1(Mo基合金 熱力学データベース)
(TCMO1-technical-info.pdf、TCMO-examples-collection.pdf)- 12の収録元素
Al、B、C、Cr、Fe、Hf、Mn、Mo、Re、Si、Ti、Zr - 167の収録相
- アセスメント
- 66の二元系
- 46の三元系
- 3の四次元系
- 物性値
- モル体積
- 液相の表面張力
- 液相の粘度
- 電気抵抗率
- 熱伝導率
- 12の収録元素
- MOBMO1(Mo基合金 動力学データベース)
(MOBMO1-technical-info.pdf)- 12の収録元素
Al、B、C、Cr、Fe、Hf、Mn、Mo、Re、Si、Ti、Zr - 10の収録相
- 溶液相:LIQUID、FCC_A1、BCC_A2、BCC_B2、HCP3
- 化合物相:MO5SI3_D8M、MO3SI_A15、MOSI2_C11B、C15_LAVES、M6C
- アセスメント
- BCC_A2相における17の二元系
Al-Fe、Al-Ti、Cr-Fe、Cr-Mo、Cr-Ti、Fe-Mn、Fe-Mo、Fe-Si、Fe-Ti、Hf-Mo、Hf-Ti、Hf-Zr、Mn-Ti、Mo-Ti、Zr-Mn、Zr-Mo、Zr-Ti - BCC_A2相における6の三元系
Fe-Cr-Mo、Fe-Mn、Si、Ti-Al-Cr、Ti-Al-Fe、Ti-Al-Mo、Ti-Al-Zr - HCP_A3相における3の二元系
C-Mo、Fe-Cr、Fe-Zr
- BCC_A2相における17の二元系
- 12の収録元素
- TCNB1(Nb基合金 熱力学データベース)
(TCNB1-technical-info.pdf、TCNB-examples-collection.pdf)- 12の収録元素
Al、C、Cr、Hf、Mo、Nb、Si、Ta、Ti、V、W、Zr - 101の収録相
- アセスメント
- 66の二元系
- 76の三元系
- 物性値
- モル体積
- 液相の表面張力
- 液相の粘度
- 電気抵抗率
- 熱伝導率
- 12の収録元素
- MOBNB1(Nb基合金 動力学データベース)
(MOBNB1-technical-info.pdf)- 12の収録元素
Al、C、Cr、Hf、Mo、Nb、Si、Ta、Ti、V、W、Zr - 6の収録相
- 溶液相:BCC_A2、HCP_A3、FCC_A1、LIQUID
- 化合物相:CRSI2_C40、NB5SI3_D8L
- アセスメント
- BCC_A2相における28の二元系
Al-Nb、Al-Ti、Cr-Nb、Cr-Ta、Cr-Ti、Hf-Nb、Hf-Ta、Hf-Ti、Mo-Cr、Mo-Hf、Mo-Nb、Mo-Ta、Mo-Ti、Mo-W、Nb-Ta、Nb-Ti、Nb-V、Nb-W、Ta-Ti、Ta-W、Ti-V、Ti-W、Zr-Hf、Zr-Mo、Zr-Nb、Zr-Ta、Zr-Ti、Zr-V - BCC_A2相における6の三元系
Al-Nb-Ti、Ti-Zr-Nb、Ti-Nb-Ta、Zr-Ta-Nb、Ti-Cr-Nb、Ti-Nb-V - BCC_A2相における4の四元系
Ti-Nb–Ta-Zr、Ti-Nb-Hf-Zr、Ti-Nb-Zr-W、Ti-Cr-Nb-Zr - FCC_A1相における2の二元系
Al-Si、C-Nb - HCP_A3相における2の二元系
C-Mo、C-Nb
- BCC_A2相における28の二元系
- 12の収録元素
■ アップデート版リリース
- TCTI6(Ti基合金 熱力学データベース)
(TCTI6-technical-info.pdf、TCTI-examples-collection.pdf)- 弾性特性
- 体積弾性率、せん断弾性率、ヤング率を追加
- BCC、HCP、FCC相における弾性定数(c11、c12、c13、c14)を追加
- その他の更新内容
- ガス相の記述を更新
- Ti-Ni系およびTi-Ni-X系の記述を更新
- Ti-Al-Ta、Ti-Cr-Fe、Mn-W、O-Sn系を更新
- Fe-Ni系における表面張力を更新
- BCC_A2相のAl-V、Nb-Ti、Ta-Ti、Al-Ti-V、Ti-V、Zr系におけるモル体積を更新
- 弾性特性
- MOBTI5(Ti基合金 動力学データベース)
(MOBTI5-technical-info.pdf)- 1の相を追加
ALTI3_D019(H、O、Al、Ni、Tiのモビリティを評価) - 相の更新
- BCC_A2、HCP_A3、LIQUID、ALTI_L10相を更新
- 液相の拡散の記述を更新
- ALTI_L10相においてOのモビリティを追加
- 系の更新
- BCC_A2相における16の二元系
Al-Nb、Al-Ni、Al-Sn、Cr-Mn、Cr-Nb、Fe-V、Mo-Nb、Nb-Ta、Nb-V、Nb-W、Ti-Mn、Ti-Pd、Ti-W、Zr-Hf、Zr-Nb、Zr-Ta - BCC_A2相における16の三元系
Al-Mo-Ti、Ti-Al-Zr、Ti-Al-Nb、Ti-Al-Sn、Ti-Cr-Mn、Ti-Nb-Ta、Ti-Nb-Zr、Ti-Al-Ni、Ti-Cr-V、Ti-Mo-Nb、Ti-Fe-V、Ti-Fe-Nb、Ti-Cr-Zr、Ti-Cr-Nb、Ti-Nb-V、Zr-Ta-Nb - BCC_A2相における5の四元系
Ti-Nb-Zr-Hf、Ti-Nb-Zr-Ta、Ti-Nb-Zr-Cr、TI-Nb-Zr-Sn、Ti-Nb-Zr-W - HCP_A3相における1の二元系
Cu-Ti
- BCC_A2相における16の二元系
- 1の相を追加
- TCUHTM2(超高温材料用 データベース)
(TCUHTM2-technical-info.pdf、TCUHTM-examples-collection.pdf)- 1の元素を追加
O - 12の酸化物相を追加
- アセスメント
- 7の二元系を追加
B-O、C-O、Hf-O、N-O、O-Si、O-Ta、O-Zr - 15の三元系を追加
B-Hf-O(T)、B-N-O(T)、B-O-Si、B-O-Zr、C-Hf-O(T)、C-O-Zr、Hf-N-O、Hf-O-Si、Hf-O-Ta、Hf-O-Zr、N-O-Si、N-O-Zr、O-Si-Ta、O-Si-Zr、O-Ta-Zr (T:暫定的な評価)
- 7の二元系を追加
- モル体積を追加
- 1の元素を追加
- TCSLD5(はんだ合金用 熱力学データベース)
(TCSLD5-technical-info.pdf、TCSLD-examples-collection.pdf)- 3の元素を追加
hf、Ti、Zr - 56の相を追加および更新
- アセスメント
- 19の二元系を追加
Ag-Hf、Ag-Ti、Ag-Zr、Bi-Mg、B-Mn、Cu、Hf、Cu-Ti、Cu-Zr、Ga-Hf、Ga-Ti、Ga-Zr、Hf-Sn、Hf-Ti、Hf-Zr、Sn-Ti、Sn-Zr、Ti-Zr - 3の二元系を更新
Mg-Pb、Ni-Pb、In-Pb - 5の三元系を追加
Ag-Cu-Ga、Ag-Cu-Ti、Ag-Cu-Zr、Cu-Sn-Ti、Cu-Ti-Zr - 1の三元系を更新
Bi-Sb-Sn
- 19の二元系を追加
- 電気抵抗率と熱伝導率の追加
- 3の元素を追加
- MOBSLD2(はんだ合金用 動力学データベース)
(MOBSLD2-technical-info.pdf)- 3の元素を追加
hf、Ti、Zr - 6の化合物相を追加および更新
NI3SN4、CU2IN_LT、CU7IN3、ALCU_ZETA、CU5ZN8_GAMMA、CU3SN - アセスメント
- FCC_A1相における14の二元系を更新
Ag-Ge、Ag-Mg、Ag-Mn、Ag-Pd、Al-Pt、Al-Ti、Al-Zr、Au-Pt、Co-Mn、Co-Ti、Cu-Ge、Ni-Pd、Ni-Ti、Pd-Pt - FCC_A1相における6の三元系
Ag-Cu-Ni、Ag-Sn-Zn、Cu-Sn-Zn、Cu-Ni-Sn、Cu-Al-Ni、Cu-Al-Sn. - FCC_A1相における2の四元系
Cu-Ni-Al-Sn、Cu-Ni-Al-Zn - HCP_A3相における5の二元
Ag-Mg、Ag-Ti、Cu-Ti、Mg-Ga、Mg-Zn - HCP_A3相における1の三元
Mg-Ag-Zn
- FCC_A1相における14の二元系を更新
- その他の更新内容
- Hf-X、Ti-X、Zr-X二元系における自己拡散係数と不純物拡散係数のデータを追加。
- 液相の拡散における記述を更新。
- 3の元素を追加
■ マイナーアップデート版リリース
- TCAL9.1(Al 基合金 熱力学データベース)
- 更新内容
- 液相 Al の熱伝導率および電気抵抗率を更新。
- Al-Si 系の液相における電気抵抗率を更新。
- Ag-Cu、Bi-Sn、Cu-Sn、Ag-Cu-Sn 系における表面張力のパラメータを更新。
- Ag-Cu、Al-Sb、Al-Te、B-Bi、B-Mg、B-Pb、B-Sn、B-Sr、B-Zn、Bi-C、BiFe、Bi-Mo、Bi-Nd、C-Ca、C-Pb、C-Sn、Cr-Pb、Mg-Sb、Mg-Sn、Mo-Pb、Mo-Sn、Nb-Pb、Pb-Ti、Pb-V、Cu-Ti-Zr 系における粘性パラメータを更新。
- 更新内容
- SLDEMO2.0(はんだ合金用 熱力学デモデータベース)
- 更新内容
- Ag-Cu-Sn 系について更新。
- 更新内容
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2024a
Thermo-Calc 2024a 概要
ソフトウェア本体では、プロットモードがリストから選択できるようになり、出力設定の操作性が向上しました。TC-PRISMAでは、2Dから3Dに変換した計算結果を出力できるようになりました。プロパティモデル全体では、平衡座標プロットが可能になりました。一般プロパティモデルでは、柱状晶から等軸晶への遷移(CET)を計算するモデルと、シャイル凝固計算を利用できるモデルが追加されました。鉄鋼向けプロパティモデルでは、マルテンサイト鋼強度を計算するモデルが追加されました。NI向けプロパティモデルでは、ひずみ-凝固割れ(SAC)のリスクを計算するモデルが追加されました。TC-PythonではAMモジュールが利用できるようになりました。
データベースについては、溶融塩用熱力学データベース(TCSALT1)が新規リリースされました。Al基合金(TCAL9)、Mg基合金(TCMG7)、高エントロピー合金(TCHEA7)、酸化物(TCOX13)、Al基合金(MOBAL8)の計5つのデータベースで新しいバージョンがリリースされました。1つのデータベース(TCCU6.2)がマイナーアップデートされました。
また、4つのデモデータベースデータベース(ALDEMO5.0、OXDEMO5.0、MALDEMO3.0、MFEDEMO4.0)がアップデートされました。
Thermo-Calc 2024a 更新内容
■ Thermo-Calc
- 本体
- 溶融スラグの電気伝導率が TCOX13 で利用できるようになりました。
- 計算に応じて利用できるプロットモードがリストから選択できるようになりました。プロットモードの種類は下記の通りです。
統計モード、クロスプロットモード、フレキシブルモード、グループモード、CCTモード、TTTモード、シンプルモード、アドバンスモード、等高線、平行座標、ヒートマップ、3D
- 相のメタデータが相と相の構成タブで閲覧できるようになりました。
- アインシュタイン関数が関数やデータベースのパラメータ式で使用できるようになりました。
■ Additive Manufacturing(AM)モジュール
- 概要
- キーホールモデルを利用できるようになりました。
- 熱源較正を利用できるようになりました。
- TC-Pythonで利用できるようになりました。
■ 一般プロパティモデル
- 柱状晶から等軸晶への遷移(CET)モデル
- 柱状晶から等軸晶への遷移を計算するモデルが新たに追加されました。
(PM_G_15_Ni-Al-Cr_Columnar_Equiaxed_Transition.tcu)
(PM_G_16_CMSX-4_Columnar_Equiaxed_Transition.tcu)
(PM_G_17_IN718_Columnar_Equiaxed_Transition.tcu)
- 柱状晶から等軸晶への遷移を計算するモデルが新たに追加されました。
- シャイルモデル
- シャイル凝固計算が利用できるモデルが新たに追加されました。
- クラック感受性係数(CSC)モデル
- 2つのモデルが新たに追加されました。
- 利用可能なシャイル計算の種類が追加されました。
■ 鉄鋼向けプロパティモデル
- マルテンサイト鋼強度モデル
- 固有強度、固溶強化、マルテンサイト形成に伴う追加強度を評価することが出来ます。
(PM_Fe_10_Martensitic_Steel_Strength.tcu)
- 固有強度、固溶強化、マルテンサイト形成に伴う追加強度を評価することが出来ます。
■ Ni合金向けプロパティモデル
- ひずみ-時効割れ(SAC)モデル
- ひずみ時効割れのリスクを評価することが出来ます。
(PM_Ni_04_Strain_Age_Cracking.tcu)
(PM_Ni_03_Critical_Temperatures_Alloy_718.tcu)
- ひずみ時効割れのリスクを評価することが出来ます。
■ TC-PRISMA
- 出力機能
- 析出物の3次元分布を2次元分布に変換できるようになりました。
形状が球の時に以下の変数で利用できます。
平均半径
サイズ分布
数密度分布
正規化数密度分布
(P_16_Precipitation_Ni-Al-Cr_Stereology.tcu.) - 初期粒度分布
ワイブル分布が付かされました。
- 析出物の3次元分布を2次元分布に変換できるようになりました。
■ DCITRA
- 均質化計算
- 拡散の早い元素を考慮したシャイル凝固計算で得た結果を組成プロファイルで利用できるようになりました。なお一次デンドライト相を設定した場合は、拡散の早い元素の平均組成が使用されます。
- コンソールモード
- 計算停止基準を設定する ADD_STOP_CRITERION, REMOVE_STOP_CRITERIOコマンドが追加されました。停止基準は下記で定義します。
- DISTANCE:ローカルまたはグローバルな位置を設定し、状態変数の値によってシミュレーションを終了するかを決めます。
- INTERFACE:界面にて、状態変数の値によってシミュレーションを終了するかどうかを決めます。
- INTEGRAL:積分変数(Integral Variables)の値によってシミュレーションを終了するかどうかを決めます。
- 計算停止基準を設定する ADD_STOP_CRITERION, REMOVE_STOP_CRITERIOコマンドが追加されました。停止基準は下記で定義します。
■ TC-Python
- 例題
- AM モジュールの利用が可能になり、下記の例題が追加されました。
pyex_AM_01_Transient_DE_No_Marangoni.py
pyex_AM_02_Transient_SS_DE.py
pyex_AM_03_Steady.py
pyex_AM_04_Scheil_TransientSS.py
pyex_AM_05_Printability_map.py
pyex_AM_06_Keyhole.py - TC-PRISMAに下記の例題が追加されました。
pyex_P_07_Precipitation_Ni_Al_Cr_Isothermal_Gamma_Gamma.py
pyex_P_08_Precipitation_Ni_Al_Cr_NonIsothermal.py
pyex_P_09_Precipitation_Al_Sc_Sphere_Cuboid.py
pyex_P_10_Precipitation_Intitial_PSD_FeCrC.py
pyex_P_11_Interfacial_Energy.py
pyex_P_12_Precipitation_Al_Zr_Growth_Rate_Model_Comparison.py
pyex_P_13_Precipitation_Fe_C_Cr_Paraequilibrium_Precipitation
_of_Cementite.py
pyex_P_15_Fe_C_Mn_PE_OE_Precipitation_of_Cementite.py
- AM モジュールの利用が可能になり、下記の例題が追加されました。
- メソッド
- PrecipitationCalculationSingleResult に以下のメソッドが追加されました。
get_mean_radius_2d_of()
get_size_distribution_2d_for_radius_of()
get_size_distribution_2d_for_particle_length_of()
get_number_density_distribution_2d_for_radius_of()
get_number_density_distribution_2d_for_particle_length_of()
get_normalized_number_density_distribution_2d_of()
- PrecipitationCalculationSingleResult に以下のメソッドが追加されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCSALT1:溶融塩用熱力学データベース
(TCSALT1_technical_info.pdf)- 収録元素(11元素)
Al、Ca、Cl、F、K、Mg、Na、O、Si、Sr、Zr - アセスメント
- 57の擬二元系(Cl系21、F系18、O系18)
- 41の擬三元系(Cl系12、F系11、O系18)
- 2の高次元系(Cl系1、F系1)
- 28のその他の系
- 収録元素(11元素)
- TCAL9:Al基合金熱力学データベース
(TCAL9_technical_info.pdf、TCAL_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(48元素)
Al、Ag、B、Ba、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Pr、S、Sb、Sc、Se、Si、Sn、Sr、Ta、Te、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たにBa、Sb、Ta、Wを追加
- アセスメント
- 38の二元系を更新
- 11の三元系を更新
- その他の更新内容
- ガス相の記述を更新
- Mn-Ni-ZnにおけるBCC_B2とB2_EPSILONの記述を更新
- 表面張力を更新
- 収録元素(48元素)
- MOBAL8:Al基合金動力学データベース
(MOBAL8_technical_info.pdf)- 収録元素(48元素)
Al、Ag、B、Ba、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Pr、S、Sb、Sc、Se、Si、Sn、Sr、Ta、Te、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たにBa、Sb、Ta、Wを追加
- 新たに35の相を追加
- アセスメント
- FCC_A1相に関連する11の系を追加
- FCC_A1相に関連する1の系を更新
- 液相を更新
- 収録元素(48元素)
- TCMG7:Mg基合金熱力学データベース
(TCMG7_technical_info.pdf、TCMG_Examples_Collection.pdf)- 収録元素
Ag、Al、Bi、Ca、Ce、Cu、Dy、Er、Fe、Ga、Gd、H、Ho、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、Pr、Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Y、Zn、Zr - アセスメント
- 15の二元系を追加
- 5の二元系を追加
- 22の三元系を追加
- 11の三元系を更新
- LPSO相に関連する5つの二元系を更新
- LPSO相に関連する11つの三元系を更新
- その他の更新内容
- Li-Mg、Al-Fe、Fe-SiにおけるBCC相のモル体積を更
- 表面張力を更新
- LPSO-14H相およびLPSO-18R相を更新
- 収録元素
- TCOX13:酸化物用熱力学データベース
(TCOX13_technical_info.pdf、TCOX_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(30元素)
Al、Ar ※、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、Fe、Gd、H*、Hf、K、La、Mg、Mn、Mo、N、Na、Nb、Ni、O、P、S、Si、Ti、V、W、Y、Yb、Zr
※ Ar、Hはガス相のみ
- アセスメント
- 1の二元系を追加
- 2の二元系を更新
- 13の三元系を更新
- 1の四元系を更新
- 1の擬二元系を更新
- 6の擬三元系を更新
- 1の擬四元系を更新
- その他の更新内容
- イオン溶液の電気伝導率を追加
- イオン溶液の電気抵抗率を追加
- 液体金属の表面張力を更新
- 収録元素(30元素)
- TCHEA7:高エントロピー用熱力学データベース
(TCHEA7_technical_info.pdf、TCHEA_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(29元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn、Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - その他の更新内容
- 7の二元系を追加
- 1の二元系を更新
- 2の二元系を追加
- 2の三元系を追加
- シグマ相における16の三元系を更新
- BCC相における14の三元系を更新
- FCC相における32の三元系を更新
- HCP相における58の三元系を更新
- その他の更新内容
- 表面張力を更新
- 収録元素(29元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCCU6.2:CU基合金熱力学データベース
(TCCU6_technical_info.pdf)- 更新内容
- BCC相、FCC相、HCP相を更新
- Fe-Niにおける表面張力を更新
- 更新内容
- ALDEMO5.0:Al基合金熱力学デモデータベース
- 更新内容
- 表面張力を更新
- いくつかの固相の電気伝導率を更新
- いくつかの固相の電気抵抗率を更新
- 更新内容
- OXDEMO5.0:酸化物用熱力学デモデータベース
- 更新内容
- イオン溶液の電気伝導率を更新
- イオン溶液の電気抵抗率を更新
- 液体金属の表面張力を更新
- Fe-Siの記述を更新
- Al-Fe、Al-C-Fe、C-Ca、Al2O3-CaO、Al2O3-CaO-Fe-O、
Al2O3-CaO-SiO2、C-Fe-O、C-Fe-Siのアセスメントを更新 - DIAMOND相およびC3A1相の体積パラメータを更新
- 更新内容
- MALDEMO3.0:Al基合金動力学デモデータベース
- 更新内容
- 液相の自己拡散係数および不純物拡散係数を更新
- FCC_A1相のAl-Si、Cu-Si、Al-Cu-Siにおける
モビリティパラメータを更新
- 更新内容
- MFEDEMO4.0:Fe基合金動力学デモデータベース
- 更新内容
- 液相の自己拡散係数および不純物拡散係数における
モビリティパラメータを更新
- 液相の自己拡散係数および不純物拡散係数における
- 更新内容
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2023b
Thermo-Calc 2023b 概要
ソフトウェア本体では、新たにAMモジュールが追加されました。シャイル凝固計算では、DICTRAと連携して計算結果を均質化計算にインプット出来るようになりました。また、4つの新しい出力変数が追加されました。NI向けプロパティモデルでは、規則相のソルバス温度を計算する新たなモデルが追加されました。TC-PRISMAではモビリティの設定が元素ごとにできるようになりました。また、ツェナーピニング効果を設定している場合、析出相で設定できる3つのパラメータが追加されました。
データベースについては、貴金属(TCNOBLE3)、磁性材(TCPMAG2)、Cu基合金(TCCU6)、化合物(SSUB7)、Fe基合金(TCFE13)、Fe基合金(MOBFE8)の計6つのデータベースで新しいバージョンがリリースされました。2つのデータベース(TCNI12.1、TCTI5.1)がマイナーアップデートされました。
また、3つのデモデータベースデータベース(CUDEMO2.0、FEDEMO5.0、MFEDEMO3.0)がアップデートされました。
Thermo-Calc 2023b 更新内容
■ Thermo-Calc
- 本体
- AMモジュールが追加されました。
- Scheil凝固計算
- シャイル凝固計算で得た結果を拡散計算の組成プロファイルで利用できるようになりました。
(D_10_Fe_Homogenization_from_Scheil.tcu) - 鉄鋼においてデルタフェライトからオーステナイトへの変態(Bcc > Fcc)を考慮する設定が追加されました。
- 4つの出力変数が追加されました。
- 固相中の元素の平均組成(XAVG/WAVG)
- 液相の体積分率(VL)
- 全固相の体積分率(VS)
- 固相の体積分率(VS(ph))
- シャイル凝固計算で得た結果を拡散計算の組成プロファイルで利用できるようになりました。
■ Additive Manufacturing(AM)モジュール
- 概要
- 正式リリースされ、Thermo-Calcのアドオンモジュールとして購入が可能となりました。
- 主にパウダーベッド方式の積層造形におけるモデリング用に設計されており、特に組成依存の物性値やプロセスパラメータを統一的に扱うことに重点を置いています。
- 全ての熱物性特性はシャイル凝固計算を通してThermo-Calcのデータベースから直接生成することが出来ます。
- AM計算時に作成されるプローブデータをDICTRAやTC-PRISMAの入力として使用することが出来ます。
■ プロパティモデル
- 相変態モデル
- 考慮しない相をsuspendできる設定が追加されました。
- 液相線・固相線温度モデル
- イベントログに表示される結果を出力する機能が追加されました。
■ Ni合金向けプロパティモデル
- 規則相におけるソルバス温度モデル
- 規則相のソルバス温度を計算するモデルが新たに追加されました。
(PM_Ni_03_Critical_Temperatures_Alloy_718.tcu)
- 規則相のソルバス温度を計算するモデルが新たに追加されました。
■ TC-PRISMA
- モビリティデータ
- 母相の設定で元素ごとにモビリティデータを変更できるようになりました。
- パラ平衡自動成長モデル(PEAutomatic)を選択している場合、析出相の設定で元素ごとに相境界モビリティを変更できるようになりました。
- パラメータの追加
- 母相でツェナーピニング効果を設定している場合、析出相で設定できる3つのパラメータが追加されました。
- 切断サイズ:この値より小さい半径の析出物を計算で無視。
- 動力因子:ツェナー方程式における無次元運動係数。
- 指数:ツェナー方程式における析出物の体積率の指数。
- 母相でツェナーピニング効果を設定している場合、析出相で設定できる3つのパラメータが追加されました。
- 温度プロファイル
- 温度プロファイルのプレビューが結果ウィンドで表示されるようになりました。
- 温度プロファイルの設定でAMモジュールからデータをインポートできるようになりました。
■ DCITRA
- 均質化計算
- シャイル凝固計算で得た結果を組成プロファイルで利用できるようになりました。
(D_10_Fe_Homogenization_from_Scheil.tcu)
- シャイル凝固計算で得た結果を組成プロファイルで利用できるようになりました。
- プレビュー
- 組成プロファイルや温度プロファイルのプレビューが結果ウィンドウに表示されるようになりました。
(D_09:Ni Post Weld Heat Treatment From File)
- 組成プロファイルや温度プロファイルのプレビューが結果ウィンドウに表示されるようになりました。
■ TC-Python
- 例題
- pyex_P_06_Precipitation_Fe_C_zenner_pinning.py
pyex_D_07_Homogenization_Of_Scheil_Profile.py
が更新されました。 - pyex_PM_4_Property_model_YS_simplified_mode_vs_advanced_mode.py
が追加されました。
- pyex_P_06_Precipitation_Fe_C_zenner_pinning.py
- メソッドの消去
- get_system_for_scheil_calculations()メソッドが消去されました。
- メソッドの追加
クラス メソッド SceilCalculationResult get_stable_phases()
get_solid_phase_with_largest_mole_fraction()ScheilQuantity volume_fraction_of_all_liquid()
volume_fraction_of_all_solid_phases()
volume_fraction_of_a_solid_phase(phase)ScheilQuantity average_composition_of_solid_phases_as_mole_fraction(component)
average_composition_of_solid_phases_as_mass_fraction(component)
■ TC-APIの非推奨化
Thermo-Calc2020bよりTC-APIのライセンス販売を停止しています。
2023年12月にリリースされるThermo-Calc2024aまでがサポート対象です。2023年6月以降Thermo-CalcのインストールパッケージからTC-APIが消去される予定です。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCNOBL3:貴金属用熱力学データベース
(TCNOBL3_technical_info.pdf、TCNOBL_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(21元素)
Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、In、Ir、Mn、Ni、Pd、Pt、Re、Rh、Ru、Sn、Ti、Zn - アセスメント
- 4の二元系を更新
- 13の三元系を更新
- その他の更新内容
- ガス相の記述を更新
- 全相に体積の記述を追加
- 全相に熱伝導率を追加
- 全相に電気抵抗率を追加
- 207の二元系に液相粘度を追加
- 207の二元系に表面張力を追加
- 収録元素(21元素)
- TCPMAG2:磁性材用熱力学データベース
(TCPMAG2_technical_info.pdf、TCPMAG_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(9元素)
B、Ce、Co、Dy、Fe、La、Nd、Pr、Tb - 新たにCo、Dy、Tbを追加
- 新たに35の相を追加
- アセスメント
- Coに関連する8の二元系、14の三元系を追加
- Dyに関連する6の二元系、2の三元系を追加
- Tbに関連する7の二元系、2の三元系を追加
- その他の更新内容
- 表面張力を更新
- 収録元素(9元素)
- TCCU6:Cu基合金熱力学データベース
(TCCU6_technical_info.pdf、TCCU_Examples_Collection.pdf)- 収録元素
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 更新内容
- 電気抵抗率を追加
- 熱伝導率を追加
- 表面張力を追加
- 収録元素
- TCFE13:Fe基合金向け熱力学データベース
(TCFE13_technical_info.pdf、TCFE_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(30元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、S、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - アセスメント
- Fe-Mn-Tiを追加
- Cr-Fe-Si、Cr-Ni-Siを更新
- Cr-MnからHIGH_SIGMA相を消去
- S-Zr、Fe-S-Zrを更新
- Fe-Nb-Sを更新
- Fe-O-Y、C-Ni-Siの液相を更新
- その他の更新内容
- ガス相の記述を更新
- 液相の表面張力を更新
- DIAMONDの体積を更新
- FeTi-B2相の熱伝導率を更新
- BN_BKの熱伝導率、電気抵抗率を追加
- 収録元素(30元素)
- MOBFE8:Fe基合金用動力学データベース
(MOBFE8_technical_info.pdf)- 収録元素(29元素)
Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、S、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 更新内容
- FCC_A1(Fe-Co、Fe-Ni、Fe-V、Fe-Zn)のモビリティを更新
- BCC_A2(Fe-Cu、Fe-Si、Fe-Ti、Fe-V、Fe-Zn)のモビリティを更新
- CEMENTITE_d011(Fe-C)のモビリティを更新
- M5C2(Fe-C)のモビリティを更新
- FCC_A1(Fe-Co-Ni、Fe-Co-Cu、Fe-Cu-Ni、Fe-Ni-Ti、Fe-Ni-V、Fe-Co-Cr、Fe-Ni-N、and Fe-Cr-N)のモビリティを更新
- BCC_A2(Fe-Al-Mn、Fe-Al-Ni、Fe-Al-Ti、Fe-Al-V、Fe-Cr-Mo、Fe-Cr-V、Fe-Mn-Si)のモビリティを更新
- 収録元素(29元素)
- SSUB7:化合物用熱力学データベース
(SSUB7_technical_info.pdf)- 収録元素(101元素)
- 200の化合物種、39のガス種を追加
- 計3888の化合物相、1のガス混合相を収録
- 計5985の種を収録(3388の化合物種、2597のガス種)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCNI12.1:NI基合金熱力学データベース
(TCNI12_technical_info.pdf、TCNI_Examples_Collection.pdf)- 更新内容
- LIQUID、IONIC_LIQを修正
- Al-N、Mg-Ni、Co-Ni-V、Mn-Ni-P、Mn-N-Si、Mo-Ni-Pのギブスエネルギーパラメータ
- Ni-Re、Cr-Fe-Niの体積パラメータ
- M2B_TETRの磁気モデルを修正
- DIAMONDのモル体積を更新
- LIQUIDの表面張力を更新
- IONIC_LIQに表面張力を追加
- LIQUID、IONIC_LIQを修正
- 更新内容
- TCTI5.1:Ti/TiAl基合金熱力学データベース
(TCTI5_technical_info.pdf、TCTI_Examples_Collection.pdf)- 更新内容
- 表面張力を更新
- 更新内容
- CUDEMO2.0:Cu基合金熱力学データベース
- 更新内容
- GAS相の記述を更新
- 全相に熱伝導率を追加
- 全相に電気抵抗率を追加
- 液相に粘度を追加
- 液相に表面張力を追加
- 更新内容
- FEDEMO5.0:Fe基合金熱力学データベース
- 更新内容
- GAS相の記述を更新
- 全相に熱伝導率を追加
- 全相に電気抵抗率を追加
- 液相に表面張力を追加
- 更新内容
- FEDEMO5.0:Fe基合金熱力学データベース
- 更新内容
- CEMENTITEを追加
- MOBFE8と同様にモビリティを更新
- 更新内容
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2023a
Thermo-Calc 2023a 概要
ソフトウェア本体では、新たにダークモードが追加されました。シャイル凝固計算では、材料特性に対する新しい評価法が追加されました。プロパティモデルではT-Zero温度モデルおよび凍結温度における平衡特性モデルに新しい機能が追加されました。鉄鋼向けプロパティモデルでは、CCT曲線およびTTT曲線の計算における出力変数が追加されました。また、パーライトおよびベイナイトにおける炭化物が自動的に検出されるようになりました。TC-PRISMAではパラ平衡からオルソ平衡への移行をスムーズに行うパラ平衡自動成長モデルが追加されました。
データベースについては、Zr基合金向け動力学データベース(MOBZR1)が新規リリースされました。酸化物(TCOX12)、Ti基合金(TCTI5)、高エントロピー合金(MOBHEA3)の計3つのデータベースで新しいバージョンがリリースされました。4つのデータベース(TCHEA 6.1、TCAL8.2、MOBTI4.1)がマイナーアップデートされました。
また、主要なデータベースにガス相の記述が追加され、SSUBシリーズが不要になりました。
Thermo-Calc 2023a 更新内容
■ Thermo-Calc
- 本体
- ダークモードが追加されました。
- データベース
- 主要なデータベースにガス相の記述が追加されました。これにより、SSUB等の他のデータベースからガス相を追加することなく下記のような計算を行うことが可能になりました。
- ガス化、脱ガス過程のシミュレーション
- 蒸発温度とエンタルピーの計算
- シャイル凝固計算における蒸発特性の計算
TCOX12 TCTI5 OXDEMO4 TCNI12 TCCU5 TCSLD1 TCUHTM1 TCZR1 TCHEA6 TCMG6 NIDEMO1
- 主要なデータベースにガス相の記述が追加されました。これにより、SSUB等の他のデータベースからガス相を追加することなく下記のような計算を行うことが可能になりました。
- Scheil凝固計算
- 既に凝固した相を考慮するように下記の特性評価方法が改善されました。
- 熱伝導率、抵抗率、拡散率
- 電気伝導率、抵抗率
- 熱量
- 見かけの比熱
- 潜熱
- 密度
- モル体積
- 見かけの体積膨張率
- 固相温度以下の物性を計算するための設定が追加されました。
- 蒸発特性に関する下記3種類の計算が追加されました。
- ガス相のモル質量
- 蒸発のための駆動力
- 蒸発エンタルピー
- 既に凝固した相を考慮するように下記の特性評価方法が改善されました。
■ Additive Manufacturing(AM)モジュール(クローズドβ版)
- 概要
- 次回アップデート(2023年の2023b版)で正式リリース予定です。
Thermo-Calcのアドオンモジュールとして購入が可能となります。 - 主にパウダーベッド方式の積層造形におけるモデリング用に設計されており、特に組成依存の物性値やプロセスパラメータを統一的に扱うことに重点を置いています。
- 2023aでは設定の項目はありますが計算を実施することはできません。
- 次回アップデート(2023年の2023b版)で正式リリース予定です。
■ プロパティモデル
- T-Zero温度モデル
- マルテンサイトの相変態エネルギー障壁を付加できるようになりました。
- このモデルに関連する例題が追加されました。
- PM_G_14_Ti_Fe_T-Zero_Martensite.tcu
- 凍結温度における平衡特性モデル
- 凝固組織を凍結温度よりも高い温度で評価する必要がある場合、チェックボックスによって切り替えることが出来るようになりました。
- 新しい均質化関数が追加されました。
■ Ni合金向けプロパティモデル
- 凍結温度における平衡特性モデル
- 凝固組織を凍結温度よりも高い温度で評価する必要がある場合、チェックボックスボックスによって切り替えることが出来るようになりました。
- 新しい均質化関数が追加されました。
■ 鉄鋼向けプロパティモデル
- CCTモデル、TTTモデル
- パーライトおよびベイナイトに含まれる炭化物を自動で検出するようになり、それぞれに対応する炭化物を設定できるようになりました。
- 新たに下記の出力変数が追加されました。
- オーステナイト変態(10%)
- オーステナイト変態(90%)
- フェライト+セメンタイト合計(98%)
- フェライトのターミナルフラクション
- パーライトのターミナルフラクション
- ベイナイトのターミナルフラクション
- フェライト+セメンタイトのターミナルフラクション
- このモデルに関連する例題が更新されました。
- PM_Fe_06_Fe-C-Mn-Si-Cr-V_TTT
- PM_Fe_08_Fe-C-Mn-Si-Cr-V_CCT
■ 冶金プロセスモジュール
- 例題の更新
- TCOX12のリリースに伴い例題が更新されました。
■ TC-PRISMA
- パラ平衡自動成長モデル(PEAutomatic)
- Para-eqモデルからSimplifiedモデルへスムーズに移行できるようになりました。移行速度はC元素と置換元素の拡散の差およびパラ平衡とオルソ平衡の駆動力の差に依存します。
- このモデルに関連する例題が追加されました。
- P_15_Precipitation_Fe-C-Mn_PE-OE_Precipitation_of_Cementite
.tcu
- P_15_Precipitation_Fe-C-Mn_PE-OE_Precipitation_of_Cementite
■ TC-Python
- メソッドの追加
- get_nameメソッドが追加されました。
- メソッドの名称変更
クラス 旧名称 新名称 Class MatrixPhase Set_grain_radius with_grain_growth_model
(GrainGrowthModel.fixed_grain_size)Class MatrixPhase
Class FixedGrainSizeset_grain_aspect_ratio with_grain_growth_model
(GrainGrowthModel.set_grain_aspect_ratio)Class ScheilQuantity density_of_solid_phase density_of_phase - 2023bでget_system_for_scheil_calculationsメソッドのサポートを終了します。代わりにget_systemメソッドをご利用ください。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規データベースリリース
- MOBZR1:Zr基合金動力学データベース
(MOBZR1_technical_info.pdf )- 収録元素(8元素)
Cr、Fe、Nb、Ni、Sn、O、H、Zr - 収録相
BCC_A2、HCP_A3、LIQUID - アセスメント(BCC_A2 and HCP_A3)
- 14の二元系を評価
- 収録元素(8元素)
■ アップデート版リリース
- TCOX12:酸化物用熱力学データベース
(TCOX12_technical_info.pdf、TCOX_Examples_Collection.pdf )- 収録元素(32元素)
Al、Ar*、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、Fe、Gd、H*、Hf、K、La、Mg、Mn、Mo、N、Na、Nb、Ni、O、P、S、Si、Ti、V、W、Y、Yb、Zr
*Ar、Hはガス相のみ - 新たに元素B、Hf、Ybを追加
- アセスメント
- Hfに関する24の二元系、11の三元系、8の高次元系を追加
- Ybに関する24の二元系、10の三元系、8の高次元系を追加
- Bに関する20の二元系、21の三元系、12の高次元系を追加
- 2の三元系、6の高次元系を追加
- 5の擬二元系、7の擬三元系、2の擬高次元系を追加
- 1の二元系、3の三元系を更新
- 5の擬二元系、6の擬三元系、3の擬四元系を更新
- その他
- ガス相の記述を更新
- GARNET相の記述を更新
- 収録元素(32元素)
- TCTI5:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
(TCTI5_technical_info.pdf、TCTI_Examples_Collection.pdf )- 収録元素(28元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - アセスメント
- 11の三元系が追加されました。
- 体積パラメータの更新
- Ti-V、Ti-Al-Vの液相
- Ti-Al-OのAlTi3_D019
- Ti-HのBCC_A2
- Ti-O、Ti-NのHCP_A3
- その他
- ガス相の記述を更新
- デフォルトでガス相を選択
- 収録元素(28元素)
- MOBHEA3:高エントロピー合金向け動力学データベース
(MOBHEA3_technical_info.pdf )- 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn、Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - アセスメント
- BCC_A2の全二元系を更新
- 収録元素(26元素)
- OXDEMO4:酸化物用デモ熱力学データベース
- 収録元素(7元素)
- Al、C、Ca、Fe、O、S、Si
- アセスメント
- CaO-Al2O3、CaO-Al2O3-SiO2、CaO-Al2O3-Fe-O、CaCO3-FeCO3、 CaO-Al2O3-Fe-O-SiO2、CaO-Al2O3、CaO-Al2O3-SiO2を更新
- TCFEと同様になるように金属系を更新
- その他
- ガス相の記述を更新
- 表面張力を追加
- 粘度、モル体積を更新
- FCC_A1とBCC_A2のモル体積を修正
- 相の名前を変更
C1A1F2 → A1C1F2、
CF → CAV2O4、
CA2SIO4_ALPHA → CA2SIO4_ALPHA_A
- 収録元素(7元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCHEA6.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
(TCHEA6_technical_info.pdf )- アセスメント
- 2の二元系を更新
- 17の三元系を更新
- アセスメント
- TCAl8.2:Al基合金向け熱力学データベース
(TCAL8_technical_info.pdf )- Al-Fe-NiのB2相のモル体積を修正
- TCCU5.1:Cu基合金向け熱力学データベース
(TCCU5_technical_info.pdf )- Al-Fe-NiのB2相のモル体積を修正
- MOBTi4.1:Ti基合金向け動力学データベース
(MOBTI4_technical_info.pdf )- HCP_A3のTiにおけるNの不純物拡散パラメータを更新
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2022b
Thermo-Calc 2022b 概要
ソフトウェア本体では、全体のデザインや操作性が見直され、出力結果のプロットサイズ調整機能などが実装されました。鉄鋼向けプロパティモデルにはフェライトモデルが追加され、CCT曲線およびTTT曲線の計算でフェライトへの変態が考慮できるようになりました。TC-Pythonについては、ユーザー様からご要望の多かった計算タイムアウトの機能が実装されました。さらにTC-Pythonでは冶金プロセスモジュールも実装され、全ての拡張モジュールを利用できるようになりました。
データベースについては、超高温材料向けの熱力学データベース(TCUHTM1)が新規リリースされました。また、Ni基合金(TCNI12、MOBNI6)、Cu基合金(TCCU5、MOBCU5)、高エントロピー合金(TCHEA6)、核物質(MEPH20、NUCL20)の計7つのデータベースで新しいバージョンがリリースされました。3つのデータベース(TCSLD4.2、TCMG6.3、ALDEMO4.1)がマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2022b 更新内容
■ Thermo-Calc
-
グラフィカルモード
- ルック・アンド・フィールの改良
近年のThermo-Calcプラットフォームの複雑化とユーザーエクスペリエンスの向上のため、計算テンプレートや例題、チュートリアル動画、オンラインヘルプなどをより簡単に利用できるように再構築されました。 -
モル体積、電気抵抗率、熱伝導率の例題の追加
- T_15_Molar_Volume_and_Thermal_Expansion_Coefficient.tcu
- T_16_Electrical_Resistivity_Thermal_Conductivity_Cu.tcu
- 主なバグ修正
System Definerで基準温度と圧力が単位によって変化しない不具合が修正されました。
- ルック・アンド・フィールの改良
-
コンソールモード
- 一時ファイルのパスの設定
オプションで、状態ファイルState_***.POLY3やログファイルなどの一時ファイルを保存するTemporary Directoryフォルダのパスを変更できるようになりました。 - モル体積、電気抵抗率、熱伝導率の例題の追加
tcex58、tcex59、tcex60
- 一時ファイルのパスの設定
-
プロット
- あらかじめ用意されたプロットのテーマを使用できるようになりました。カスタムテーマとして自由にテーマを作成できます。設定したテーマは.json形式でエクスポート、インポートできます。
- プロットテーマはデフォルトで「デフォルト」、「大」、「小」、「出版」の4種類が用意されています。これらはエクスポートすることでカスタムテーマのテンプレートとして使用できます。
- プロットサイズの設定において、結果ウィンドウの幅と高さの最小値を1辺の寸法とする正方形で描画する設定が追加されました。
- プロットサイズの設定において異なるプロット間でプロット属性(ラベル、フォントサイズ、軸、目盛りなど)を維持するかの選択をできるようになりました。この設定を使用しない場合、プロット属性は画面サイズや解像度を考慮せずに縮小/拡大されます。
- LaTeXフォーマットの色を変更できるようになりました。また、解像度が不鮮明になる問題が解決されました。
-
Scheil凝固計算
- 気相/液相転移温度から計算が開始できるようになりました。これにより液相が安定しない温度から計算ができるようになります。液相線温度以上の平衡計算では、気相/液相温度と液相/気相温度の間の二相領域において5K間隔で計算されます。この温度以下では気相は安定ではありません。液相/気相温度から液相温度までは50K間隔で平衡計算が行われ、液相温度からは通常通りシャイル凝固シミュレーションが行われます。
- Solute-trappingを考慮したシャイルモデルが改良されました。
-
プロジェクトファイル
- 旧バージョンで作成されたプロジェクトファイルを開く際に、後方互換性を保つために様々なバグが発生、報告されていました。そのため異なるバージョンで作成されたプロジェクトファイルを開く際に、結果を含まずに開くようになりました。
- 2022b以降で作成したプロジェクトファイルに結果が保存されている場合でも、結果を含まずに開くことができるようになりました。
- 最近使用したプロジェクトファイルを開くメニューが追加されました。
■ プロパティモデル
-
降伏応力モデル
- TC-PRISMAにおける降伏応力モデルと整合するように変更が行われました。従来の降伏応力モデルでは析出物のモル分率と降伏強度が用いられていましたが、両者とも析出物の体積分率を用いるようになりました。
- 粒径分布を用いることで、せん断機構とオロワン機構の間の遷移を滑らかにすることができるようになりました。ユーザーが与えた平均析出物半径からLishitz-Slyozov-Wagner粒径分布 (LSW PSD) に変換することで、部分的な析出物強化の寄与を計算することができます。
- 元素固有の強度について、アレニウス型A*exp(-B/T)で温度依存性が実装されました。該当する元素はAg、Al、Au、Be、Ce、Co、Cr、Cu、Dy、Er、Fe、Gd、Hf、Ho、Ir、La、Mg、Mo、Nb、Nd、Ni、Pd、Pt、Rh、Sm、Ta、Ti、U、V、W、Y、Zn、Zrです。また、固溶強化のモデルパラメータをすべて最適化し、元のモデルの精度を維持しています。
- 析出強化モデルにReppich model(Ni-base)を選択している場合、逆位相境界エネルギーに計算値を利用できるようになりました。この機能はNi合金向けプロパティモデルに基づいており、γ’相にのみ利用可能です。
-
鉄鋼向けプロパティモデル
- 新たにフェライトモデルが追加されました。このモデルは低炭素鋼において長時間高温保持した場合に起こるような、オーステナイトからフェライトへの変態を計算します。このフェライトモデルはTTT曲線やCCT曲線の計算に利用できます。
-
このフェライトモデルに関連する例題が追加、更新されました。
- PM_Fe_06_Fe-C-Mn-Si-Cr-V_TTT.tcu
- PM_Fe_07_Hardenability_Design_of_Steel.tcu
- PM_Fe_08_Fe-C-Mn-Si-Cr-V_CCT.tcu
- PM_Fe_09_Fe-C-Ni_Ferrite.tcu
-
パーライトモデルおよびベイナイトモデルの時間積分のアルゴリズムが改良され、以下の問題が修正されました。
- オーステナイトからパーライトへの変態が完了するはずのところ、計算では不完全な変態となる場合がある。
- CCT曲線の計算で冷却速度が遅い場合、パーライト変態開始点よりベイナイト変態開始点の方が速いことがある。
-
例題
- 積層造形に使用するチタン基合金の組成の最適化
PM_G_13_Ti_Alloy_Design_for_AM.tcu
- 積層造形に使用するチタン基合金の組成の最適化
■ TC-Python
-
冶金プロセスモジュール(Process Metallurgy Module)
冶金プロセスモジュールが実装されました。関連する例題が追加されました。- pyex_PMET_01_Single_adiabatic_equilibrium.py
- pyex_PMET_02_Stepping_adiabatic_equilibrium.py
- pyex_PMET_03_Mapping_isothermal_equilibrium.py
- pyex_PMET_04_Simple_process_simulation.py
- pyex_PMET_05_VOD_process_simulation.py
- タイムアウト機能
タイムアウト機能が実装されました。設定された時間内に計算が終了しない場合、UnrecoverableCalculationExceptionを得ることができます。そのため複数の計算を行う際に、計算に時間がかかる条件については例外処理でスキップして次の計算へ進めることができるようになりました。 - ScheilOptionクラス
calculate_from_gasメソッドが追加され、気相/液相転位温度から計算が開始できるようにしました。 -
メソッドの名称変更
旧名称 新名称 set_fast_diffusing_elements
(ScheilCalculationクラス)set_fast_diffusing_elements
(ScheilCalculationTypeクラス)with_back_diffusion with_calculation_type set_homogenization_function with_function - 2023bでget_system_for_scheil_calculationsメソッドのサポートを終了します。代わりにget_systemメソッドをご利用ください。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
新規データベースリリース
-
TCUHTM1:超高温材料向け熱力学データベース
(TCUHTM1_technical_info.pdf、TCUHTM_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(7元素)
B、C、Hf、N、Si、Ta、Zr -
アセスメント
- 21の二元系を評価
- 26の三元系を評価
- 35の相を考慮
- 収録元素(7元素)
アップデート版リリース
-
TCNI12:Ni基超合金向け熱力学データベース
(TCNI12_technical_info.pdf、TCNI_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(31元素)
- Al、Ar、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Pd、Pt、Re、Ru、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr
- 新たに元素Pが追加されました。
-
アセスメント
- Pに関連する20の二元系が追加されました。
- Pに関連する29の三元系が追加されました。
- Fe-Nb-Siが追加されました。
- Fe-Nbを更新し、MUおよびC14_LAVESの相境界が改善されました。
- Nb-Ni、Fe-Si、Nb-Siを更新し、C14_LAVES準安定相の記述が改善されました。
- Co-Wを更新し、Co3W_D019が低温で安定するよう改善されました。
- Al-Co-Wを更新し、FCC_L12#2(γ-prime)が過剰に安定化する問題が改善されました。
- Al-Co-Ni-Wの改善のため、Co-Ni-WのFCC_L12準安定相が改善されました。
- Al-Co-Ni、Nb-Ni-Tiが更新されました。
-
その他の更新
- IONIC_LIQの粘度が更新されました。高温域の熱伝導率が改善されました。
- Cr-Fe-Niの電気抵抗率が過大評価されていた問題が改善されました。
- D0I_MO2B5をMO2B5_D8Iに改名し、strukturberichtが修正されました。
- MU_PHASEで使用されているMUFEMO関数でのギブスエネルギーの誤植が修正されました。
-
TCCU5:Cu基合金向け熱力学データベース
(TCCU5_technical_info.pdf、TCCU_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(32元素)
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ce、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、La、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素CeとLaが追加されました。
-
アセスメント
- 13の二元系が追加されました。
- 11の三元系が追加されました。
- 収録元素(32元素)
-
TCHEA6:高エントロピー合金向け熱力学データベース
(TCHEA6_technical_info.pdf)- 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn、Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr -
アセスメント
- Al-V-Zrが追加されました。
- 18の三元系が更新されました。
- 19の三元系の一部が修正されました。
- GAS相が追加されました。
- 収録元素(26元素)
-
MEPH20:核燃料向け熱力学データベース
(MEPH20_technical_info.pdf)- 収録元素(17元素)
Ar、Ba、C、Ce、Cr、Cs、Fe、H、La、Mo、O、Pu、Ru、Si、Sr、U、Zr - 新たに元素Crが追加されました。
-
アセスメント
- Crに関連する14の二元系が追加されました。
- Crに関連する6の三元系が追加されました。
-
6の擬二元系が追加されました。実験データが不十分な三元系について、擬二元系の領域のみがモデル化されています。
- Ba-Cr-Oに対してBaO-Cr2O3をモデル化
- Cr-La-Oに対してCr2O3-La2Oをモデル化
- Cr-O-Siに対してCrO-SiO2およびCr2O3-SiO2をモデル化
- Cr-O-Srに対してCr2O3-SrOをモデル化
- Cr-O-Uに対してCr2O3-UO2をモデル化
- 収録元素(17元素)
-
NUCL20:核酸化物向け熱力学データベース
(NUCL20_technical_info.pdf)- 収録元素(20元素)
Ag、Al、Ar、B、Ba、C、Ca、Cr、Fe、H、In、La、Mg、Ni、O、Ru、Si、Sr、U、Zr -
アセスメント
- Ag-Inの二元系が更新されました。
- BaO-CaOのバグが修正されました。
- CaO-Al2O3-ZrO2、CaO-MgO-ZrO2の擬三元系が追加されました。
- Al2O3-SiO2-ZrO2が更新されました。
- B0414NI0586がB7NI10に改名されました。
- FE333U250ZR417(e)、FE6U71ZR23(l)、FE503U18ZR32(k)がそれぞれFE4U3ZR5、FE6U71ZR23、FE253U9ZR16に改名されました。
- 収録元素(20元素)
-
MOBNI6:Ni基超合金向け動力学データベース
(MOBNI6_technical_info.pdf)- 収録元素(29元素)
Al、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Pd、Pt、Re、Ru、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Pが追加されました。
-
アセスメント
-
FCC_A1
- 4の二元系が追加されました。
- 25の三元系が追加・更新されました。
-
FCC_L12
- 3の三元系が追加・更新されました。
-
BCC_B2
- Ni-Al-Coが追加されました。
-
LIQUID
- Ni-Pが追加されました。
-
FCC_A1
- 収録元素(29元素)
-
MOBCU5:Cu基合金向け動力学データベース
(MOBCU5_technical_info.pdf)
- 収録元素(32元素)
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、La、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素Ce、Laが追加されました。
-
アセスメント
-
FCC_A1、LIQUID
- Ce、Laの自己拡散および関連する不純物拡散のデータが追加されました。
-
FCC
- 3の二元系が追加されました。
- 4の三元系が追加されました。
- 2の四元系が追加されました。
- Ni-Tiが更新されました。
-
LIQUID
- 2の二元系が追加されました。
-
FCC_A1、LIQUID
- 収録元素(32元素)
■ マイナーアップデート版リリース
-
TCSLD4.2:はんだ合金向け熱力学データベース
(TCSLD4_technical_info.pdf)-
アセスメント
- Sn-BiとAu-Coが更新されました。
-
アセスメント
-
TCMG6.3:Mg基合金向け熱力学データベース
(TCMG6_technical_info.pdf)-
アセスメント
- Ag-Mgが更新されました。
- Al-Mg-Yが更新されました。
- GAS相が更新されました。
-
アセスメント
-
ALDEMO4.1:Al基合金 デモ熱力学データベース
- TCAL8.1に基づいてAl3ScとAl3Zrの熱膨張率が更新されました。
- 液相Cuの熱伝導率が更新されました。
- 固相Siの電気伝導率が更新されました。
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2022a
Thermo-Calc 2022a 概要
ソフトウェア本体には、材料Aから材料Bへ、合金組成を遷移させながら平衡計算を行うMaterial to Material Calculator(材料-材料の計算)などの新機能が追加されました。拡張モジュールとして、新たにNi合金専用プロパティモデルがリリースされ、粗大化の速度定数Kや逆位相境界エネルギー、凍結温度における材料特性を計算できます。析出モジュールTC-PRISMAには結晶粒成長と分散粒子のピニング効果(Zener pining)のモデルが追加されました。データベースについては、永久磁石材料向け熱力学データベースTCPMAG1、Zr基合金向け熱力学データベースTCZR1、貴金属向け動力学データベースMOBNOBL1がリリースされました。また、Fe基合金(熱力学/動力学)、Ti/TiAl基合金、Al基合金(動力学)、汎用固溶体データベースがアップデート、そのほか計6つがマイナーアップデートされました。一部のデータベースには電気抵抗/熱伝導率/粘度/表面張力の計算機能が追加されました。
Thermo-Calc 2022a 新機能
■ Thermo-Calc
- 材料間計算機能(Material to Material Calculator)
材料Aから材料Bへ、合金組成を遷移させながら平衡計算を行う機能が追加されました。異種材同士が接触した際に、界面に形成される相を調べたり、合金元素の遷移過程においてどのような反応があるかを調べたりする際に活用できます。 - シャイル凝固計算(Scheil Calculator)
- グローバルミニマムの設定がデフォルトでオンになり、グローバルテストの間隔を設定できるようになりました。
- 開始温度から計算を行う設定が追加されました。液相線以上の液相の結果も含まれます。
- シャイル計算前に行われていた一軸平衡計算を行わずに、シャイル計算を行うことが出来るようになりました。この設定はデフォルトではオンになっており、平衡計算結果との比較のために使用されます。
- 熱伝導率、熱抵抗、電気伝導率、電気抵抗の評価がより正確になりました。
- 変数
ボーア磁子数、キュリー温度、密度、熱容量、系の等温圧縮率、相安定性関数、系の熱膨張率、相の体積分率について、ユーザ側で変数や関数を定義することなく、表形式やグラフでの出力が可能となりました。 - コマンド履歴
コンソールモードのウィンドウタブから、コマンド履歴をクリップボードにコピーしたり、マクロファイルに保存したりできるようになりました。 - GES6(Gibbs Energy System)
新しいモデルとしてEinsteinモデルが追加されました。データベース作成の際に、低温域や中温域での比熱を記述することが可能になりました。最大で5つのEinstein温度(それに対応する重み関数)を追加できます。このモデルはGES6のみで利用可能です。
■ TC-PRISMA
新たに、結晶粒成長と分散粒子のピニング効果(Zener pining)のモデルが追加されました。これらのモデルは結晶粒サイズ分布の時間変化を計算します。粒子は球状を仮定し、核生成は考慮されません。
例題:P_14_Precipitation_Fe-C-Ferrite-Grain_Growth_with_Zenner_Pinning
■ Ni合金向けプロパティモデル
- 粗大化の速度定数
球形の析出相を仮定し、粗大化における速度係数Kを計算します。 - 凍結温度における平衡特性
指定した凍結温度で平衡計算を行った際の組織を保ちつつ、異なる温度での材料特性を評価します。
例題:PM_Ni_01_Lattice_Parameter_of_Gamma_Prime - 逆位相境界エネルギー
γ’ 相の逆位相境界エネルギーを計算します。
例題:PM_Ni_02_Antiphase_Boundary_Energy_of_Gamma_Prime
■ 冶金プロセスモジュール
プロセスシミュレーションを使用する際に、「プロセスモデルの編集(Edit Process model)」ウィンドウの「相グループの移動(Transfer of phase group)」設定に、時間の関数として定義するオプションが追加されました。この設定は鋼からスラグへの介在物の浮揚を考慮する際に役立ちます。
■ TC-Python
- SingleEquilibriumCalculationからinterfacial_energyを取得できるようになりました。
- ブックマークされた一点平衡計算に、成分の状態(例として“entered”や“suspended”)も含まれるようになり、ブックマークした際の成分の状態を読込む際に、正しく設定されるようになりました。
- 複数の値を返すプロパティモデルは、エラー時には例外:“exception”を返すのみでしたが、エラーがログに記述されるほか、対応する値にはNaNを返すようになりました。
- プロパティモデルに動的引数を追加・削除する機能が改善されました。新しく作成した引数のインデックスを指定することができます。また、関数への入力として、作成したすべての引数のインデックスを取得できるようになりました。
- ScheilQuantityクラスのdensity_of_solid_phaseメソッドがdensity_of_phaseメソッドに改名されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規データベースリリース
- TCPMAG1:永久磁石材料向け熱力学データベース
(TCPMAG1_technical_info.pdf、TCPMAG_Example_Collection.pdf)- 収録元素(6元素)
B、Ce、Fe、La、Nd、Pr - アセスメント
- 15の二元系を評価
- 11の三元系を評価
B-Ce-Fe、B-Fe-Nd、B-Fe-La、B-Fe-Pr、Ce-Fe-La、Ce-Fe-Nd、Ce-Fe-Pr、Ce-La-Pr、Fe-La-Nd、Fe-Nd-Pr - 19の相を考慮
- 物性データ
- 液相、固相のモル体積
- 液相の粘度
- 液相の表面張力
- 収録元素(6元素)
- TCZR1:Zr基合金向け熱力学データベース
(TCZR1_technical_info.pdf、TCZR_Example_Collection.pdf)- 収録元素(8元素)
Cr、Fe、H、Nb、Ni、O、Sn、Zr - アセスメント
- 28の二元系を評価
- 19の三元系を評価
- 69の相を収録
- 物性データ
- 液相、固相のモル体積
- 全固相と液相の熱膨張係数
- 液相の粘度
- 液相の表面張力
- 収録元素(8元素)
- MOBNOBL1:貴金属合金向け動力学データベース
(MOBNOBL1_technical_info.pdf)- 収録元素(21元素)
Ag、Au、Cu、Pd、Pt、Al、Co、Cr、Fe、Ga、Ge、In、Ir、Mn、Ni、Re、Rh、Ru、Sn、Ti、Zn
- 収録元素(21元素)
■ アップデート版リリース
- TCFE12:Fe基合金向け熱力学データベース
(TCFE12_technical_info.pdf、TCFE_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(30元素)
Al、Ar、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、Ru、S、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Snが追加されました。
- 電気抵抗と熱伝導率が追加されました。
- アセスメント
- Snに関連する26の二元系が追加されました。
- Snに関連する13の三元系が追加されました。
- 亜鉛メッキに関連する8の三元系が追加されました。
- 収録元素(30元素)
- TCTI4:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
(TCTI4_technical_info.pdf、TCTI_Examples_Collection.pdf) - 収録元素(28元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - アセスメント
- Ti-Al-NiとTi-Cu-Niが追加されました。
- BCC_B2相のMo-VとMo-Ti-Vが更新されました。
- 電気抵抗と熱伝導率が追加されました。
- α2相とγ相の体積が更新されました。
- SSOL8:汎用固溶体熱力学データベース
(SSOL8_extended_info.pdf)- 収録元素(79元素)
- GAS相に元素Bが追加されました。
- アセスメント
- 101の二元系が追加されました。
- 1の三元系が追加されました。
- 2023の相を収録
- MOBFE7:Fe基合金向け動力学データベース
(MOBFE7_technical_info.pdf、TCFE_Examples_Collection.pdf) - 収録元素(29元素)
Al、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、Ru、S、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - BCC、FCC、液相にSnが追加されました。
- MOBAL7:Al基合金向け動力学データベース
(MOBAL7_technical_info.pdf、TCAL_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(44元素)
Ag、Al、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Pr、S、Sc、Se、Si、Sn、Sr、Te、Ti、V、Y、Zn、Zr - FCC、液相にNd、Pr、S、Se、Teが追加されました。
- 収録元素(44元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCMG6.2:Mg基合金向け熱力学データベース
(TCMG6_technical_info.pdf、TCMG_Examples_Collection.pdf)- 熱抵抗と電気抵抗が更新されました。
- PrにおけるDHCPと液相のモル体積と熱膨張係数が更新されました。
- TCSLD4.1:はんだ合金向け熱力学データベース
(TCSLD4_technical_info.pdf、TCSLD_Examples_Collection.pdf)- アセスメント
- Sn-Biが更新されました。
- lattice stabilityが更新されました。
- 液相における粘度と表面張力が更新されました。
- 体積が更新されました。
- アセスメント
- TCHEA5.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
(TCHEA5_technical_info.pdf、TCHEA_Examples_Collection.pdf)- アセスメント
- BCC相のAl-Cr-Nb-Ti-V-Zrが更新されました。
- MC炭化物における(Hf、Nb、Ta、Ti、V、Zr)Cの記述が更新されました。
- 三元系(Al-Fe-W、Al-Hf-Nb、Al-Mo-Nb、Al-Mo-Ni)に関連した計算時のバグが修正されました。
- アセスメント
- TCAL8.1:Al基合金向け熱力学データベース
(TCAL8_technical_info.pdf、TCAL_Examples_Collection.pdf)- 液相の表面張力、粘度、体積が更新されました。
- すべての二元系において液相の表面張力、粘度が追加されました。
- 電気抵抗と熱伝導率が更新されました。
- Prのモル体積と熱膨張係数が更新されました。
- YのAlへの溶解度がモデリングされました。
- TCOX11.1:酸化物用熱力学データベース
(TCOX11_technical_info.pdf、TCOX_Examples_Collection.pdf)- FCC_A1とBCC_A2のモル体積が更新されました。
- TCNI11.0.1:Ni基超合金向け熱力学データベース
(TCNI11_technical_info.pdf、TCNI_Examples_Collection.pdf)- M6C炭化物のモル体積が更新されました。
Thermo-Calc 2021b
Thermo-Calc 2021b 概要
ソフトウェア本体には、積層造形のような急速凝固を評価するために、Scheilモデルにsolute-trappingを考慮した機能が追加されました。また、鉄鋼向けプロパティモデルの連続冷却変態(CCT)線図計算機能の追加や恒温変態(TTT)線図計算機能の改良、プロパティモデルのバッチ計算機能の追加などが行われました。データベースについては、Ni基超合金、Cu基合金(熱力学/動力学)、Al基合金、酸化物、高エントロピー合金、はんだ合金データベースがアップデートされました。そのほか1つがマイナーアップデートされました。また、一部のデータベースに電気抵抗/熱伝導率/粘度/表面張力が追加されました。
Thermo-Calc 2021b 新機能
■ Thermo-Calc
- シャイル凝固計算(Scheil Calculator)
積層造形のような急速凝固を評価するために、solute-trappingを考慮したScheilモデルが追加されました。この新機能を使用した例題が追加されました。 - 鉄鋼向けプロパティモデル
鉄鋼向けプロパティモデルにCCT線図の計算モデルが追加されました。この新機能を使用した例題が追加されました。
TTT線図の計算モデルが改善され、マルテンサイト、パーライト、ベイナイトの独立した各計算モデルを統合して計算できるようになりました。これにより、これらの変態過程を同一画面上で簡便に評価することができます。
※鉄鋼向けプロパティモデルは、TCFE9およびMOBFE4以降のライセンスが必要となります。 - プロパティモデル
プロパティモデルにバッチ計算機能が追加されました。計算条件を記載したスプレッドシートを読み込み、ハイスループット計算が可能です。実験値をスプレッドシートに含めることで計算値と実験値を比較することも可能です。
■ TC-Python
- DICTRA
境界条件を時間の関数で設定できるようになりました。また、計算を実行後に一部の設定を変更して計算を続行できるようになりました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCNI11:Ni基超合金向け熱力学データベース
(TCNI11_technical_info.pdf、TCNI_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(30元素)
Al、Ar、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、Ru、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 電気抵抗と熱伝導率が追加されました。
プロパティモデルの「Equilibrium with Freeze-in Temperature: 凍結温度での材料組織特性を評価する機能」を使用することで各特性をより正確に予測できます。
- 収録元素(30元素)
- TCCU4:Cu基合金向け熱力学データベース
(TCCU4_technical_info.pdf、TCCU_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(30元素)
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - アセスメント
- Cr-P、Ni-P、Cu-Ni-P、Cu-Co-Si、Ni-Zn-Snが追加されました。
- 194の二元系の液相の粘度が追加されました。
- 220の三元系の液相の表面張力が追加されました。
- 液相の体積が更新されました。
- 収録元素(30元素)
- MOBCU4:Cu基合金向け動力学データベース
(MOBCU4_technical_info.pdf)- 収録元素(30元素)
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - アセスメント
- FCC相にCu-Al-Sn、Cu-Ni-Snが追加されました。
- 液相にNi-Pが追加されました。
- 液相のCu-Al-Niが更新されました。
- 収録元素(30元素)
- TCAL8:Al基合金向け熱力学データベース
(TCAL8_technical_info.pdf、TCAL_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(44元素)
Al、Ag、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Pr、S、Sc、Se、Si、Sn、Sr、Te、Ti、V、Y、Zn、Zr - 新たに元素Nd、Pr、S、Se、Teが追加されました。
- アセスメント
- 8の二元系が追加されました。
- 9の三元系が追加されました。
- 2の四元系が追加されました。
- 収録元素(44元素)
- TCOX11:酸化物用熱力学データベース
(TCOX11_technical_info.pdf、TCOX_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(29元素)
Al、Ar、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、Fe、Gd、H、K、La、Mg、Mn、Mo、N、Na、Nb、Ni、O、P、S、Si、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Kが追加されました。
- アセスメント
- 36の二元系が追加されました。
- 39の三元系が追加されました。
- 86の四元系が追加されました。
- 炭化物、窒化物を含む91の相が追加されました。
- 液相の表面張力が追加されました。
- Kを含む液相の粘度が追加されました。
- 収録元素(29元素)
- TCHEA5:高エントロピー合金向け熱力学データベース
(TCHEA5_technical_info.pdf、TCHEA_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn、Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 液相の表面張力が追加されました。
- BCC、FCC、HCP固溶体相の電気抵抗と熱伝導率が追加されました。
- 収録元素(26元素)
- TCSLD4:はんだ合金向け熱力学データベース
(TCSLD4_technical_info.pdf、TCSLD_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(21元素)
Ag、Al、Au、Bi、Ca、Cd、Co、Cu、Ga、Ge、In、Mg、Mn、Ni、Pb、Pd、Pt、Sb、Si、Sn、Zn - 液相の粘度が追加されました。
- 液相の表面張力が追加されました。
- 収録元素(21元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCMG6.1:Mg基合金向け熱力学データベース
(TCMG6_technical_info.pdf)- 30の二元系、1の三元系の液相の粘度が追加されました。
- 12の二元系の液相の表面張力が追加されました。
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
■ サポート終了のお知らせ
Thermo-Calc 2021b以降、Windows 7、8のサポートを終了いたします。ユーザの方々にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解・ご了承をいただけますと幸甚です。
Thermo-Calc 2021a
Thermo-Calc 2021a 概要
ソフトウェア本体では、プロパティモデル開発フレームワークがTC-Pythonに統合され、独自のプロパティモデルを作成できるようになりました。また、データベース開発のための新しいツールであるTDBエディタ機能が追加されました。データベースについては、Fe基合金(熱力学/動力学)、Mg基合金(熱力学/動力学)、Ti/TiAl基合金(熱力学/動力学)、Al基合金(動力学)、核燃料、核酸化物データベースがアップデートされました。そのほか6つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2021a 新機能
■ Thermo-Calc
- Property Model Calculator
4つのジェネラルモデル(クラック感受性係数、T0温度、スピノーダル、凍結温度での平衡特性)と2つの鉄鋼向けモデル(ベイナイト、臨界変態温度)が追加されました。
Thermo-CalcのProperty Model各種例題をご参照ください。
※鉄鋼向けプロパティモデルは、TCFE9およびMOBFE4以降のライセンスが必要となります。
■ 冶金プロセスモジュール(Process Metallurgy Module)
プロセススケジュールで圧力と反応速度を変更できるようになりました。この新機能を用いた真空酸素脱炭(VOD)プロセスの例題が追加されました。
※冶金プロセスモジュールはTCOX8以降のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。また、上記のデータベースをお持ちでない方でも、デモデータベースOXDEMOを使用してThermo-Calcに付属の例題を実行することが可能です。
■ TDBエディタ
独自のデータベースを開発するための新しいデータベース開発ツールTDBエディタが利用可能になりました。
■ DICTRA
計算を一時停止している間に境界条件を編集することが可能になりました。これにより応用的な浸炭の計算などができるようになりました。
■ TC-Python
- 一点平衡計算のブックマーク
一点平衡計算の計算後のワークスペースの状態を保存・復元する機能が追加されました。 - 組成条件の消去
一点平衡計算およびバッチ平衡計算の関数set_component_to_suspendedに成分の組成条件が定義されている場合に、成分の組成条件を消去するオプションが追加されました。 - 例題追加
新しいAPIであるpropertymodel_sdkで記述されたプロパティモデルの作成と使用方法を示す例が追加されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCFE11: Fe基合金向け熱力学データベース
(TCFE11_technical_info.pdf、TCFE_Example_Collection.pdf)- 収録元素(29元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、
H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、
S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - アセスメント
- 37の二元系が追加されました。
- 20の三元系が追加されました。
- 液体金属の表面張力が追加されました。
- 液体の体積が更新されました。
- Liquid、FCC、BCC、HCP相においてHが溶解するようになりました。
- 主要な金属水素化物相が収録されました。
- 収録元素(29元素)
- MOBFE6: Fe基合金向け動力学データベース
(MOFE6_technical_info.pdf)- 収録元素(28元素)
Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、H、
Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、
S、Si、Ta、Ti、W、V、Y、Zn、Zr - 新たに元素Hが追加されました。
- 収録元素(28元素)
- TCMG6: Mg基合金向け熱力学データベース
(TCMG6_technical_info.pdf、TCMG_Examples_Collection.pdf)- 収録元素(33元素)
Ag、Al、Bi、Ca、Ce、Cu、Dy、Er、Fe、Ga、Gd、
H、Ho、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、
Pr、Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Y、Zn、Zr - 新たに元素Bi、Hが追加されました。
- アセスメント
- 12の二元系が追加されました。
- 11の三元系が追加されました。
- Cu-Gd、Mg-Nd-Zn、Mg-Al-Ce、Mg-Si-Snの相平衡が更新されました。
- GAS相を除く全ての相で電気抵抗と熱伝導率が追加されました。
- 液相の粘度と表面張力が追加されました。
- 全ての相で体積と熱膨張率が追加されました。
- 収録元素(33元素)
- MOBMG2: Mg基合金向け動力学データベース
(MOBMG2_technical_info.pdf)- 収録元素(33元素)
Ag、Al、Bi、Ca、Ce、Cu、Dy、Er、Fe、Ga、Gd、
H、Ho、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、
Pr、Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Y、Zn、Zr - 新たに元素Bi、Dy、Er、Ga、H、Ho、In、Sb、Smが追加されました。
- 収録元素(33元素)
- TCTI3: Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(28元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、
Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Cuが追加されました。
- アセスメント
- 9の二元系が追加されました。
- 13の三元系が追加されました。
- 液相の粘度と表面張力が追加されました。
- 収録元素(28元素)
- MOBTI4: Ti/TiAl基合金向け動力学データベース
(MOBTI4_technical_info.pdf)- 収録元素(28元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、H、Hf、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、Re、
Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - BCC_A2、HCP_A3、LIQUID相にCuが追加されました。
- 収録元素(28元素)
- MOBAl6: Al基合金向け動力学データベース
(MOBAl6_technical_info.pdf)- 収録元素(39元素)
Ag、Al、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、
Ga、Ge、H、Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、
Ni、O、P、Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Y、Zn、Zr - 新たに元素Nb、P、Yが追加されました。
- 収録元素(39元素)
- MEPH19: 核燃料用熱力学データベース
(MEPH19_technical_info.pdf)- 収録元素(16元素)
Ar、Ba、C、Ce、Cs、Fe、H、La、Mo、O、Pu、Ru、Si、Sr、U、Zr - アセスメント
- 10の二元系が更新されました。
- 5の擬二元系が更新されました。
- 3の三元系が更新されました。
- 収録元素(16元素)
- NUCL19: 核酸化物用熱力学データベース
(NUCL19_technical_info.pdf)- 収録元素(20元素)
Ag、Al、Ar、B、Ba、C、Ca、Cr、Fe、H、In、La、Mg、Ni、O、
Ru、Si、Sr、U、Zr - アセスメント
- 26の二元系が更新されました。
- 11の擬二元系が更新されました。
- 5の三元系が更新されました。
- 1の擬三元系が更新されました。
- 収録元素(20元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCAl7.1: Al基合金向け熱力学データベース
- アセスメント
- Al-Moが更新されました。
- 体積が更新されました。
- 電気抵抗と熱伝導率が更新されました。
- アセスメント
- TCHEA4.2: Al高エントロピー合金向け熱力学データベース
- アセスメント
- 二元系Ir-W、Mo-Rh、Rh-Wが追加されました。
- アセスメント
- TCOX10.1: 酸化物用熱力学データベース
- いくつかのアセスメントが追加されました。
- MoO2、MoO3、NbO、Nb2O5、Y2O3の粘度が追加されました。
- 液体金属の体積が統一されました。
これにより他のデータベースとの整合性が向上しました。 - 液相と固相の体積を更新しました。
- 準安定相であるFeSiO3が安定相として出てくる問題が修正されました。
- NiOにおいてT=1800Kで関数が不連続となるバグが修正されました。
- 溶解度が更新されました。
- TCFE8.2、TCFE9.3: Fe基超合金向け熱力学データベース
- 液相Znの体積が修正されました。
- SALT1.3: 溶融スラグ用熱力学データベース
- 液相LiClの記述のバグが修正されました。
- MOBTI3.1: Ti/TiAl基合金向け動力学データベース
- BCC_A2中のOの拡散率が修正されました。
- 熱力学データベース一覧
- 動力学データベース一覧
Thermo-Calc 2020b
Thermo-Calc 2020b 概要
ソフトウェア本体では、析出モジュ―ルTC-PRISMAに固溶・析出強化による降伏強度を計算するモデルが追加され、Process Metallurgy Module には EERZ モデルが追加され、精錬プロセスのシミュレーションが可能となりました。データベースについては、新規データベースを使用することで、電気伝導率、熱伝導率などが出力可能となったほか、Al基合金、Ni基超合金、酸化物データベースがアップデートされます。そのほか計6つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2020b 新機能
■ Thermo-Calc
- 新たなプロパティの出力
液相の 粘度・表面張力、また各相の 熱伝導率・電気伝導率などの新しいプロパティが出力可能になりました。(新しいプロパティの出力にはデータベースが対応している必要があります) - PARROT モジュールがGES6 に対応
今までPARROTモジュールではGES5のみが使用できましたが、GES6が使用できるようになりました。
■ Process Metallurgy Module
冶金・製鋼プロセスをシミュレーションする EERZモデル(Effective Equilibrium Reaction Zone:有効平衡反応域モデル)が追加されました。このモデルでは反応域(溶鋼/スラグ界面)と溶鋼・スラグの間の熱伝導率・物質拡散を考慮することによって、炉内の反応を速度論的に考慮することが可能です。また、時間に応じた加熱やガス・スクラップの投入などのプロセススケジュールも設定可能であり、精錬プロセス全体をシミュレーションすることが可能となります。(Process Metallurgy Module のご利用には TCOX8 以降のデータベースが必要となります。また、EERZ モデルの利用には TCOX10 のご利用を推奨いたします。)
■ TC-PRISMA
Yield Strength モデルと組み合わせることで、降伏強度の析出強化の影響を計算ができるようになりました。通常のTC-PRISMAと同様の操作で強度を求めることができるため、温度プロファイルによる析出や母相の組成変化を考慮した熱処理プロセスの検討にご活用いただけます。
※Yield strength モデルは2020aにProperty Model に追加された固溶強化、粒界境界、析出強化を考慮した降伏強度を計算するモデルです。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCAL7:Al基合金向け熱力学データベース
(TCAL7_technical_info.pdf)- 収録元素(39元素)
Al、Ag、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、
Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、In、
K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、P、
Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Y、Zn、Zr - 新たに元素Nb、P、Yが追加されました。
- アセスメント
- 6の三元系が追加されました。
- いくつかの相が追加/更新されました。
- 熱伝導率・電気伝導率が追加されました。
- 液相の粘度・表面張力が追加されました。
- 収録元素(39元素)
- TCNI10:NI基超合金向け熱力学データベース
(TCNI10_technical_info.pdf)- アセスメント
- 3の二元系が更新されました。
- 14の三元系が更新されました。
- 液相の粘度・表面張力が追加されました。
- 精度が更新されました。
パラメータの更新の際に様々な実用超合金やモデル合金に対して自動で計算結果の検証がなされています。 - 相の結晶構造の情報が追加されました。
コンソールモードのlist-systemコマンドのconstitution オプションで確認できます。
- アセスメント
- TCOX10:酸化物用熱力学データベース
(TCOX10_technical_info.pdf)- 収録元素(28元素)
Al、Ar、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、Fe、
Gd、H、La、Mg、Mn、Mo、N、Na、
Nb、Ni、O、P、S、Si、Ti、V、W、Y、Z - 新たに元素N、Na、Hが追加されました。
- アセスメント
- いくつかの3元系以上の酸化物が追加/更新されました。
- FCC相の置換型元素の副格子における空孔濃度が更新されました。
これにより液相温度で空孔分率が1e-5 になりました。
- 金属/酸化物の液相/固相の体積が追加されました。
- IONIC_LIQ相(液体金属/液体スラグ)に粘度が追加されました。
- 収録元素(28元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCFE10.1:Fe基合金向け熱力学データベース
- Fe-Mn-N、Fe-W-N系でのFeコーナーで高窒素化合物が出てくるバグを修正しました。
- TCHEA4.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
- 全ての相の結晶構造の情報が収録されました。
- HCP_ZN相がHCP_A3に統合されました。
- Cu-Zn、Mn-Zn、Cu-Mn-Znに見られるHCP構造のε相がCUMNZN_EPSILON_HCP相としてHCP_A3相から独立しました。
- TCTI2.2:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
- 液相のYに関するパラメータが修正されました。
- TCSLD3.3
- アセスメント
- Ga-Bi、Ga-Sb、Ga-Inを追加しました。
- アセスメント
- TCAQ3.1
- 表記のバグを修正しました。
- GCE2.4
- SUPERFLUID相を除外し、いくつかバグ修正を行いました。
提供終了のお知らせ
Thermo-Calc 2020b以降、以下のソフトウェア/モジュール/データベースが提供中止となります。ユーザの方々にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解・ご了承をいただけますと幸甚です。
■ 提供中止となるソフトウェア/モジュール/データベース
TC-API、SLAG4、TCSC1、TCFC1、TCMP2、TCES1、NUOX4
■ TC-APIの今後のスケジュール
- 2020年 7月 TC-API新規提供中止
- 2023年12月 TC-API保守の終了
- 2024年 6月 TC-APIをThermo-Calcインストールパッケージから除外
Thermo-Calc 2020a
Thermo-Calc 2020a 概要
ソフトウェア本体では、液相の粘度の計算ができるようになり、Property Model Calculatorでは、降伏強度の計算モデルが追加されるなど多くの機能が追加されました。データベースについては、Fe基合金(熱力学/動力学)、高エントロピー合金(熱力学/動力学)、汎用固溶体データベースがアップデートされました。そのほか計3つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2020a 新機能
■ Thermo-Calc
- シャイル凝固計算(Scheil Calculator)
動力学データベースを用いることで、冷却速度とBack Diffusionを考慮する計算が可能になりました。 - 液相の粘度の計算
計算の出力として粘度が追加されました。TCFE10、TCHEA4など粘度の情報が記述されているデータベースを用いることで、液相の動粘度・絶対粘度を計算することが可能になりました。 - Property Model Calculator
降伏強度を計算するモデルが追加されました。合金中の個々の元素単体の強度、粒界強度、固溶強化、析出強化を考慮し、合金の降伏強度を計算することが出来ます。 - Process Metallurgy Module
計算条件として断熱条件を与えた計算が可能になりました。これによって実際の炉内をシミュレートすることが出来ます。例えば、溶鋼に低温のスクラップや合金鉄を加えた酸素ガスによる燃焼反応によって炉内の温度が変化する様子などの計算が可能になります。
※鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュールは、TCOX9またはTCOX8のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。また、上記のデータベースをお持ちでない方でも、デモデータベースOXDEMOを使用してThermo-Calcに付属の例題を実行することが可能です。
■ TC-Python
- Batch Equilibrium Calculation
条件を振った場合の平衡計算がより高速になる機能が追加されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCFE10:Fe基合金向け熱力学データベース(TCFE10_extended_info.pdf)
- 収録元素(29元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、
H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、
S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たに元素Ruが追加されました。
- アセスメント
- 53の二元系が追加されました。
- 15の二元系が更新されました。
- 13の三元系が追加されました。
- 15の三元系が更新されました。
- 2の四元系が追加されました。
- 多くの四元系が更新されました。
- Nに関するアセスメントが更新されました。
主に二相ステンレス鋼を対象にしており、特に液相線/固相線、高温でのα-γの二相平衡の予測精度が向上しています。
- 液相に粘度のデータが追加されました。
- 計算結果でFCC/BCC相のorder/disorderの区別がつきやすくなりました。常にFCC_A1/BCC_A2はdisorder相、FCC_L12/BCC_B2はorder相となりました。
- 収録元素(29元素)
- MOBFE5:Fe基合金向け動力学データベース(MOBFE5.pdf)
- 収録元素(27元素)
Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、P、Ru、S、Si、
Ta、Ti、W、V、Y、Zn、Zr
- 収録元素(27元素)
- TCHEA4:高エントロピー合金向け熱力学データベース
(TCHEA4_extended_info.pdf)- 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn、
Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta、
Ti、V、W、Y、Zn、Zr - アセスメント
- 13の二元系(Ir、Rh中心)が追加されました。
- Al-Ti系が更新されました。
- 49の三元系が追加されました。
- 12の三元系が更新されました。
- 液相の粘度データが追加されました。
- いくつかの相の名前に結晶構造の情報が追加されました。
- 収録元素(26元素)
- MOBHEA2:高エントロピー合金向け動力学データベース
(MOBHEA2.pdf) - 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、Mn
Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、Si、Sn、Ta
Ti、V、W、Y、Zn、Zr - SSOL7:汎用固溶体熱力学データベース
(SSOL7_extended_info.pdf)- 収録元素(79元素)
Ag、Al、Am、As、Au、B、Ba、Be、Bi、C、
Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cs、Cu、Dy、Er、Eu、
Fe、Ga、Gd、Ge、H、Hf、Hg、Ho、In、Ir、
K、La、Li、Lu、Mg、Mn、Mo、N、Na、Nb、
Nd、Ni、Np、O、Os、P、Pa、Pb、Pd、Pr、
Pt、Pu、Rb、Re、Rh、Ru、S、Sb、Sc、Se、
Si、Sm、Sn、Sr、Ta、Tb、Tc、Te、Th、Ti、
Tl、Tm、U、V、W、Y、Yb、Zn、Zr - アセスメント
- 108の二元系が追加されました。
- Al-Vの二元系が更新されました。
- 14の三元系が追加されました。
- 合計683の二元系を評価
- 合計140の三元系を評価
- 合計20の高次元系を評価
- 1771の相を収録
- 収録元素(79元素)
■ マイナーアップデート版リリース
Thermo-Calc 2019b_Update
概要
Thermo-Calc 2019b Update は下記の更新・バグ修正をおこなった2019bのマイナーアップデートバージョンです。
TCOX8、TCOX9
- 電荷を考慮した計算が収束しない問題を改善するため、以下の相を使用する際に特定の元素の組み合わせの際にある構成要素をrejectするようになりました。
CA2SIO4_ALPHA
CA2SIO4_ALPHA_PRIME
ZRO2_MONO
ZRO2_TETR
NB2O5
冶金プロセスモジュール
- CaC2、CaCO3、MgCO3が選択できるようになりました。
TC-Python
- キャッシュを利用した計算の高速化の際に、違う計算結果を参照してしまう問題が修正されました。
- ユーザーデータベースで4副格子モデルを使用できないバグが修正されました。
- Linux版で初期粒径分布を与えたとき計算ができなくなるバグが修正されました。
その他
- Thermo-Calcのインストールフォルダのパスにスペースが含まれている場合に、GES6がNoSuchFile例外を出すバグが修正されました。
- ノードロック版ライセンスファイルのデフォルト保存場所が
C:\Program Files\Thermo-Calc\lservrc に変更となりました。
Thermo-Calc 2019b
Thermo-Calc 2019b 概要
ソフトウェア本体では、計算エンジンのバージョンアップによる計算の高速化や、高炉・転炉等の計算を 簡便に行う冶金プロセスモジュールの新規追加等が行われました。
データベースについては、酸化物、Cu基合金データベースがアップデートされました。そのほか計2つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2019b 新機能
■ Thermo-Calc
- 鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュール
グラフィカルモードに、冶金プロセスモジュール(Process Metallurgy)が追加されました。本モジュールは、BOFやアーク炉、LFなどの転炉工程を含む製鋼・精錬プロセスにおける各種計算に適用できます。温度・酸素分圧・スラグ(量や成分)による、鋼中の硫黄やリン含有量への影響や、脱酸前の溶鋼中の溶存酸素量、脱酸後の溶鋼中の酸化物系介在物など、以下の計算が可能です。- 鉄鋼成分やスラグ成分を個別に定義
- 鋼とスラグの平衡計算
- 脱硫、脱リン、脱炭の計算
- 分配係数の計算
- スラグ塩基度やスラグ中の硫黄含有量の計算
- スラグ中の固/液割合の計算
※鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュールは、TCOX9またはTCOX8のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。
また、上記のデータベースをお持ちでない方でも、デモデータベースOXDEMOを使用してThermo-Calcに付属の例題を実行することが可能です。 - 鉄鋼向けプロパティモデル
TTT線図作成テンプレートが追加されました。
マルテンサイト変態や、パーライトを考慮したTTT線図を簡単に計算・作図するワークフローが追加されました。また、プロットレンダラーにTTT線図を作図するための新しいオプションが追加されました。
※鉄鋼向けプロパティモデルは TCFE9 と MOBFE4 のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。 - 新しい計算エンジン(GES6)
Thermo-Calcの平衡計算に使われる計算エンジンであるGibbs Energy System(GES)のバージョンが5から6にアップデートされました。
多くの平衡計算を必要とする状態図の計算などで最大3倍程度の高速化が実現します。
※GESのバージョン6はまだバージョン5の一部の機能が未実装となります。
通常の平衡計算における使用にはほとんど問題ありませんが、一部の機能(PARROTモジュール)などではGESのバージョンを5に戻していただく必要がございます。
GESのバージョン変更はThermo-Calcのオプション画面で行えます。
オプション画面はThermo-Calcを立ち上げた上でツールバーの Tools → Options を選択することで立ち上げることが出来ます。
■ TC-PRISMA
パラ平衡やNPLEモードでの成長モデルが追加されました。
Thermo-Calcに付属の析出モジュールの例題13にパラ平衡モデルでの計算例がございます。
こちらの例題は追加ライセンスをお持ちでなくとも実行可能となっておりますのでぜひお試しください。
■ DICTRA
局所平衡計算の初期値設定など、いくつかの計算オプションで“Automatic”の設定が実装されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCOX9:酸化物用熱力学データベース
- 収録元素(25元素)
Al、Ar、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、Fe、Gd、
La、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、O、P、S、Si、
Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Tiが追加されました。
- 収録元素(25元素)
- TCCU3:Cu基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(30元素)
Ag、Al、Au、As、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、
Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、
O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素Geが追加されました。
- 収録元素(30元素)
- MOBCU3:Cu基合金向け動力学データベース
- 収録元素(30元素)
Ag、Al、As、Au、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、
Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、
O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素Geが追加されました。
- 収録元素(30元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCFE9.1:Fe基合金向け熱力学データベース
- アセスメント
- Fe-C-S三元系等が更新されました。
- MNS相などいくつかの相の体積が更新されました。
- アセスメント
- TCTI2.1:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
- アセスメント
- 64チタン合金を対象とした液相温度の精度向上のための更新がされました。
- アセスメント
Thermo-Calc 2019a
Thermo-Calc 2019a 概要
ソフトウェア本体では、マルテンサイト、パーライトの計算を行える鉄鋼向けプロパティモデルの新規追加、TC-Pythonに拡散計算の追加がなされました。データベースについては、Ni基超合金(熱力学/動力学)、Ti/TiAl基合金(熱力学/動力学)、Al基合金(熱力学/動力学)データベースがアップデートされました。そのほか計2つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2019a 新機能
■ Thermo-Calc
- 鉄鋼向けプロパティモデル
グラフィカルモードのProperty Model Calculatorに鉄鋼モデルが追加されました。このモデルによってマルテンサイトやパーライトの計算が可能となります。鉄鋼向けプロパティモデルを利用するには TCFE9 と MOBFE4 のライセンスが必要となります。
■ TC-Python
拡散モジュールDICTRAの各種計算機能とThermo-Calcグラフィカルモードのプロパティモデルの計算が可能になりました。これにより、TC-PythonでThermo-Calcのグラフィカルモードと同等以上の計算が可能となりました。上記の鉄鋼向けプロパティモデルもTC-Pythonで利用可能です。
TC-PythonはPython言語向けのSDKです。ご自身のPythonスクリプト内でThermo-Calcの計算を呼び出すことができます。PythonにはNumPyやSciPyをはじめとする科学数値計算や機械学習向けのライブラリを利用することができます。TC-Python とこれらを組み合わせた計算が可能となります。
■ TC-PRISMA
- 計算の一時停止、再開機能が追加されました。
- General growth rate モデルが追加されました。
- 出力できる結果として、析出相の組成と、数密度分布が追加されました。
■ DICTRA
Homogenized モデルのアドバンスドオプションとして下記の機能が追加されました。
- 1regionの計算において、データベースに収録されたモル体積を使用可能になりました。
- 主元素に対する境界条件を追加できるようになりました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCNI9:Ni基超合金向け熱力学データベース
- 収録元素(30元素)
Al、Ar、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、H、
Hf、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、
Pt、Re、Ru、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Ca、Mg、Sが追加されました。
特にSが追加されたことによりNi基合金系での硫化の計算が可能となります。 - アセスメント
- 58の二元系が追加されました。
- 67の三元系が追加されました。
- 合計350の二元系を評価
- 合計308の三元系を評価
- 150の相が追加されました。680の相を収録
- 収録元素(30元素)
- MOBNI5:Ni基超合金向け動力学データベース
- 収録元素(28元素)
Al、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、
Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、
Pt、Re、Ru、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr
- 収録元素(28元素)
- TCTI2:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(27元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Fe、H、Hf、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、
Re、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 新たに元素Ag、H、Pd、Ptが追加されました。
特にHが追加され、TiやAl中のHの固溶度の計算が可能になりました。 - アセスメント
- 合計269の二元系を評価
- 合計95の三元系を評価
- 体積が追加されました。
- 収録元素(27元素)
- MOBTI3:Ti/TiAl基合金向け動力学データベース
- 収録元素(27元素)
Ag、Al、B、C、Co、Cr、Fe、H、Hf、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Pd、Pt、
Re、Ru、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr
- 収録元素(27元素)
- TCAL6:Al基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(36元素)
Al、Ag、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce
Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、
In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、
Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Zn、Zr - 新たに元素Moが追加されました。
- S'相、S''相、T'相、η'相 が更新されました。
- Al-Cu-Mg-Zn系における析出に関わる準安定相が更新されました。
- 収録元素(36元素)
- MOBAL5:Al基合金向け動力学データベース
- 収録元素(36元素)
Al、Ag、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、
Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、Hf、
In、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、
Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Zn、Zr
- 収録元素(36元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCMG5.1:Mg基合金向け熱力学データベース
- TCHEA3.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
Thermo-Calc 2018b
Thermo-Calc 2018b 概要
ソフトウェア本体では、TC-Pythonの機能追加やバグフィックスが行われました。データベースについては、酸化物、Mg基合金データベースがアップデート、そのほか計1つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2018b 新機能
■ TC-Python
平衡計算機能に下記の機能と例題が追加されました。
- Scheil凝固計算
- 状態図の計算
- プロパティ図の計算
Thermo-Calcの計算とNumPyやSciPyといったPythonパッケージ他のプログラムを組み合わせた計算が可能となります。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCOX8:酸化物用熱力学データベース
- 収録元素(24元素)
Al、Ar、C、Ca、Co、Cr、Cu、F、
Fe、Gd、La、Mg、Mn、Mo、Nb、
Ni、O、P、S、Si、V、W、Y、Zr - 新たに元素Co、Mo、P、V、W、Arが追加されました。
- アセスメント
- 合計241の二元系を評価
- 合計218の三元系を評価
- 合計104の四元系を評価
- 収録元素(24元素)
- TCMG5:Mg基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(31元素)
Ag、Al、Ca、Ce、Cu、Dy、Er、Fe、Ga、Gd、
Ho、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、Pr、
Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Y、Zn、Zr、 - 新たに元素Dy、Er、Ga、Ho、In、Sb、Smが追加されました。
- アセスメント
- 合計195の二元系を評価
- 合計91の三元系を評価
- 収録元素(31元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCAL5.1:Al基合金向け熱力学データベース
- アセスメント
- Al-Cu-Fe-Mn系やSi-Ti、Al-Si-Ti系が更新されました。
- 体積の記述が更新されました。
- アセスメント
Thermo-Calc 2018a
Thermo-Calc 2018a 概要
ソフトウェア本体では、Python言語のSDKであるTC-Pythonが追加されました。析出モジュールTC-PRISMAでは析出相の初期粒度分布を設定したり、界面エネルギーを関数で入力したりできるようになりました。データベースについては、ハイエントロピー向け動力学データベースMOBHEA1がリリースされました。また、高エントロピー合金、Al基合金(動力学)データベースがアップデートされました。
Thermo-Calc 2018a 新機能
■ TC-Python
Thermo-Calcで行う平衡計算や析出モジュールの計算をPythonスクリプト内で行うためのSDKとしてTC-Pythonが追加されました。
■ DICTRA
- グラフィカルモードで計算の一時停止、再開が可能になりました。
- コンソールモードでGrid の自動設定機能が追加されました。
■ TC-PRISMA
- 析出相の初期粒径分布を設定できるようになりました。
- 界面エネルギーを定数だけでなく、温度や粒径の関数として入力できるようになりました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規リリース
- MOBHEA1:高エントロピー合金向け動力学データベース
- 収録元素(23 元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、Re、
Ru、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 収録相(5相)
FCC_A1、FCC_L12、BCC_A2
BCC_B2、LIQUID
- 収録元素(23 元素)
■ アップデート版リリース
- TCHEA3:高エントロピー合金向け熱力学データベース
- 収録元素(26元素)
Al、B、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Ir、
Mn、Mo、N、Nb、Ni、Re、Rh、Ru、
Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たに元素B、Ir、Rh、Sn、Zn、Yが追加されました。
- アセスメント
- 100以上の二元系が追加されました。
- 150以上の相が追加されました。
- 収録元素(26元素)
- MOBAL4:Al合金向け動力学データベース
- 収録元素(35元素)
Ag、Al、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、
Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、
Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Ni、
Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Zn、Zr - 新たに元素Erが追加されました。
- アセスメント
- いくつかの二元系のアセスメントが追加されました。
- いくつかの三元系のアセスメントが追加されました。
- いくつかの四元系のアセスメントが追加されました。
- 収録相(3相)
FCC_A1、FCC_L12、LIQUID
- 収録元素(35元素)
Thermo-Calc 2017b
Thermo-Calc 2017b 概要
ソフトウェア本体では、グラフィカルモードでの拡散モジュールDICTRAの機能が拡充したり、3次元での描画機能などが追加されたりしました。
データベースについては、Ti/TiAl基合金向け熱力学データベースTCTI1、貴金属向けデータベースTCNOB1がリリースされました。また、Al基合金、Ti/TiAl基合金(動力学)、汎用化合物データベースがアップデート、そのほか計1つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2017b 新機能
■ Thermo-Calc
- 平衡計算またはプロパティモデル計算のプロパティグリッドでの計算結果を3Dで描画可能になりました。
- アドオンモジュール(Diffusion Module、Precipitation Module)のデモモードで3元素での計算が可能になりました。
- プロパティモデルのPhase transition, Liquidus and solidus temperatureの計算速度が向上しました。
- コンソールと計算結果ウィンドウ間移動のための新しいキーボードショートカットが追加されました。
- コンソールモードにおいて、高解像度スクリーンに対応しました。
- コンソールモードにおけるDATAPLOTシンボル、EXPファイル、Scheil凝固計算、Project fileを含むいくつかの問題のバグを修正しました。
- COMPUTE_TRANSITIONコマンドの計算速度が向上しました。
■ TC-PRISMA
- 非球形粒(立方状、平面状、針状)の析出計算が可能になりました。
- 連続冷却変態(CCT)線図計算機能が追加されました。
■ DICTRA
- 境界条件の設定が可能になりました。
- 表出力に対応しました。
- 初期濃度分布の可視化機能が追加されました。
- アドバンスプロットモードが追加されました。
- コンソールモードで複合相の化学拡散計算で使用することができる補間のためのコマンドが追加されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規リリース
- TCTI1:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(23元素)
Al、B、C、Co、Cr、Fe、Hf、Mn、
Mo、N、Nb、Ni、O、Re、Ru、
Si Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - アセスメント
- 236の二元系を評価
- 71の三元系を評価
- 収録元素(23元素)
- TCNOBL1:貴金属合金向け熱力学データベース
宝飾具、歯科治療用金属、装飾品、科学実験器具の精密部品などで使われる貴金属向けデータベースです。- 収録元素(21元素)
Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、
Ga、Ge、In、Ir、Mn、Ni、Pd、
Pt、Re、Rh、Ru、Sn、Ti、Zn - アセスメント
- 204の二元系を評価
- 61の三元系を評価
- 収録元素(21元素)
■ アップデート版リリース
- TCAL5:Al合金向け熱力学データベース
- 収録元素(35元素)
Al、Ag、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、Ce、
Co、Cr、Cu、Er、Fe、Ga、Ge、H、
Hf、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Ni、
Pb、Sc、Si、Sn、Sr、Ti、V、Zn、Zr - 新たに元素Er が追加されました。
- アセスメント
- Ceの二元系が更新されました。
- Al-Ce、Al-Er、Al-Li、Al-Sc、Al-Snなどが更新されました。
- Ceの三元系が更新されました。
- Al-Li-Zr、Cu-Li-Mg系が追加されました。
- L12型準安定相 Al3Liが更新されました。
- 8xxxおよび8xx.xシリーズの工業用アルミ合金の精度を更新しました。
- 収録元素(35元素)
- TCHEA2.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
- シグマ相の安定性が更新されました。
- MOBTI2:Ti合金向け動力学データベース
- 収録元素(23元素)
Al、B、C、Co、Cr、Fe、Hf、Mn、
Mo、N、Nb、Ni、O、Re、Ru、
Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr - 収録相(4相)
BCC_A2、HCP_A3、ALTI_L10、LIQUID - アセスメント
- 20の二元系を評価
- 7の三元系を評価
- 収録元素(23元素)
- SSUB6:汎用化合物熱力学データベース
- 90の物質が追加されました。合計5746の化合物、ガス種が含まれています。
Thermo-Calc 2017a
Thermo-Calc 2017a 概要
ソフトウェア本体では、拡散モジュールDICTRAがグラフィカルモードで使用できるようになりました。また、2015bから加わったプロパティモデル計算が拡張され、ユーザ自身の特性モデルをPython言語で作成できるようになりました。
データベースについては、はんだ合金向け動力学データベースMOBSLD1がリリースされました。また、Fe基合金(熱力学/動力学)、ハイエントロピー合金、Cu基合金(熱力学/動力学)、酸化物データベースの6つがアップデート、そのほか計2つがマイナーアップデートされました。
Thermo-Calc 2017a 新機能
■ Thermo-Calc
- プロパティモデル計算
- テーブルレンダラーが追加されました。
- 等高線プロットの可読性の向上など出力が改善されました。
- 液相/固相温度を計算するモデルが追加されました。
- Python 言語でユーザ自身の特性モデルを作成できるようになりました。既存モデルのPythonコードを閲覧でき、ユーザ定義モデルを作成する際の参考としてもご使用いただけます。
- DICTRA
- グラフィカルモードで使用できるようになります。
- 析出モジュールTC-PRISMAと同様にモジュールのライセンスを持っていなくてもデモモードのご使用が可能です。デモモードでは使用できる元素が2種類までという制限はありますが、拡散モジュールDICTRAが提供する全ての計算が実行可能です。
- デモモードでも実行可能な例題が付属します。
- Thermo-Calc AB 社提供の例題ビデオがあります。
- 析出モジュールTC-PRISMA
- 設定可能な元素数が10種類から20種類に増えました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規リリース
- MOBSLD1:はんだ合金向け動力学データベース
Sn-/Au-/Bi-/Zn-系はんだ合金向けの動力学データベースです。- 収録元素(21元素)
Ag、Al、Au、Bi、Ca、Cd、Co、
Cu、Ga、Ge、In、Mg、Mn、Ni、
Pb、Pd、Pt、Sb、Si、Sn、Zn
- 収録元素(21元素)
■ アップデート版リリース
- TCFE9:鉄合金データベース
- 収録元素(28元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、
Fe、H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、
P、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たに元素Ceが追加されました。
- アセスメント
- 32の二元系が追加されました。
- 35の三元系が追加されました。
- 50の二元系が更新されました。
- 39の三元系が更新されました。
- 高Mn、高Al系が更新されました。
- 規則相BCC_B2、L12_FCCが更新されました。
- εマルテンサイト変態の計算が可能になりました。
- S、B、Pを含む系が更新されました。
- Laves相が更新されました。
- Low-Density Steel 向けに更新されました。
- Cu 系、Nb系、V系が更新されました。
- 収録元素(28元素)
- MOBFE4:Fe合金向け動力学データベース
- 収録元素(28元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、
Fe、H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、
P、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - 新たに元素Ceが追加されました。
- 収録元素(28元素)
- TCHEA2:高エントロピー合金向けデータベース
- 収録元素(20元素)
Al、C、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Mn、Mo、N、
Nb、Ni、Re、Ru、Si、Ta、Ti、V、W、Zr、 - 新たに元素C、N、Re、Ru、Si が追加されました。
- 収録元素(20元素)
- TCCU2:Cu合金向け熱力学データベース
- 収録元素(29元素)
Ag、Al、As、Au、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、
Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、
O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素Mn、Oが追加されました。
- 各系の更新が行われました。
- 体積が追加されました。
- 収録元素(29元素)
- MOBCU2:Cu合金動力学データベース
- 収録元素(29元素)
Ag、Al、As、Au、B、Be、Bi、C、Ca、Cd、
Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、
O、P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr - 新たに元素Mn、Oが追加されました。
- 収録元素(29元素)
- TCOX7:酸化物用データベース
- 収録元素(18元素)
Al、C、Ca、Cr、Cu、F、Fe、Gd、La、
Mg、Mn、Nb、Ni、O、S、Si、Y、Zr - 新たに元素F、S、Nb、Cu、La、Gdが追加されました。
- 収録元素(18元素)
■ マイナーアップデート版リリース
- TCSLD3.2:はんだ合金向け熱力学データベース
- 収録元素(21元素)
Ag、Al、Au、Bi、Ca、Cd、Co、
Cu、Ga、Ge、In、Mg、Mn、Ni、
Pb、Pd、Pt、Sb、Si、Sn、Zn - 新たに元素Caが追加されました。
- アセスメント
- いくつかの二元系が追加されました。
- いくつかの三元系が追加されました。
- 収録元素(21元素)
- TCNI8.1:Ni基超合金向け熱力学データベース
- Y系が更新されました。
- SLAG4.1:スラグ用熱力学データベース
- NUCL15:核燃料用熱力学データベース
- MEPH15:核酸化物用熱力学データベース
Thermo-Calc 2016b
Thermo-Calc 2016b 概要
ソフトウェア本体では、計算機能向上の他、Scheil凝固計算や析出モジュールTC-PRISMAなどにあった大きなバグが修正されました。データベースについては、水溶液データベースがアップデートされました。
Thermo-Calc 2016b 新機能
■ Thermo-Calc
- 平衡計算においてGlobal minimization が使用されるようになりました。これにより、Property Model CalculatorやScheil凝固計算などが改善されました。
- Scheilシミュレーションのロバスト性が改善されました。
- Scheil凝固計算のバグが修正されました。
■ TC-PRISMA
日本語モードで使用できないバグが修正されました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ アップデート版リリース
- TCAQ3:水溶液用熱力学データベース
- 収録元素(75元素)
- A_FE+3 のようにイオンの物質名に“A_”のプレフィクスを付けて他のデータベースのイオンと区別できるようになりました。
■ マイナーアップデート版リリース
- TCFE8.1:Fe合金向け熱力学データベース
- 収録元素(27元素)
Ar、Al、B、C、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、
H、Mg、Mn、Mo、N、Nb、Ni、O、
P、S、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr - ホウ化物のモル体積の推定に誤りがあるバグが修正されました。
- Fe-B系とFe-Ti-B系の記述が更新されました。
Thermo-Calc 2016a
Thermo-Calc 2016a 概要
ソフトウェア本体では、以前のバージョンよりも計算速度やデータベースのロード速度が速くなりました。また、析出モジュールTC-PRISMAがThermo-CalcのGUIモードに統合されました。データベースについては、Cu基合金向け(熱力学/動力学)データベースTCCU1/MOBCU1がリリースされました。また、スラグ、汎用固溶体データベースの2つがアップデートされました。
Thermo-Calc 2016a 新機能
■ Thermo-Calc
- 計算速度、データベースローディング速度の改善
TCFE8、TCAL4、TCNI8、TCMG4、TCOX6のデータベースの最適化が行われ、従来よりも数%~40%程度高速に計算できるようになりました。また、TCNI8およびTCHEA1の最適化が行われ、高速にロードできるようになりました。 - TC-PRISMA、DICTRAの統合
TC-PRIMSMAがThermo-CalcのGUIモードに統合されました。また、DICTRA、TC-PRISMAがThermo-CalcのAdd-on Moduleという扱いになりました。- DICTRAはDiffusion Module(DICTRA)
- TC-PRISMAはPrecipitation Module(TC-PRISMA)
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規リリース
- TCCU1:Cu基合金向け熱力学データベース
- 収録元素(27元素)
Ag、Al、Au、As、BN、Be、Bi、C、Ca、
Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Nb、Ni、
P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr
- 収録元素(27元素)
- MOBCU1:Cu基合金向け動力学データベース
- 収録元素(27元素)
Ag、Al、Au、As、BN、Be、Bi、C、Ca、
Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Nb、Ni、
P、Pb、Pt、Se、Si、Sn、Ti、Zn、Zr
- 収録元素(27元素)
■ アップデート版リリース
- SSOL6:汎用固溶体熱力学データベース
- 収録元素(79元素)
- 新たに元素Hが追加されました。
- 729種類の合金系が含まれています。
- 1328の相を収録
- SLAG4:スラグ用熱力学データベース
- 鉄鋼スラグと液相鉄のリンの再評価を元にリンが再び液相に含まれるようになりました。
- ガス相が平衡計算高速化のために簡略化されました。
Thermo-Calc 2015b
Thermo-Calc 2015b 概要
ソフトウェア本体では、グラフィカルモードにおいて新しく“Property Model Calculator(プロパティモデル計算)” 機能が追加されました。Property Model Calculatorは設定した物質の特性を予測、最適化するための機能になります。使用可能なモデルは相変態、駆動力、界面エネルギー、粗大化、平衡の5つです。データベースについては、ハイエントロピー合金向けの熱力学データベースTCHEA1、Mg基合金向けの動力学データベースMOBMG1がリリースされました。
Thermo-Calc 2015b 新機能
■ Thermo-Calc
- プロパティモデル計算機能
“プロパティモデル” 計算機能は物質の特性を予測、最適化するための機能です。
以下の計算モデルが使用可能です。- 相変態
- 駆動力
- 界面エネルギー
- 粗大化
- 平衡
- データベース追加機能とデータベースパッケージ化機能
“System Definer Configuration”(系の定義設定画面)において複数データベースの追加が可能になりました。
また、複数のデータベースをパッケージ化して登録することが可能になりました。
複数追加したデータベースに含まれる元素の情報はSpecies(種)、Phases and Phase Constitution(相と相の構成)などのタブで同時にみることが可能です。 - マテリアル定義機能
物質名と組成を入力し、入力した名前の物質として保存することが可能になりました。 - シャイル凝固計算(Scheil Calculator)
Tableレンダラーにより計算結果を表形式で出力することが可能になりました。
コンソールモードにおいて、Scheil凝固計算の操作性が一新されました。 - オンラインヘルプ機能
オンラインヘルプ機能が追加されました。インストールメディアに含まれる全てのマニュアルを参照することが可能です。
■ DICTRA
DICTRAでScheil凝固計算の偏析プロファイルをインポートできるようになりました。
☆★新データベース・バージョンアップ★☆
■ 新規リリース
- TCHEA1(High Entropy Alloys):ハイエントロピー合金向け熱力学データベース
多主元素合金(multi-principal element alloy)とも呼ばれる複数の主要元素を含む合金向けのデータベースです。- 収録元素(15元素)
Al、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Mn、
Mo、Nb、Ni、Ta、Ti、V、W、Zr
- 収録元素(15元素)
- MOBMG1:Mg基合金向け動力学データベース
- 収録元素(24 元素)
Ag、Al、Ca、Ce、Cu、Fe、Gd、K、La、
Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、Pr、Sc、Si、
Sn、Sr、Th、Y、Zn、Zr - 収録相(2相)
Liquid、HCP_A3
- 収録元素(24 元素)