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目でみる基礎「弾塑性論」と「土木振動学」群馬大学 工学部 建設工学科 若井 明彦 准教授

講座概要

 セミナー後半で紹介される弾塑性有限要素法(FEM)は,21世紀の設計思想の大本命である「性能設計」を実現する上で欠かすことのできない重要な実務ツールですが,このシステムを理解し,例えば耐震設計用のFEMソフトウェアを適切に運用するためには,上述の基礎事項の理解が必要です。 ここでは視覚的に分かりやすい素材を中心に基礎事項の平易な解説を行います。具体の数式展開や理論的詳述については既存の成書に譲ることにして,実務に必要な力学体系全般を把握するための「感覚」を養成することを目的といたします。簡素な体裁を心がけたため,幾分舌足らずの箇所も散見されますが,これらについては諸兄のご指摘をもとに今後の改訂の糧とさせて戴きます。 最後に,本セミナーにあたりお世話になっている亀岡 裕行 氏はじめCRCソリューションズ(現、伊藤忠テクノソリューションズ)のスタッフに記して謝意を表します。

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  第1講 応力 PDF
第2講 ひずみ
第3講 応力-ひずみ関係
第4講 簡単な弾性問題・弾塑性問題
第5講 振動論の基礎
第6講 振動論の応用例
第7講 動的弾塑性有限要素法おわりに
 


目次

 
  第1講 応力 [公開中]
1.1 応力
1.2 力の釣り合い式
1.3 モールの応力円
 
  第2講 ひずみ [公開中]
2.1 ひずみ
2.2 ひずみの適合条件
2.3 平面応力場・平面ひずみ場
 
  第3講 応力-ひずみ関係 [公開中]
3.1 応力-ひずみ関係とは
3.2 線形弾性体の応力-ひずみ関係
3.3 弾塑性体の応力-ひずみ関係
 
  第4講 簡単な弾性問題・弾塑性問題 [公開中]
4.1 棒の引張り
4.2 梁の曲げ
 
  第5講 振動論の基礎 [公開中]
5.1 時間領域と周波数領域
5.2 一質点系の振動
5.3 多質点系の振動
5.4 振動台模型実験の例
 
  第6講 振動論の応用例 [公開中]
6.1 連続体の振動
6.2 減衰特性のモデル化
 
  第7講 動的弾塑性有限要素法 [公開中]
7.1 有限要素法とは
7.2 動的弾塑性有限要素法
 
  おわりに
耐震設計法の変遷の歴史は、その時代時代の技術者を悩ませた大地震の教訓の歴史でもある。より強く、より粘り強く、許容値はいくらか、時代の要請にしたがって耐震設計法はより精緻になり、想定する条件、予測すべき物理情報はより具体的かつ個別的になった。経済性と安全性をぎりぎりまで追求することが求められるようになった。
本セミナーの最後に紹介した動的弾塑性有限要素法は、このような要求に伴って最近急速に普及しつつある数値解析手法である。その骨組みは連続体力学・弾塑性論、各種材料の経験則、数値計算アルゴリズムなどから構成される。現在、個々の理論に対してそれぞれ数多くの良書が市販されている。本セミナーでは、学生などがそれらを読み解く際の理解の助けになるような視覚的教材を提供した。各節の内容同士は必ずしも有機的な連関を持っているわけではないが、読者の必要に応じて、個別の学習事項の理解度を高めるのに役立つのではないかと思う。
最後に、本セミナー開講以降、一貫してお世話になっている亀岡 裕行氏はじめスタッフの皆様に記して謝意を表します。当初計画より大幅に完成が遅れましたことを、あわせてお詫び申し上げます。
 

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