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FAQ

全載荷法と応力累加法の違いについて

全載荷法と応力累加法の違いを教えてください

「全載荷法」はあるステップの側圧の状態をそのまま載荷する方法です。
例えば、ステップ5で掘削深さが7mだとすると、掘削7mの状態の土圧を計算し載荷します。
この時、既に設置されている切梁も考慮するのですが、この切梁は設置された時のその位置の壁体の変位位置から有効に作用するという計算を行います。これを切梁の先行変位と呼んでいます。

この先行変位を考慮する為に、途中のステップだけを計算することは出来ず、最初のステップから計算しないと途中の結果が得られません。ですから逐次計算と呼ばれています。
切梁の先行変位を考慮をしなくてよければ、計算したいステップ(例えば、最終ステップのみ)だけを計算することが出来るわけです。

この先行変位の計算処理の方法として「応力累加法(荷重増分法)」があります。
「応力累加法」は、前のステップから次のステップまでの掘削による土圧の増加分だけでそのステップの計算を行い、結果を加えて行く方法です。
そのステップのみを新しい構造として計算しますので、切梁の先行変位の処理を特別しなくて済む訳です。
但し、掘削により土圧が増加するだけでなく、掘削された部分の地盤反力が働かなくなったのも考慮しなくてはいけないので、この地盤反力を荷重としてさらに載荷します。
この地盤反力は直線変化では無い(変形が直線変化で無い)ので折れ線で近似して載荷します。
従って、この部分を細かく分割した折れ線の荷重とすれば誤差が少なくなります。

通常の計算では、「全載荷法」より「応力累加法」の方が誤差を含んだ計算になりますが、誤差を最小にするようにきちんと処理をされているプログラムでは問題となる範囲ではないと思います。

通常の計算では、計算するステップの状態をそのまま作成して計算する「全載荷法」の方が優れているわけですが、逆巻き工法などで、ステップの途中で剛性が追加された場合、ある変形以上の部分についてのみ、その追加剛性が作用するという処理が「全載荷法」は解法上苦手です。

「応力累加法」はそのステップのみで計算して前の結果に加えるわけですから、構造の異なったものを別々に計算して加えることは得意なわけです。
「応力累加法」は掘削による前のステップからの作用土圧の増加分だけを新しい構造(掘削されたそのステップの構造)で計算するので、ほとんどの土圧はそのステップの構造に影響しない為、逆に弊害も考えられますが、逆巻き工法等で剛性が追加された時、その剛性はいままで作用していた土圧には追加剛性には関係無く、そのステップ以後に掘削により増加した作用土圧のみが関係する計算は「応力累加法」に軍配をあげざるを得ません。

結論的には、通常の計算では、「全載荷法」は問題無く、「応力累加法」はプログラムにより誤差が大きく生じる可能性があるが、きちんと処理されているプログラムでは問題になる程では無い。
壁体の剛性追加を断面二次モーメントの追加を行う時は、「全載荷法」は問題で、「応力累加法」の方が良い。
その他の特殊な計算は、一般的には「全載荷法」の方が優れているが、その解析するものによるので、全てという訳では無い。
特殊なものを計算する時は、「全載荷法」と「応力累加法」では結果が大きく異なる可能性がある。