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お客様の広場KASETSU5X

FAQ

06_非対称構造解析

非対称構造の解析理論について

非対称構造の場合どの様な計算が行われているのでしょうか?

KASETSU-5Xの非対称構造の解析は、両側の山留め壁を同時に一つの構造として解析する手法をとっています。従って、切梁やスラブなど両側に接続している支保工を介して互いに影響しあう解析が可能となります。


今までの対称構造としての解析方法に準じて計算され、両側の切梁反力が同じになります。上載荷重が非対称の場合を例にとって説明すると

 ・左側の上載荷重:10 kN/㎡ 右側の上載荷重:20 kN/㎡
 ・一段切梁設置、2次掘削の時の計算とします。
 ・対称構造で解析した時の、上載荷重10 kN/㎡の場合の切梁反力が50 kN/m、上載荷重20
kN/㎡の場合の切梁反力が70 kN/m、だったとします。

今までの対称構造解析ソフトで、この非対称構造計算を行う為には次の方法をとります。
 ・それぞれの上載荷重で、対称構造として別々に計算します。
 ・反力の差分を反力の小さい方に集中荷重(プレロード)として載荷します。
 ・その戻り分を反対側の切梁の「先行変位」に加えます。
 ・上記の新しい条件により、別々に対称構造として再計算し、両側の新しい反力を計算します。
 ・両側の反力の大小関係により、集中荷重(プレロード)を変更し、その結果により反対側の切梁の先行変位の増加分も変更します。
 ・この新しい条件により、別々に対称構造として再計算し、両側の新しい反力を計算します
 ・両側の反力が等しくなるまで繰り返し収束計算を行います。

この時の、集中荷重(プレロード)の載荷は、上載荷重の大きい方からの作用力です。切梁の先行変位の増加は、左側の変位の戻りによる「切梁全体の左側への移動分」となります。左側に集中荷重(プレロード)の載荷をすれば反力は増加し、右側については「先行変位」を増加させれば反力は減少します。


すなわち、この計算を繰り返せば、理論的には「両側の反力が同じ」になる結果が得られることになります。しかし、この方法は膨大な労力がかかり、現実的とは言えません。

本製品の非対称解析では、両側を一つの構造として解析することにより、上記の収束計算計算と同じ効果を一回の計算で自然と得られることになります。また、両側のそれぞれの「側圧、弾塑性計算 など」全て、今までの対称構造解析での方法に準じていますので、今までの結果と矛盾が生じることはありません。