データ活用・AI ― サロゲートモデル
シミュレーションデータを機械学習で学習し、高速に予測するサロゲートモデルは、
リアルタイムシミュレーション、最適パラメータ探索、逆問題解析、設計の簡易検証など
多くの活用が進んでいます。
サロゲートモデルとは?
サロゲートモデルはCAE代理モデルなどとも呼ばれる手法です。物理シミュレーションの入出力を機械学習で学習して、物理シミュレーションと同様の予測を行うモデルを作成します。一般に、物理シミュレーションよりも高速に予測を取得できるため、設計・解析フェーズの業務効率化や、既存の手法では不可能であった網羅的なパラメータ探索などが可能になります。

特徴比較
サロゲートモデル、物理シミュレーション、それぞれの特徴を理解した上で、使い分けをすることが重要です。CTCはサロゲートモデル、物理シミュレーションの適切な使い分けも含めて、サポートいたします。
サロゲートモデルの特徴
- ○ 計算コストが低い(速い)※モデル作成時は除く
- ○ 設計技術者などCAE熟練者でなくても扱うことができる
- △ 学習範囲外の予測は難しい
物理シミュレーションの特徴
- ○ 物理モデルを解くので現象の説明がしやすい
- ○ 物理現象として正しい範囲であればパラメータを振って予測できる
- △ 計算コストは大きい
CTCのサービス内容
CTCはサロゲートモデルの構築~運用のための支援として、コンサルティングからクラウドサービス、データ生成・収集、サロゲートモデル開発まで、包括的なメニューをご用意しています。

サロゲートモデル作成ワークフロー

サロゲートモデル導入フロー
標準的なサロゲートモデル導入フローをご紹介いたします。実際の導入時には、お客様へのヒアリングを行い、必要なフェーズの選択と開発期間の調整を行います。
【フェーズ1】課題整理~有効性検証のための簡易モデル作成 | |
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| 期間: 3か月 ~6か月 |
【フェーズ2】実務に近いモデルの作成・検証 | |
| 期間: 3か月 ~6か月 |
【フェーズ3】業務適用性の検証 | |
| 期間: 3か月 ~6か月 |
【フェーズ4】業務本格適用 |
サロゲートモデル事例
ハット材3点曲げ
大変形例題として、ハット材の3点曲げを対象とする。モデル形状等は参考文献に順ずる。準静的な挙動を計算した。

参考文献:薄鋼板材料の高速変形特性の実験的評価と定式化に関する研究
最終形状および応力分布のシミュレーション結果を学習し未知の条件について予測

- 座屈の位置や形状についておおむね予想できるようになった
- 応力分布についても分布傾向はほぼ予測できている
- 予測範囲を限定するなどで更なる精度向上が可能
複合材料ソリューション・サロゲートモデル
織構造複合材は繊維の織パターンにより均質化剛性が変化することが知られています。本計算例は1000件の織パターンのモデルと解析結果を用意し、そのデータをもとにサロゲートモデルの構築を実施しました。
https://www.engineering-eye.com/composite_material/ai_surrogate_model/