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サンプル&事例紹介WITNESS:生産・物流・プロセスシミュレーションソフトウェア

生産ラインにおける多能工作業員の人員配置最適化

モデル概要

複数工程からなる生産ラインにおいて、多能工の作業員の人員配置最適化を行います。本モデルは、出荷数が最大になる人員配置や、作業員のアイドル率が均等になるような人員配置を、最適化オプションであるExperimenterを用いて求めたモデル例となります。
作業員一人ひとりに対して、担当できる工程や、各工程のサイクルタイムを設定することができます。

生産ラインモデルのWITNESS画面

生産ラインモデルのWITNESS画面

上図の画面は、生産ラインや、各作業員のアイドル率(V_アイドル率)、全レイバーのアイドル率のバラつき(F_アイドル率平準指数)、各生産ラインの出荷数(V_出荷数)を表しています。

  • 10工程、3ラインの生産工場であり、P_1、P_2、P_3はそれぞれライン1、ライン2、ライン3上のみを流れます。
  • 作業員は全部で15人の設定で、担当できる工程ではラインをまたいで作業できます。また、各作業員は、担当する工程において処理する順番に優先順位はなく、パーツが到着した工程の順に作業に入ります。
作業者毎の担当工程Noとサイクルタイムを設定する入力データ

作業者毎の担当工程Noとサイクルタイムを設定する入力データ

上図の入力データでは、各作業員に対して、処理可能な工程Noと、サイクルタイムを設定しています。担当できない工程Noには「0」を記入し、担当できる工程Noにはサイクルタイムを記入しています。

結果の確認

Experimenterを実行した結果の確認を行います。

最適化実行結果のパラメータ一覧

最適化実行結果のパラメータ一覧

上記の結果は、目的関数である “F_出荷数” を降順にソートした内の、上位9位までのシナリオを表示しています。V_作業工程のL_1~L_15は、作業員No.1~No.15がそれぞれ担当する工程Noを表しています。“F_出荷数” が最大(81)となるパラメータの組み合わせはシナリオNo.230とNo.372の2通り存在することが分かります。例として、シナリオNo.230の場合、モデルの実行時間が1000.0の場合における出荷数が最大となる最適な人員配置の組み合わせは、作業員No.1が工程No.1、作業員No.2が工程No.2、 ・・・ 、作業員No.14が工程No.6、作業員No.15が工程No.8を担当する組み合わせであることが分かります。

また、上図の最右列にある “F_アイドル平準指数” は、これらのパラメータを使用した際の関数の値を示しています。この関数は、「値が小さければ各作業員のアイドル率の差が少ない」ということを示していますので、作業の平準化も考慮に入れるのであれば、シナリオNo.230の組み合わせが最適であると考えられます。

まとめ

Experimenterを用いることで、出荷数が最大で、作業者の業務平準化される組み合わせを取得することができました。本モデルでは、

  • 当日欠勤や遅刻者が出てしまった
  • 作業者のスキルがアップし、処理にかかる時間が短くなった

などの、日常的な変化に対しても、入力データを変更するだけで迅速に対応できます。
また、

  • 工程の増減があった

などの長期的な変化や定期的な状況把握や検討を行う場合も、モデルと入力データに多少の変更を加えるだけで対応できます。

以上のように、検証のパターンが多い人員配置の問題に対しては、最適化オプション「Experimenter」を使用することで解決できます。それに加え、日常起こり得る変化に対しても柔軟に対応することが可能となります。