バージョン情報
UDECニューバージョン V5.0リリース
1. 概要
UDEC5.0では、内部計算のエンジンの高い信頼性を保ったまま、ユーザーインターフェイスを刷新して高速化を図ることにより、操作性が大幅に向上しています。また、その他多くの機能が追加、改良されています。

2. GUIの機能向上
UDEC5.0では、操作性向上を目的としてGUI機能が再設計されました。コマンドラインの表示機能はGUIでも使用可能です。また、コンフィグレーション機能が追加されたことにより、直近に使用した機能が表示されるだけでなく、それまでに使用した一連の機能を選択することも可能になりました。これらの改良により、操作性が大幅に向上しています。

GUIにはサンプルモデルが含まれており、それを修正して基本的な形状を作成することが可能です。その後、基本形状をコマンドで修正して任意のモデルを作成することができます。UDEC本体を起動する前に形状の作成が可能なので、モデルをより視覚的に作成、及び修正することが出来るようになります。
GUI上で指定したrangesが、UDECの全てのコマンドのrangesへ拡張されました。これにより、モデル作成の自由度が格段に向上しました。
また、新たに「FISHエディター」がGUIに追加されました。これによりプロジェクトファイル上で、FISH関数の組み込みが簡単に出来るようになりました。
さらに、HTML形式のヘルプファイル(chm)を整備したことにより、GUI上で、UDECのマニュアル(コマンドリファレンス、FISH関数ユーザーガイド)を参照することができます。
3. 計算速度の向上
前バージョンに比べて計算速度が30%以上向上しました。(向上率は、H/W、モデル、OS、その他の条件によって変わります。)

計算した時の計算時間の比較
4. 精度の向上
UDEC5.0ではNMD法(Nodal Mixed Discretization)を使用することにより、従来よりも塑性解析結果の精度が向上します。この精度向上は、塑性解析において、一定ひずみ要素より過剰剛性挙動を抑え、要素ひずみを共通グリッドポイントに基づいて平均化することで得られるものです。
5. 構造要素の追加、改良
構造要素が追加、及び改良されました。
構造要素linerのコマンドが追加、改良されたことにより、トンネルの解析において、より簡単にライナーを追加できます。また、要素の節点もより正確に作成することができます。ユーザーがテーブルから節点位置を設定することも可能です。

ライナーの軸力は青で表示されています。
ロックボルト要素の機能を改良し、以下の機能を追加しました。
- 曲げせん断抵抗
- 引き抜き強度はボルト設置状態の既存応力の依存性
- ばね要素により、ゾーン節点との水平・せん断方向、両方の連成が考慮可能
- 連成ばね要素におけるせん断変位の軟化特性は、ユーザー定義のテーブルから定義可能
- ロックボルト要素では、引張りと圧縮降伏の両方が考慮可能
- ユーザー定義の引張りひずみ限界値によるロックボルトの破壊判定が可能

6. New Fluid Flow Model
破壊体内部の流体ロジックにガス流体のモデルが追加されました。ガス流体におけるガスの体積弾性率は、圧力と同じとして仮定されます。

7. ボロノイ接点の自動生成機能の改良
ボロノイ接点の自動生成機能を改良しました。
新しいアルゴリズムでは、ボロノイブロックの生成時間が約100倍早くなります。従来、JREGION RANGEしか使用出来なかったボロノイブロック生成のrange設定が修正され、ブロックを選択するようにあらゆるrangeのコマンドが使用できるようになりました。


8. プロットに関する新機能、拡張機能
- 全てのベクトル量の色分け
- ジョイントの水平・せん断方向応力
- ジョイント量の色分け
- ライナーの押し出しモーメント
- ライナーの押し出しせん断力
- 変位量コンター
- 速度コンター
- 流体条件を含む境界条件の表示機能改良

9. ドキュメントの刷新
UDEC5.0ではドキュメントが刷新されました。HTMLのヘルプが追加され、全てのコマンドの説明は、オンラインGUI上のコマンドリファレンスとFISHユーザーガイドで参照することができます。
10. ZoneとJointDLLモデルの自動読込機能
構成則(Zone、Joint)のDLLモデルを自動的に読み込む機能が追加されました。これにより、セーブファイルを開く前にDLLモデルを再読み込みすることが不要になります。
11. 溶接構造ジョイント
UDEC5.0では溶接構造ジョイント作成のための「JOIN」コマンドが用意され、「crack」が構造ジョイントとして作成可能となりました。溶接構造ジョイント要素は掘削境界や要素密度のコントロールに使用できます。この改良により、モデリング化がより簡単になります。
12. その他追加機能
FISH関数
- 固定境界の反力パラメータがFISH関数に追加され、速度固定境界で生成される境界力の検証が可能になりました。
- EXX, EXY, and EYY のFISH関数が追加されました。
SOLVER改良
- 「SOLVE ELASTIC」コマンドが改善されました。まず大きな強度を与えて平衡状態になるまで計算し、その後、実際の強度に変更して、再度平衡状態まで計算を行います。
- 「SOLVE FOS」コマンド が「MHOEK (Modified Hoek Brown model) モデル」とすべての特性のスケーリングができるモデルに改良されました。
- 「SOLVE RELAX」コマンド(FISH ZONK関数と同等)が追加されました。この関数は掘削問題において境界力を徐々に減らしていくケースで使用します。また、底面反力カーブを自動的に作る場合にも使用可能です。
その他
- 全固定しか設定できなかった剛体ブロックの重心速度の設定が、任意方向に設定可能になりました。
- 「PFIX」コマンドにより、テーブルから基準水面を定義する機能が追加されました。
- SSI (maximum shear strain) 、SSR (maximum shear strain rate) のコンター表示機能が追加されました。
- ヒストリー位置の指定機能を改良しました。グリッドのヒストリーはゾーンが優先となります。同じ位置のグリッドを区別して選択することも可能です。
- 再接触した接触点において、JMODELS、JOINTがデフォルトモデルとして使用可能となりました。
- コマンドラインインターフェースが使用可能となりました。ファイル名を指定しなくても、ファイルオープンダイアログからCALL、RESTORE、SAVEコマンドを選択できます。