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特徴Thermo-Calc:統合型熱力学計算システム

リリース情報

2020b(2020年7月)

Thermo-Calc 2020b 概要

2020bでは、新規データベースを使用することで、電気伝導度、熱伝導度などが出力可能となったほか、析出モジュ―ル(TC-PRISMA)に固溶・析出強化による降伏強度を計算するモデルが追加されました。また、Process Metallurgy Module には EERZ モデルが追加され、精錬プロセスのシミュレーションが可能となり、アルミ合金・ニッケル合金・酸化物に関するデータベース(TCAL7、TCNI10、TCOX10)が更新されます。

Thermo-Calc 2020b 新機能

■ Thermo-Calc
  • 新たなプロパティの出力
    液相の 粘性・界面エネルギー、また各相の 熱伝導・電気伝導などの新しいプロパティが出力可能になりました。(新しいプロパティの出力にはデータベースが対応している必要があります)
  • PARROT モジュールが GES6 に対応
    今までPARROTモジュールではGES5のみが使用できましたが、GES6が使用できるようになりました。
■ Process Metallurgy Module

冶金・製鋼プロセスをシミュレーションする EERZモデル(Effective Equilibrium Reaction Zone:有効平衡反応域モデル)が追加されました。このモデルでは反応域(溶鋼/スラグ界面)と溶鋼・スラグの間の熱伝導・物質拡散を考慮することによって、炉内の反応を速度論的に考慮することが可能です。また、時間に応じた加熱やガス・スクラップの投入などのプロセ ススケジュールも設定可能であり、精錬プロセス全体をシミュレーションする ことが可能となります。(Process Metallurgy Module のご利用には TCOX8 以降のデータベースが必要となります。また、EERZ モデルの利用には TCOX10 のご利用を推奨いたします。)

■ TC-PRISMA

Yield Strength モデルと組み合わせることで、降伏強度の析出強化の影響を計算ができるようになりました。通常のTC-PRISMAと同様の操作で強度を求めることができるため、温度プロファイルによる析出や母相の組成変化を考慮した熱処理プロセスの検討にご活用いただけます。

※Yield strength モデルは2020aにProperty Model に追加された固溶強化、粒界境界、析出強化を考慮した降伏強度を計算するモデルです。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ アップデート版リリース
  • TCAL7PDFTCAL7_technical_info.pdf)
    熱伝導・電気伝導のプロパティが追加されました。
    液相の粘度・界面エネルギーが追加されました。
    新しい元素として Nb, P, Y が追加されました。
    6 の三元系の相互作用アセスメントが追加された他、いくつかの相が追加/更新されました。
  • TCNI10PDFTCNI10_technical_info.pdf)
    液相の粘度・界面エネルギーのデータが追加されました。
    3の二元系、14の三元系相互作用アセスメントが改良されました。
    また、TCNI ではパラメータの更新の際に様々な実用超合金やモデル合金に対して自動で計算結果の検証がなされており、精度が改善されていることを確認しております。
    相の結晶構造の情報が追加されました。コンソールモードのlist-systemコマンドのconstitution オプションで確認いただけます。
  • TCOX10PDFTCOX10_technical_info.pdf)
    IONIC_LIQ相(液体金属/液体スラグ)に粘度のデータが追加されました。
    新しい元素として N, Na, H が追加されました。
    FCC相の置換型元素の副格子における空孔濃度のアセスメントを改良し、液相温度で空孔分率が1e-5 となるようにしました。
    金属/酸化物の液相/固相の体積データが追加されました。
    いくつかの3元系以上の酸化物において、アセスメントの追加、改良、微修正が行われました。
■ マイナーアップデート版リリース
  • TCFE10.1
    Fe-Mn-N, Fe-W-N系でのFeコーナーで高窒素化合物が出てくるバグを修正しました。
  • TCHEA4.1
    全ての相の結晶構造の情報を収録しました。
    HCP_ZN相をHCP_A3に統合しました。またCu-Zn, Mn-Zn, Cu-Mn-Znに見られるHCP構造のε相をCUMNZN_EPSILON_HCP相としてHCP_A3相から独立させました。
  • TCTI2.2
    液相のYに関するパラメータを修正しました。
  • TCSLD3.3
    Ga-Bi, Ga-Sb, Ga-In のアセスメントを追加しました。
  • TCAQ3.1
    表記のバグを修正しました。
  • GCE2.4
    SUPERFLUID相を除外し、いくつかバグ修正を行いました。

提供終了のお知らせ

Thermo-Calc 2020b以降、以下のソフトウェア/モジュール/データベースが提供中止となります。ユーザーの方々にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解・ご了承をいただけますと幸甚です。

■ 提供中止となるソフトウェア/モジュール/データベース

TC-API, SLAG4, TCSC1, TCFC1, TCMP2, TCES1, NUOX4

■ TC-APIの今後のスケジュール

2020年  7月 TC-API新規提供中止
2023年12月 TC-API保守の終了
2024年  6月 TC-APIをThermo-Calcインストールパッケージから除外

2020a(2020年1月)

Thermo-Calc 2020a 概要

2020aでは、Fe基合金向けのデータベースの最新版であるTCFE10およびMOBFE5がリリースされました。また、Thermo-Calcの新機能として、液相の粘度の計算ができるようになり、Property Model Calculatorでは、降伏強度の計算モデルが追加されるなど多くの機能の追加、データベースのアップデートが行われました。

Thermo-Calc 2020a 新機能

■ Thermo-Calc
  • Scheilモデル計算
    モビリティデータベースを用いることで、冷却速度とBack Diffusionを考慮する計算が可能になりました。
  • 液相の粘度の計算
    計算の出力として粘度が追加されました。TCFE10、TCHEA4など粘度の情報が記述されているデータベースを用いることで、液相の動粘度・絶対粘度を計算することが可能になりました。
  • Property Model Calculator
    降伏強度を計算するモデルが追加されました。合金中の個々の元素単体の強度、粒界強度、固溶強化、析出強化を考慮し、合金の降伏強度を計算することが出来ます。
  • Process Metallurgy Module
    計算条件として断熱条件を与えた計算が可能になりました。これによって実際の炉内をシミュレートすることが出来ます。例えば、溶鋼に低温のスクラップや合金鉄を加えたり、酸素ガスによる燃焼反応によって炉内の温度が変化する様子などの計算が可能になります。

※鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュールは、TCOX9またはTCOX8のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。また、上記のデータベースをお持ちでない方でも、デモデータベースOXDEMOを使用してThermo-Calcに付属の例題を実行することが可能です。

■ TC-Python
  • Batch Equilibrium Calculation
    条件を振った場合の平衡計算がより高速になる機能が追加されました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ アップデート版リリース
  • TCFE10:Fe基合金向け熱力学データベースPDFTCFE10_extended_info.pdf)
    • 新たにRuが追加されました。
    • 53の二元系、13の三元系、2の四元系の相互作用アセスメントが追加されました。また、15の二元系、15の三元系、多くの四元系の相互作用アセスメントがアップデートされました。
    • Nに関するアセスメントが改良されました。今回の改良は主に二相ステンレス鋼を対象にしております。特に液相線/固相線、高温でのα-γの二相平衡の予測精度が向上しています。
    • 液相に粘度のデータが追加されました。
    • 計算結果でFCC/BCC相のorder/disorderの区別がつきやすくなりました。常にFCC_A1/BCC_A2はdisorder相、FCC_L12/BCC_B2はorder相となります。

    ○収録元素(29元素)
    Ar, Al, B, C, Ca, Ce, Co, Cr, Cu, Fe
    H, Mg, Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, P, Ru
    S, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zn, Zr

  • MOBFE5:Fe基合金向けモビリティデータベースPDFMOBFE5.pdf)
    TCFEのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。

    ○収録元素(27元素)
    Al, B, C, Ca, Ce, Co, Cr, Cu, Fe, Mg
    Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, P, Ru, S, Si
    Ta, Ti, W, V, Y, Zn, Zr

  • TCHEA4:高エントロピー合金向け熱力学データベース
    PDFTCHEA4_extended_info.pdf)
    • 13の二元系(Ir、Rhが中心)、49の三元系の相互作用アセスメントが追加されました。またAl-Ti系と12の三元系の相互作用アセスメントがアップデートされました。
    • 液相の粘度データが追加されました。
    • いくつかの相の名前に結晶構造の情報が追加されました。

    ○収録元素(26元素)
    Al, B, C, Co, Cr, Cu, Fe, Hf, Ir, Mn
    Mo, N, Nb, Ni, Re, Rh, Ru, Si, Sn, Ta
    Ti, V, W, Y, Zn, Zr

  • MOBHEA2:高エントロピー合金向けモビリティデータベースPDFMOBHEA2.pdf)
    TCHEAのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。

    ○収録元素(26元素)
    Al, B, C, Co, Cr, Cu, Fe, Hf, Ir, Mn
    Mo, N, Nb, Ni, Re, Rh, Ru, Si, Sn, Ta
    Ti, V, W, Y, Zn, Zr

  • SSOL7:汎用固溶体向け熱力学データベースPDFSSOL7_extended_info.pdf)
    • 108の二元系、14の三元系が追加されました。
    • Al-Vの二元系の相互作用アセスメントがアップデートされました。
    • 現在、元素を79種類、相互作用アセスメントを全843(683の二元系、140の三元系、20の高次元系)、相を1378種類収録しています。

    ○収録元素(79元素)
    Ag, Al, Am, As, Au, B, Ba, Be, Bi, C
    Ca, Cd, Ce, Co, Cr, Cs, Cu, Dy, Er, Eu
    Fe, Ga, Gd, Ge, H, Hf, Hg, Ho, In, Ir
    K, La, Li, Lu, Mg, Mn, Mo, N, Na, Nb
    Nd, Ni, Np, O, Os, P, Pa, Pb, Pd, Pr
    Pt, Pu, Rb, Re, Rh, Ru, S, Sb, Sc, Se
    Si, Sm, Sn, Sr, Ta, Tb, Tc, Te, Th, Ti
    Tl, Tm, U, V, W, Y, Yb, Zn, Zr

■ マイナーアップデート版リリース

2019b Update(2019年9月)

概要

Thermo-Calc 2019b Update は下記の更新・バグ修正をおこなった2019bのマイナーアップデートバージョンです。

TCOX8, TCOX9

  • 電荷を考慮した計算が収束しない問題を改善するため、以下の相を使用する際に特定の元素の組み合わせの際にある構成要素をrejectするようにしました。
    CA2SIO4_ALPHA
    CA2SIO4_ALPHA_PRIME
    ZRO2_MONO
    ZRO2_TETR
    NB2O5

冶金プロセスモジュール

  • CaC2、CaCO3、MgCO3が選択できるようになりました。

TC-Python

  • キャッシュを利用した計算の高速化の際に、違う計算結果を参照してしまう問題を修正しました。
  • ユーザーデータベースで4副格子モデルを使用できないバグを修正しました。
  • Linux 版で、初期粒径分布を与えたとき計算ができなくなるバグを修正しました。

その他

  • Thermo-Calcのインストールフォルダのパスにスペースが含まれている場合に、GES6がNoSuchFile例外を出すバグを修正しました。
  • ノードロック版ライセンスファイルのデフォルト保存場所が
    C:¥Program Files¥Thermo-Calc¥lservrc に変更となりました。

2019b(2019年7月)

Thermo-Calc 2019b 概要

2019bでは、計算エンジンのバージョンアップによる計算の高速化や、高炉・転炉等の計算を 簡便に行う冶金プロセスモジュールの新規追加等が行われました。
また、酸化物・スラグ向けデータベースであるTCOX9を始めとしたいくつかのデータベースのバージョンアップが行われました。

アップデートの詳細につきましては、下記リリースノートをご参照ください。

Thermo-Calc 2019b 新機能

■ Thermo-Calc
  • 鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュール
    グラフィカルモードに、冶金プロセスモジュール(Process Metallurgy)が追加されました。本モジュールは、BOFやアーク炉、LFなどの転炉工程を含む製鋼・精錬プロセスにおける各種計算に適用できます。温度・酸素分圧・スラグ(量や成分)による、鋼中の硫黄やリン含有量への影響や、脱酸前の溶鋼中の溶存酸素量、脱酸後の溶鋼中の酸化物系介在物など、以下の計算が可能です。
    • 鉄鋼成分やスラグ成分を個別に定義
    • 鋼とスラグの平衡計算
    • 脱硫, 脱リン、脱炭の計算
    • 分配係数の計算
    • スラグ塩基度やスラグ中の硫黄含有量の計算
    • スラグ中の固/液割合の計算

    計算のためのワークフローが用意されており、3つの材料系(鋼鉄、スラグ、ガス)成分や条件を設定することで簡単に計算を実行できます。

    ※鉄鋼・スラグ向け冶金プロセスモジュールは、TCOX9またはTCOX8のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。
    また、上記のデータベースをお持ちでない方でも、デモデータベースOXDEMOを使用してThermo-Calcに付属の例題を実行することが可能です。

  • 鉄鋼向けプロパティモデル

    TTT線図作成テンプレートが追加されました。
    マルテンサイト変態や、パーライトを考慮したTTT線図を簡単に計算・作図するワークフローが追加されました。また、プロットレンダラーにTTT線図を作図するための新しいオプションが追加されました。

    ※鉄鋼向けプロパティモデルは TCFE9 と MOBFE4 のライセンスをお持ちの方へ無償配布しております。

  • 新しい計算エンジン(GES6)

    Thermo-Calcの平衡計算に使われる計算エンジンであるGibbs Energy System(GES)のバージョンが5から6にアップデートされました。
    多くの平衡計算を必要とする状態図の計算などで最大3倍程度の高速化が実現します。

    ※GESのバージョン6はまだバージョン5の一部の機能が未実装となります。
    通常の平衡計算における使用にはほとんど問題ありませんが、一部の機能(PARROTモジュール)などではGESのバージョンを5に戻していただく必要がございます。
    GESのバージョン変更はThermo-Calcのオプション画面で行えます。
    オプション画面はThermo-Calcを立ち上げた上でツールバーの Tools → Options を選択することで立ち上げることが出来ます。

■ 析出モジュール(TC-PRISMA)

パラ平衡やNPLEモードでの成長モデルが追加されました。
Thermo-Calcに付属の析出モジュールの例題13にパラ平衡モデルでの計算例がございます。
こちらの例題は追加ライセンスをお持ちでなくとも実行可能となっておりますのでぜひお試しください。

■ 拡散モジュール(DICTRA)

局所平衡計算の初期値設定など、いくつかの計算オプションで“Automatic”の設定が実装されました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ アップデート版リリース
  • TCOX9:酸化物・スラグ向け熱力学データベース

    新たにTiが追加され、Tiの酸化物や硫化物の計算ができるようになりました。

    • 収録元素(25元素)
      Al, Ar, C, Ca, Co, Cr, Cu, F, Fe, Gd
      La, Mg, Mn, Mo, Nb, Ni, O, P, S, Si
      Ti, V, W, Y, Zr
  • TCCU3:Cu基合金向け熱力学データベース

    新たに Ge が追加されました。

    • 収録元素(30元素)
      Ag, Al, Au, As, B, Be, Bi, C, Ca, Cd
      Co, Cr, Cu, Fe, Ge, Mg, Mn, Mo, Nb, Ni
      O, P, Pb, Pt, Se, Si, Sn, Ti, Zn, Zr
    MOBCU3:Cu基合金向けモビリティデータベース
    TCCUのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。
■ マイナーアップデート版リリース
  • TCFE9.1:Fe基合金向け熱力学データベース
    Fe-C-S 3元系をはじめとしたアセスメントの修正や、MNS相などいくつかの相の体積データを改良するなどのマイナーアップデートがなされました。
  • TCTI2.1:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
    64チタン合金を対象とした液相温度の精度向上のためアセスメントの改良がなされるなどのマイナーアップデートがなされました。

2019a(2019年12月)

Thermo-Calc 2019a 概要

2019aでは、マルテンサイト、パーライトの計算を行える鉄鋼向けプロパティモデルの新規追加、TC-Pythonに拡散計算の追加がなされました。またNi基超合金向けのデータベースであるTCNI9等々のデータベースのバージョンアップが行われました。

Thermo-Calc 2019a 新機能

■ Thermo-Calc
  • 鉄鋼向けプロパティモデル
    グラフィカルモードのProperty Model Calculatorに鉄鋼モデルが追加されました。このモデルによってマルテンサイトやパーライトの計算が可能となります。鉄鋼向けプロパティモデルを利用するには TCFE9 と MOBFE4 のライセンスが必要となります。
■ TC-Python

拡散モジュール(DICTRA)の各種計算機能とThermo-Calcグラフィカルモードのプロパティモデルの計算が可能になりました。これにより、TC-PythonでThermo-Calcのグラフィカルモードと同等以上の計算が可能となりました。上記の鉄鋼向けプロパティモデルもTC-Pythonで利用可能です。

TC-PythonはPython言語向けのSDKです。ご自身のPythonスクリプト内でThermo-Calcの計算を呼び出すことができます。PythonにはNumPyやSciPyをはじめとする科学数値計算や機械学習向けのライブラリを利用することができます。TC-Python とこれらを組み合わせた計算が可能となります。

■ 析出モジュール(TC-PRISMA)
  • 計算の一時停止、再開機能が追加されました。
  • General growth rate モデルが追加されました。
  • 出力できる結果として、析出相の組成と、数密度分布が追加されました。
■ 拡散モジュール(DICTRA)

Homogenized モデルのアドバンスドオプションとして下記の機能が追加されました。

  • 1regionの計算において、データベースに収録されたモル体積を使用可能になりました。
  • 主元素に対する境界条件を追加できるようになりました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ アップデート版リリース
  • TCNI9:Ni超合金向け熱力学データベース
    新たに3元素(Ca, Mg, S)が追加されました。特にSが追加されたことによりNi超合金系での硫化の計算が可能となります。58の二元系、67の三元系のアセスメント、150の相が追加されました。合計で350の二元系、308の三元系、680の相が収録されております。
    • 収録元素(30元素)
      Al, Ar, B, C, Ca, Co, Cr, Cu, Fe, H
      Hf, Mg, Mn, Mo, N, Nb, Ni,O, Pd
      Pt, Re, Ru, S, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
  • MOBNI5:Ni超合金向けモビリティデータベース
    TCNIのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。
    • 収録元素(28元素)
      Al, B, C, Ca, Co, Cr, Cu, Fe, Hf,
      Mg, Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, Pd,
      Pt, Re, Ru, S, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
  • TCTI2:Ti/TiAl基合金向け熱力学データベース
    新たに4元素(Ag, H, Pd, Pt)が追加されました。Hが追加され、TiやAl中のHの固溶度の計算が可能になりました。体積データが追加されました。269の二元系、95の三元系がアセスメントされています。
    • 収録元素(27元素)
      Ag, Al, B, C, Co, Cr, Fe, H, Hf,
      Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, Pd, Pt,
      Re, Ru, Si, Sn, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
  • MOBTI3:Ti/TiAl基合金向けモビリティデータベース
    TCTIのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。
    • 収録元素(27元素)
      Ag, Al, B, C, Co, Cr, Fe, H, Hf,
      Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, Pd, Pt,
      Re, Ru, Si, Sn, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
  • TCAL6:Al基合金向け熱力学データベース
    新たにMo元素が追加されました。
    S'相、S''相、T'相、η'相 が再モデル化や新規にモデル化され、Al-Cu-Mg-Zn系における析出に関わる準安定相が再モデル化されました。
    • 収録元素(36元素)
      Al, Ag, B, Be, Bi, C, Ca, Cd, Ce
      Co, Cr, Cu, Er, Fe, Ga, Ge, H, Hf
      In, K, La, Li, Mg, Mn, Mo, Na, Ni
      Pb, Sc, Si, Sn, Sr, Ti, V, Zn, Zr
  • MOBAL5:Al基合金向けモビリティデータベース
    TCAlのバージョンアップに伴いモビリティデータベースもバージョンアップされました。
    • 収録元素(36元素)
      Al, Ag, B, Be, Bi, C, Ca, Cd, Ce
      Co, Cr, Cu, Er, Fe, Ga, Ge, H, Hf
      In, K, La, Li, Mg, Mn, Mo, Na, Ni
      Pb, Sc, Si, Sn, Sr, Ti, V, Zn, Zr
■ マイナーアップデート版リリース
  • TCMG5.1:Mg基合金向け熱力学データベース
  • TCHEA3.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース

2018b(2018年6月)

Thermo-Calc 2018b 概要

2018bでは、TC-Pythonの機能追加を中心にバグフィックス、データベースのバージョンアップが行われました。

Thermo-Calc 2018b 新機能

■ TC-Python

平衡計算機能に下記の機能と例題が追加されました。

  • Scheil モデルによる凝固計算
  • 状態図の計算
  • プロパティ図の計算

Thermo-Calcの計算とNumPyやSciPyといったPythonパッケージ他のプログラムを組み合わせた計算が可能となります。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ アップデート版リリース
  • TCOX8:金属酸化物向け熱力学データベース
    新たに6元素(Co, Mo, P, V, W, Ar)が追加されました。
    241の2元系, 218の3元系, 104の4元系がアセスメントされています。
    • 収録元素(24元素)
      Al, Ar, C, Ca, Co, Cr, Cu, F,
      Fe, Gd, La, Mg, Mn, Mo, Nb,
      Ni, O, P, S, Si, V, W, Y, Zr
  • TCMG5:Mg基合金向け熱力学データベース
    新たに7元素(Dy、Er, Ga, Ho, In, Sb, Sm)が追加されました。
    195の2元系, 91の3元系, のアセスメントがなされています。
    • 収録元素(31元素)
      Ag, Al, Ca, Ce, Cu, Dy, Er, Fe, Ga, Gd,
      Ho, In, K, La, Li, Mg, Mn, Na, Nd, Ni, Pr,
      Sb, Sc, Si, Sm, Sn, Sr, Th, Y, Zn, Zr,
■ マイナーアップデート版リリース
  • TCAL5.1:Al基合金向け熱力学データベース
    Al-Cu-Fe-Mn系やSi-Ti, Al-Si-Ti系の更新、体積の記述改善がなされました。

2018a(2018年4月)

Thermo-Calc 2018a 概要

2018aでは、以下の内容でアップデートが行われました。

Thermo-Calc 2018a 新機能

■ TC-Python

Thermo-Calcで行う平衡計算や析出モジュールの計算をPythonスクリプト内で行うためのSDKとしてTC-Pythonが追加されました。

■ 拡散モジュール(DICTRA)
【グラフィカルモード】
  • 計算の一時停止、再開が可能になりました。
【コンソールモード】
  • Grid の自動設定機能が追加されました。
■ 析出モジュール(TC-PRISMA)
  • 析出相の初期粒径分布を設定できるようになりました。
  • 界面エネルギーを定数だけでなく、温度や粒径の関数として入力できるようになりました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ 新規リリース
  • MOBHEA1:高エントロピー合金向けモビリティデータベース
    • 収録元素(23 元素)
      Al, B, C, Co, Cr, Cu, Fe, Hf
      Mn, Mo, N, Nb, Ni, O, Re
      Ru, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
    • 収録相(5相)
      FCC_A1, FCC_L12, BCC_A2
      BCC_B2, LIQUID
■ アップデート版リリース
  • TCHEA3:高エントロピー合金向け熱力学データベース
    新たに6元素(B,Ir,Rh,Sn,Zn,Y)が追加されました。
    100以上の2元系のアセスメントが追加され、150以上の相が追加されました。
    • 収録元素(26元素)
      Al, B, C, Co, Cr, Cu, Fe, Hf, Ir
      Mn, Mo, N, Nb, Ni, Re, Rh, Ru
      Si, Sn, Ta, Ti, V, W, Y, Zn, Zr
  • MOBAL4:Al合金向けモビリティデータベース
    • Er 元素が追加されました。
    • 2~4元系のアセスメント結果が追加されました。
    • 収録元素(35元素)
      Ag, Al, B, Be, Bi, C, Ca, Cd, Ce
      Co, Cr, Cu, Er, Fe, Ga, Ge, H
      Hf, In, K, La, Li, Mg, Mn, Na, Ni
      Pb, Sc, Si, Sn, Sr, Ti, V, Zn, Zr
    • 収録相(3相)
      FCC_A1, FCC_L12, LIQUID

2017b(2017年11月)

Thermo-Calc 2017b 概要

2017bでは、Al合金向けデータベースがTCAL5にアップデートされるほか、Ti合金向けデータベースTCTI1や貴金属向けデータベースTCNOB1がリリースされました。
グラフィカルモードでの拡散モジュール(DICTRA)の機能が拡充や3次元での描画機能などが新たに追加されました。

Thermo-Calc 2017b 新機能

■ Thermo-Calc
【グラフィカルモード】
  • 平衡計算またはプロパティモデル計算のプロパティグリッドでの計算結果を3Dで描画可能になりました。
  • アドオンモジュール(Diffusion Module, Precipitation Module)のデモモードで3元素での計算が可能になりました。
  • プロパティモデルのPhase transition, Liquidus and solidus temperatureの計算速度が向上しました。
【コンソールモード】
  • コンソールと計算結果ウィンドウ間移動のための新しいキーボードショートカットが追加されました。
  • 高解像度スクリーンに対応しました。
  • DATAPLOTシンボル、EXPファイル、Scheilモジュールでの計算、Project fileを含むいくつかの問題のバグを修正しました。
  • COMPUTE_TRANSITIONコマンドの計算速度が向上しました。
■ 析出モジュール(TC-PRISMA)
【グラフィカルモード】
  • 非球形粒(立方状、平面状、針状)の析出計算が可能になりました。
  • CCT線図計算機能が追加されました。
■ 拡散モジュール(DICTRA)
【グラフィカルモード】
  • 境界条件の設定が可能になりました。
  • 表出力に対応しました。
  • 初期濃度分布の可視化機能が追加されました。
  • アドバンスプロットモードが追加されました。
【コンソールモード】
  • 複合相の化学拡散計算で使用することができる補間のためのコマンドが追加されました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ 新規リリース
  • TCTI1:TiおよびTiAl基合金向け熱力学データベース
    23元素が含まれ、236の2元系、71の3元系のアセスメントが行われています。
    • 収録元素(23元素)
      Al, B, C, Co, Cr, Fe, Hf, Mn,
      Mo, N, Nb, Ni, O, Re, Ru,
      Si Sn, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
  • TCNOBL1:貴金属合金向け熱力学データベース
    宝飾具、歯科治療用金属、装飾品、科学実験器具の精密部品などで使われる貴金属向けデータベースです。
    21元素が含まれ、204の2元系、61の3元系のアセスメントが行われています。
    多くの商用貴金属について検証されています。
    • 収録元素(21元素)
      Ag, Al, Au, Co, Cr, Cu, Fe,
      Ga, Ge, In, Ir, Mn, Ni, Pd,
      Pt, Re, Rh, Ru, Sn, Ti, Zn
■ アップデート版リリース
  • TCAL5:Al合金向け熱力学データベース
    8xxxおよび8xx.xシリーズの工業用アルミ合金の精度が向上しました。
    Al-Ce, Al-Er, Al-Li, Al-Sc, Al-Snなどのアセスメントがアップデートされています。
    • 希土類 Er が追加されました。
    • Ceの2元系、3元系がのアップデートまたは新規アセスメント
    • L12型準安定相 Al3Liがモデル化されAl-Li-Zr, Cu-Li-Mg系がアセスメントされました。
    • 収録元素(35元素)
      Al, Ag, B, Be, Bi, C, Ca, Cd, Ce,
      Co, Cr, Cu, Er, Fe, Ga, Ge, H,
      Hf, In, K, La, Li, Mg, Mn, Na, Ni,
      Pb, Sc, Si, Sn, Sr, Ti, V, Zn, Zr
  • TCHEA2.1:高エントロピー合金向け熱力学データベース
    シグマ相の安定性が向上しました
  • MOBTI2:Ti合金向けモビリティデータベース
    新データベースTCTI1と共に使用する、Ti合金向けモビリティデータベースです。
    • 収録元素(23元素)
      Al, B, C, Co, Cr, Fe, Hf, Mn
      Mo, N, Nb, Ni, O, Re, Ru
      Si, Sn, Ta, Ti, V, W, Y, Zr
    • 収録相(4相)
      BCC_A2, HCP_A3, ALTI_L10, LIQUID
      20の2元系、7の3元系がアセスメント
  • SSUB6:汎用化合物熱力学データベース
    SGETEの汎用化合物向けデータベースSSUBがSSUB6にバージョンアップしました。
    90の物質が追加され、合計5746の化合物、ガス種が含まれます。

2017a(2017年4月)

Thermo-Calc 2017a 概要

2017aでは、拡散モジュール(DICTRA)がグラフィカルモードで使用できるようになりました。また、2015bから加わったプロパティモデル計算が拡張され、ユーザ自身の特性モデルをPython言語を使って作成できるようになりました。

今回のリリースでは新規データベースやバージョンアップが多数あります。

  • 新規のデータベースとしてはんだ合金溶体モビリティデータベース(MOBSLD1)が追加されました。
  • 鉄合金データベースTCFEはTCFE9となり、新しくCeが追加されるほか、高Mn系、高Al系の改良、S, B, Pの改良などが含まれる大きな更新となりました。
  • 銅合金データベース(TCCU2)、高エントロピー合金データベース(TCHEA2)金属酸化物データベース(TCOX7)などがメジャーバージョンアップしました。

Thermo-Calc 2017a 新機能

■ Thermo-Calc
  • プロパティモデル計算
    • テーブルレンダラーが追加されました。
    • 等高線プロットの可読性の向上など出力が改善されました。
    • 液相/固相温度を計算するモデルが追加されました。
    • Python 言語でユーザ自身の特性モデルを作成できるようになりました。既存モデルのPythonコードを閲覧でき、ユーザ定義モデルを作成する際の参考としてもご使用いただけます。
  • 拡散モジュール(DICTRA)
    • グラフィカルモードで使用できるようになります。
    • 析出モジュール(TC-PRISMA)と同様にモジュールのライセンスを持っていなくてもデモモードのご使用が可能です。デモモードでは使用できる元素が2種類までという制限はありますが、拡散モジュール(DICTRA)が提供する全ての計算が実行可能です。
    • デモモードでも実行可能な例題が付属します。
    • Thermo-Calc AB 社提供の例題ビデオがあります。
  • 析出モジュール(TC-PRISMA)
    • 設定可能な元素数が10種類から20種類に増えました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ 新規リリース
  • MOBSLD1:はんだ合金溶体モビリティデータベース
    Sn-/Au-/Bi-/Zn-系はんだ合金向けのモビリティデータベースです。
    • 収録元素(21元素)
      Ag, Al, Au, Bi, Ca, Cd, Co
      Cu, Ga, Ge, In, Mg, Mn, Ni
      Pb, Pd, Pt, Sb, Si, Sn, Zn
■ アップデート版リリース
  • TCFE9:鉄合金データベース
    Ceの追加をはじめ、多くの改良があります。
    • 収録元素(28元素)
      Ar, Al, B, C, Ca, Ce, Co, Cr, Cu
      Fe, H, Mg, Mn, Mo, N, Nb, Ni, O
      P, S, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zn, Zr
    • 32種類の二元系、35種類の三元系ものデータが追加されました。
    • 50種類の二元系、39種類の三元系ものデータがアップデートされました。
    • Ceが 新規追加されました。
    • 高Mn, 高Al系が改良されました。
    • 規則相BCC_B2, L12_FCCが改良されました。
    • εマルテンサイト変態の計算が可能になりました。
    • S, B, Pを含む系が大幅に改良されました。
    • Laves相が改良されました。
    • Low-Density Steel 向けの改良がされました。
    • Cu 系、Nb系、V系が改良されました。
  • MOBFE4:鉄合金モビリティデータベース
    TCFEのバージョンアップに伴い、MOBFEもバージョンアップとなりました。
    Ceが新たに追加されました。
    • 収録元素(28元素)
      Ar, Al, B, C, Ca, Ce, Co, Cr, Cu
      Fe, H, Mg, Mn, Mo, N, Nb, Ni, O
      P, S, Si, Ta, Ti, V, W, Y, Zn, Zr
  • TCHEA2:高エントロピー合金データベース
    C, N, Re, Ru, Si の5元素が新たに追加されました。
    • 収録元素(20元素)
      Al, C, Co, Cr, Cu, Fe, Hf, Mn, Mo, N
      Nb, Ni, Re, Ru, Si, Ta, Ti, V, W, Zr
  • TCCU2:銅合金データベース
    Mo, Oの2元素が追加されます。また、体積データの追加が行われました。
    各系の改良も行われました。
    • 収録元素(29元素)
      Ag, Al, As, Au, B, Be, Bi, C, Ca, Cd
      Co, Cr, Cu, Fe, Mg, Mn, Mo, Nb, Ni
      O, P, Pb, Pt, Se, Si, Sn, Ti, Zn, Zr
  • MOBCU2:銅合金モビリティデータベース
    Mo, O の2元素が新たに追加されました。
    • 収録元素(29元素)
      Ag, Al, As, Au, B, Be, Bi, C, Ca, Cd
      Co, Cr, Cu, Fe, Mg, Mn, Mo, Nb, Ni
      O, P, Pb, Pt, Se, Si, Sn, Ti, Zn, Zr
  • TCOX7:金属酸化物溶体データベース
    F, S, Nb, Cu, La, Gd 6元素が新たに追加されました。
    • 収録元素(18元素)
      Al, C, Ca, Cr, Cu, F, Fe, Gd, La
      Mg, Mn, Nb, Ni, O, S, Si, Y, Zr
  • TCSLD3.2:はんだ合金溶体データベース
    モビリティデータベースMOBSLD1にあわせて、Caが新規追加となりす。
    また、いくつかの2元系、3元系のデータが追加されます。
    • 収録元素(21元素)
      Ag, Al, Au, Bi, Ca, Cd, Co
      Cu, Ga, Ge, In, Mg, Mn, Ni
      Pb, Pd, Pt, Sb, Si, Sn, Zn
  • TCNI8.1:ニッケル超合金データベース
    • Y系が更新されます。
  • その他のデータベースバージョンアップ
    SLAG4.1 (4.0 → 4.1)
    NUCL15  (10 → 15)
    MEPH15  (11 → 15)

2016b(2016年12月)

Thermo-Calc 2016b 概要

2016bでは、計算機能向上やScheilモジュールやTC-PRISMA(拡散モジュール)などにあった大きなバグが修正されました。また、水溶液用データベースがTCAQ3にバージョンアップされました。その他データベースでもアップデートが行われております。

Thermo-Calc 2016b 新機能

■ Thermo-Calc
  • 変態計算においてGlobal minimization が使用されるようになりました。これにより、Property Model CalculatorやScheilモジュールなど計算が改善されました。
  • Scheilシミュレーションのロバスト性が改善されました。
  • Scheilモジュールのバグが修正されました。
■ 拡散モジュール(TC-PRISMA)

日本語モードで使用できないバグが修正されました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

  • 水溶液用データベースがTCAQ3にアップデートされました。A_FE+3 のようにイオンの物質名に“A_”のプレフィクスを付けて他のデータベースのイオンと区別できるようにしました。
  • TCNI8、TCFE8のバグ修正が行われました。

2016a(2016年8月)

Thermo-Calc 2016a 概要

2016aでは、以前のバージョンよりも計算速度やデータベースのロード速度が速くなりました。また、TC-PRISMAがThermo-CalcのGUIモードに統合されました。さらに、銅データベース(TCCU1, MOBCU1)が新たに加わりました。汎用固溶体データベースSSOLもSSOL6にバージョンアップされました。

Thermo-Calc 2016a 新機能

■ Thermo-Calc
  • 計算速度、データベースローディング速度の改善
    TCFE8、TCAL4、TCNI8、TCMG4、TCOX6のデータベースの最適化が行われ、従来よりも数%~40%程度高速に計算できるようになりました。また、TCNI8およびTCHEA1の最適化が行われ、高速にロードできるようになりました。
  • TC-PRISMA, DICTRAの統合
    TC-PRIMSMAがThermo-CalcのGUIモードに統合されました。また、DICTRA、TC-PRISMAがThermo-CalcのAdd-on Moduleという扱いになりました。
    • DICTRAはDiffusion Module(DICTRA)
    • TC-PRISMAはPrecipitation Module(TC-PRISMA)
    という名称になりました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ 新規リリース
  • TCCU1:Cu基合金向け熱力学データベース
    • 収録元素(27元素)
      Ag, Al, Au, As, BN, Be, Bi, C, Ca
      Cd, Co, Cr, Cu, Fe, Mg,Mn, Nb, Ni,
      P, Pb, Pt, Se, Si, Sn, Ti, Zn, Zr
  • MOBCU1:Cu基合金向け動力学データベース
    • 収録元素(27元素)
      Ag, Al, Au, As, BN, Be, Bi, C, Ca
      Cd, Co, Cr, Cu, Fe, Mg, Mn, Nb, Ni
      P, Pb, Pt, Se, Si, Sn, Ti, Zn, Zr
■ アップデート版リリース
  • SSOL6:汎用固溶体データベース
    • SSOL5と比べ、水素が加わり79元素と成りました。
    • 729種類の合金系を含む、1331相が含まれています。
  • SLAG4:スラグデータベース
    • 鉄鋼スラグと液相鉄のリンの再評価を元にリンが再び液相に含まれるようになりました。
    • ガス相が平衡計算高速化のために簡略化されました。

2015b(2016年1月)

Thermo-Calc 2015b 概要

2015bでは、グラフィカルモードにおいて新しく“Property Model Calculator(プロパティモデル計算)” 機能が追加されました。Property Model Calculatorは設定した物質の特性を予測、最適化するための機能になります。使用可能なモデルは相変態、駆動力、界面エネルギー、粗大化、平衡となっています。その他にもさまざまな新機能が追加されているほか、データベースの追加、アップデートも行われています。

Thermo-Calc 2015b 新機能

■ Thermo-Calc
【グラフィカルモード】
  • プロパティモデル計算機能
    “プロパティモデル” 計算機能は物質の特性を予測、最適化するための機能です。
    以下の一般モデルが使用可能です。
    • 相変態
    • 駆動力
    • 界面エネルギー
    • 粗大化
    • 平衡
  • データベース追加機能とデータベースパッケージ化機能
    “System Definer Configuration”(系の定義設定画面)において複数データベースの追加が可能になりました。
    また、複数のデータベースをパッケージ化して登録することが可能になりました。
    複数追加したデータベースに含まれる元素の情報はSpecies(種)、Phases and Phase Constitution(相と相の構成)などのタブで同時にみることが可能です。
  • マテリアル定義機能
    物質名と組成を入力し、入力した名前の物質として保存することが可能になりました。
  • Scheil計算におけるTableレンダラー
    計算結果を表形式で出力することが可能になりました。
【コンソールモード】
  • Scheilモジュールの大幅改良
    Scheilモジュールの操作性が一新されました。
【コンソールモード / グラフィカルモード共通】
  • オンラインヘルプ機能
    オンラインヘルプ機能が追加されました。インストールメディアに含まれる全てのマニュアルを参照することが可能です。
■ DICTRAモジュール

DICTRAでScheil計算の偏析プロファイルをインポートできるようになりました。

☆★新データベース・バージョンアップ★☆

■ 新規リリース
  • TCHEA1(High Entropy Alloys):ハイエントロピー合金向けの熱力学データベース
    多主元素合金(multi-principal element alloy)とも呼ばれる複数の主要元素を含む合金向けのデータベースです。
    • 収録元素(15元素)
      Al, Co, Cr, Cu, Fe, Hf, Mn
      Mo, Nb, Ni, Ta, Ti, V, W, Zr
  • MOBMG1:Mg基合金向けの拡散モビリティデータベース
    • 収録元素(24 元素)
      Ag, Al, Ca, Ce, Cu, Fe, Gd, K, La
      Li, Mg, Mn, Na, Nd, Ni, Pr, Sc, Si
      Sn, Sr, Th, Y, Zn, Zr
    • 収録相(2相)
      Liquid, HCP_A3