地盤環境汚染の基礎と解析の考え方京都大学大学院 地球環境学堂 地球親和技術学廊 社会基盤親和技術論分野 勝見 武 准教授
講座概要
最近では土壌汚染や地下水汚染が大きな社会的問題となっています。バブル経済の崩壊から時既に久しく、経済・産業活動の活性化のため都市域の再開発の必要 性が増えていますが、同時に事業所跡地などで土壌汚染に遭遇するリスクも増えています。社会資本をトータルでみたとき、土壌汚染の発覚によって再開発に必 要以上に支障を来すことは、決して好ましい状況とは言えません。2002年には土壌汚染対策法が施行されましたが、その精神の一つとして、汚染が発覚した 場合、情報を開示するとともに、汚染の除去・浄化を行わなくても封じ込めなどのリスク低減措置によって土地利用を可能にすることが認められました。 このような「リスク低減」を考えるにあたって、汚染の状況を的確に把握し、今後の挙動を予測するとともに、適切な対策工を選択して、その効果を評価するこ とが必要となってきます。そのため、「解析」の役割がますます重要となっています。そこで本セミナーでは、土壌汚染・地下水汚染の解析ツールとして最もよ く用いられている移流分散解析と多相流解析について、その物理的基礎を中心に説明します。 本セミナーの構成は次の通りです。まずこの第1章では、地盤環境汚染の概要を説明します。第2章では移流分散解析の基礎を、第3章では移流分散解析を行 うにあたって、特にパラメータの設定に関わる問題を例示したいと思います。第4章と5章では多相流解析の基礎と適用に関する問題を説明します。第6章で は、解析の典型的な適用例について紹介する予定です。
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第1章 概説- 地盤環境汚染の概論と解析の位置づけ - |
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第2章 溶質の挙動と解析(1)- 移流分散の基礎式と考え方 - |
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第3章 溶質の挙動と解析(2)- パラメータの決定法と問題点 - |
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第4章 NAPLの挙動と解析(1)- 二相間隙流体の物理 - |
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目次
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第1章 概説-地盤環境汚染の概論と解析の位置づけ- [公開中] |
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1.1 はじめに 1.2 地盤環境汚染の事例 1.3 対象とする汚染・汚染物質 1.4 解析の対象となる問題 1.5 解析の概要 |
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第2章 溶質の挙動と解析 [公開中] |
(1) 移流分散の基礎式 2.1 移流(advection) 2.2 分散(dispersion)と拡散(diffusion) 2.3 吸着(adsorption)と遅延(retardation) |
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第3章 溶質の挙動と解析 [公開中] |
(2) パラメータの決定法と問題点 3.1 吸着・遅延に関するパラメータについて 3.2 分散・拡散に関するパラメータについて |
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第4章 NAPLの挙動と解析 [公開中] |
(1) 二相間隙流体の物理 4.1 土中のNAPL 4.2 まず不飽和土で考える意味 4.3 毛管上昇と毛管水 4.4 毛管上昇部分の水圧を求める 4.5 マトリックサクション + オスモティックサクション = トータルサクション 4.6 水分特性曲線、S-p曲線 4.7 S-p曲線の数学的表現 |
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第5章 NAPLの挙動と解析 |
(2) 難水溶性物質の挙動の特徴 | |
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第6章 解析の適用と問題点 |
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