貴金属合金向けプロパティモデル
Thermo-Calcソフトウェアのアドオンモジュールである貴金属合金向けプロパティモデルでは、光学特性モデルに基づき、光の色、反射、透過のシミュレーションが可能です。GUIのProperty Model Calculatorもしくは、TC-Pythonにて各計算を実施できます。現在は、Au-Al-Ag-Cu-Pt系に適用できます。本モジュールの使用には、TCNOBL3以降のライセンスが必要となります。
計算例
貴金属合金系の色の評価
厚さ10000nm、温度500℃のAu-Ag-Cu合金における、AgおよびCuの組成比変化に伴う色の変化を評価します。標準光源には、正午ごろの自然光を模擬したD65を用い、観察視野角はCIE 1931 2度標準観測者に基づき2°に設定しています。この合金では、厚さ10000nmでは不透明であると仮定され、Ag:が2wt%、Cuが22wt%の時、ピンクゴールドの合金が得られます。

500℃時のAu-Ag-Cu合金の色の変化
特定色における合金組成の推定
Au-3Ag-xCu (wt%) 合金においてピンクゴールド(Lab色空間:80, 28, 24)になる組成比を推定します。Cuの組成の変化による設定した色と算出結果との色差(ΔE)の変化で評価します。Cuが26.5wt%~28.5wt%の時、設定値に近い色が得られます。

Cuの質量パーセント濃度の変化に伴う色差の変化
光の入射角および合金の厚さの変化に伴う色変化の推定
Au-3Ag-28Cu(wt%)合金において、入射角および合金の厚さが変化した際の色の変化を推定します。合金の厚さが増すと、その色は一般的な金(バルク金)の色に近づく傾向が見られます。

光の入射角および合金の厚さに伴う色の変化