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詳細Thermo-Calc:統合型熱力学計算システム

冶金プロセスモジュール

Thermo-Calcソフトウェアのアドオンモジュールである冶金プロセスモジュールでは、BOFやアーク炉溶解、LFにおける脱リン・脱酸・脱硫、介在物除去などの製鋼プロセスを、スラグ量やガス分圧、温度や時間を考慮して計算することができます。
適用可能なプロセスとして、EAF(電気炉)、LD・BOF(転炉)、Tapping(出鋼)、LF(炉外精錬炉)、VOD(真空酸素脱炭)などがあげられます。例えば、LFプロセスであれば、指定した溶鋼やスラグの量や成分と、プロセス条件(温度・時間・ガス)や添加材(脱酸剤や特定の合金元素など)を投入するタイミングを指定し、プロセス中のスラグ量やスラグの成分、溶鋼中の不純物量などを評価することができます。

それぞれのプロセスに関して、計算ワークフローが用意されております。
本モジュールの使用にはTCOX8以降のデータベースが必要ですが、Thermo-Calcユーザーの方は、DEMO版データベースでも試していただけるExampleもございますので、是非お試しください。

参考資料

資料ダウンロードはこちら

データベースの詳細や下記の計算例以外のものも紹介しております。

計算例

BOFプロセスにおける脱硫工程

酸素吹込み量に対し、スラグ添加(CaO:75%、Al2O3:25%)の有無の影響を計算します。スラグを投入することで、BOFの酸化条件(酸素吹込み)により、溶鋼中のP含有量は減少しています。
(例題のファイル:Ex-6b-Si-Mn_and_Al-Ca_killing_TCOX.tcu)

BOFプロセスにおける投入酸素量に対する溶鋼中の元素組成の変化
BOFプロセスにおける投入酸素量に対する溶鋼中の元素組成の変化

BOFプロセスにおける投入酸素量に対する溶鋼中の元素組成の変化

LFにおける脱硫工程

スラグのSiO2とAl2O3量を変更し、溶鋼中のS含有量に与える影響を評価します。スラグを投入することで、BOFの酸化条件(酸素吹込み)により、溶鋼中のP含有量は減少しています。計算によりスラグが90%以上液相で、溶鋼中S含有量が0.01wt%以下となるようなスラグ組成が得られます。
(例題のファイル:Ex-7_Ladle-Furnace_TCOX.tcu)

液体のスラグ相(SiO2とAl2O3)の割合(赤等高線)と、スラグと平衡状態にある溶鋼中のS含有量(青等高線)の関係

液体のスラグ相(SiO2とAl2O3)の割合(赤等高線)と、
スラグと平衡状態にある溶鋼中のS含有量(青等高線)の関係

LFでEERZモデルを導入した計算

LFプロセスにおいて、溶鋼中溶存元素(Mn, S, Si, Al, Ti)量の変化を再現可能です。
この計算で使用しているEERZモデル(Effective Equilibrium Reaction Zone:有効平衡反応域モデル)により、反応域(溶鋼/スラグ界面)と溶鋼・スラグの間の熱伝導・物質拡散を考慮し、炉内の反応を速度論的に解析することができます。
(例題のファイル:PMET_06_Ladle_Furnace_Kinetics.tcu)

溶鋼中溶存元素(Mn, S, Si, Al, Ti)量の変化

溶鋼中溶存元素(Mn, S, Si, Al, Ti)量の変化

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