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詳細Thermo-Calc:統合型熱力学計算システム

AlCoCrCuFeNiにおけるAl含有量、AlCoCrCuFeNiVにおけるV含有量の影響

計算条件

TCHEA1に関する文献*1を基に各種計算を行います。高エントロピー合金としてAlCoCrCuFeNiおよびAlCoCrCuFeNiVを例に、Thermo-Calc 2018aより実装されたTCHEA3を使用して、ステップ図・平衡状態図計算を行います。ここで示す一連の合金は、CoCrCuFeNiをベースに、それぞれAlおよびAlとVを加えた際の相安定性や準安定相の予測を行います。

参考文献

*1 TCHEA1: A Thermodynamic Database Not Limited for “High Entropy” Alloys, H. Mao, HL. Chen, Q. Chen, Journal of Phase Equilibria and Diffusion, 38(2017), 353-368

*2 CJ. Tong, YL. Chen, SK. Chen, JW. Yeh, TT. Shun, CH.Tsau, SJ. Lin, and SY. Chang, Microstructure Characterization of AlxCoCrCuFeNi High-Entropy Alloy System with Multiprincipal Elements, Metall. Mater. Trans. A, 36(2005), 882-893

*3 BS. Li, YP. Wang, MX. Ren, C. Yang, and HZ. Fu, Effects of Mn, Ti and V on the Microstructure and Properties of AlCrFeCoNiCu High Entropy Alloy, Mater. Sci. Eng., A, 48(2008), 482-486

図1は、Al添加によりBCC相およびB2型規則相の形成が促進されることを示唆します。この傾向は、Al-CrやAl-Feといった2元系状態図に基づいて予測することも可能ですが、Al含有量の増加に伴うFCCからBCCへの相変態を完全に理解するためには、多成分系の直接計算は必須となります。Al含有量が多い場合のFCC相分率は、若干過小評価されているものの、計算結果は実験結果とよく一致します*2

図2は、凝固プロセスにおけるBCC・FCC相の晶出を予測します。1230℃(原著論文では1500℃と表記されているが誤り)付近における主要な相は、Cu欠乏のBCC不規則相(図中ではBCC_B2#1と表示)であり、実験観察結果と一致します*3。Cuが支配的なデンドライト間領域は、FCC不規則相(FCC_L12と表示される)に起因するものである。また、LiらもTEM明視野像から観察しているように、デンドライト領域内にナノサイズ粒子が認められており、これらの粒子は、急速冷却中に析出する規則BCC相(図中のBCC_B2#2と表示されている)であると考えられます。

Thermo-Calc:高エントロピー合金 AlxCoCrCuFeNi合金の状態図(x: 0~3 mol) 図1 AlxCoCrCuFeNi合金の状態図(x: 0~3 mol)
Thermo-Calc:高エントロピー合金 AlCoCrCuFeNiV合金の温度対相分率 図2 AlCoCrCuFeNiV合金の温度対相分率

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