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事例紹介:応用事例Thermo-Calc:統合型熱力学計算システム

応用事例

データ処理

Thermo-Calcでは各種計算機能をプログラム上で呼び出すことができるプログラミングインターフェースを提供しています。

  • TQ-Interface(Fortran)
  • TC-Toolbox for MATLAB(MATLAB)
  • TC-Python(Python)

特にPython言語は数値計算やデータ加工のためのライブラリ(SciPy, NumPy, etc.)が豊富に提供されているため、TC-Pythonを利用することでパラメータの最適化やデータ処理を容易に行うことができます。

最小二乗法による移動度の最適化

実験で測定された組成プロファイルを使用して、最小二乗法によりモビリティデータベースのNi-Geのパラメータ(移動度)を最適化した事例です。最小二乗法には数値解析ライブラリのSciPyを使用しています。TC-Pythonライブラリと数値計算ライブラリを連携させることで手作業での拡散係数の同定や、実験データの加工(差分を取るなど)は必要なく最適化することができます。

Thermo-Calc: 試行回数に対する残差平方和(実験値との乖離)

試行回数に対する残差平方和(実験値との乖離)

Thermo-Calc: Geの濃度プロファイル

Geの濃度プロファイル

[1] Rettig, Ralf, Susanne Steuer, and Robert F. Singer. 2011. "Diffusion of Germanium in Binary and Multicomponent Nickel Alloys". Journal of Phase Equilibria and Diffusion 32 (3): 198-205.
[2] Liu, Y.Q., D.J. Ma, and Y. Du. 2010. "Thermodynamic Modeling of the Germanium-nickel System." Journal of Alloys and Compounds 491 (1-2): 63-71.

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凝固状態の合金から均質化処理を行う一連の計算

鋳物用アルミニウム合金AC2B.2を対象に、鋳造と均質化のプロセスをまとめて解析した事例です。

  1. Scheil凝固シミュレーションで鋳造(凝固)後の組織を評価し、数値計算ライブラリNumPyを使用して固相中の元素濃度を導出
  2. 手順1で得られた結果を初期濃度プロファイルとして拡散モジュールDICTRAへ入力し、均質化をシミュレート

手順1の計算において、凝固終盤において液相にCuが濃縮され、Al2Cu相が晶出することが示されています。この結果を基に解析した手順2のDICTRAの均質化シミュレーションでは、550℃、8時間の熱処理によりCuが均質化することが示されています。このようにTC-Pythonライブラリなどを使用することで、一連のプロセスをシームレスに解析することができます。

Thermo-Calc: 左図:Scheil凝固シミュレーション結果、右図:DICTRAによる拡散シミュレーション結果

左図:Scheil凝固シミュレーション結果
右図:DICTRAによる拡散シミュレーション結果

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