各計算事例の計算ファイルはお客様広場からダウンロードできます。
合金別適用事例
貴金属合金
プラチナ合金の鋳造性の評価
プラチナ合金の鋳造性を評価した事例です。凝固温度範囲が狭すぎる場合、プラチナ合金の鋳造性が悪い可能性があります。Thermo-CalcのScheilモジュールでは、非平衡な凝固挙動を予測して、成分による影響などを調査することができます。Pt-Ru合金にCoを添加すると、凝固温度範囲が増加し、鋳造時の充填性が改善されることが示されています。

各合金系における温度-固相分率の関係
TCNOBL1を使用
さらに、ミクロ偏析の程度を予測することもできます。Pt-1.5Ru-3.5Co (wt%) については、Pt-5Ru (wt%) やPt-5Co (wt%) よりもPtの濃度勾配が小さいことがKlotzらにより実験的にも確かめられています。

凝固過程におけるPt母相中のPt組成
TCNOBL1を使用
Klotz, Ulrich E., Tiziana Heiss, and Dario Tiberto. "Platinum investment casting, part II: Alloy optimisation by thermodynamic simulation and experimental verification." Johnson Matthey Technology Review 59.2 (2015): 129-138.
Pt-Cu合金の鋳造設計の改善
Pt-Cu合金の鋳造性に関わる密度を予測した事例です。Pt-Cu合金は優れた加工性と機械加工特性を有する一方で、鋳造性が低い場合があります。Thermo-Calcでは、密度、熱膨張、熱容量などの熱物理特性の計算が可能です。密度について、Mehmoodらによる実験結果(プロット)と精度よく一致しています。

Pt-Cu合金における各温度での密度のCu含有量依存性
TCNOBL1を使用
Mehmood, Shahid, Ulrich E. Klotz, and Gernot Pottlacher. "Thermophysical properties of platinum-copper alloys." Metallurgical and Materials Transactions A 43.13 (2012): 5029-5037.