「品質工学」は何を目指しているのか品質工学って何?寄稿 品質工学会副会長 原 和彦 氏
第4回:品質工学では何をするのか
2004/08/24
4-6 安全設計とは何か
人間が作るものは何時か壊れることを覚悟しなければならない。いくら安定したロバスト設計をしても劣化はするし寿命は免れないのである。
航空機でも落ちないという保証は絶対にないのである。そこで、品質工学では事故が起きた時に被害が最小になるようにシステムを設計することを「安全設計」といっている。
第9図に説明する例は、1988年に東京のあるディスコで起こった事故であるが、照明器具の安全設計が行われていなかったため、3名の青年が死亡したのである。この場合も、チェーンが切れても、ワイヤーが人間の頭の上で止まるような安全設計をしておれば、チェーンが切れたときの損害はワイヤーだけの損失で済んだのです。

航空機の場合にも同じことが考えられるが、現状では安全設計が行われているとは考えられないのである。最悪の時にはお客の体を保護するバッファーベルトや機体には軟着陸できるパラシュートくらいは備えて欲しいものである。
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