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サンプル&事例紹介PZFlex:圧電波動解析ソフトウェア

超音波メス

概要

目的

超音波を利用した手術装置として、血管等の組織をはさんで切開する超音波凝固切開装置や、超音波振動により組織を破砕し、吸引する超音波吸引装置などが、医療の現場で広く利用されています。
手術装置に超音波を使用する利点として、切開装置の場合、プローブから伝わる振動の摩擦熱で、周辺組織を出血しないように凝固させながら、組織・血管等の切開を行うことができるという点があります。吸引装置の場合、超音波振動により脂肪や腫瘍等の組織を破壊し吸引しますが、弾力性がある組織は超音波振動エネルギーを吸収するため、血管、神経等は温存が可能であるという利点があります。
いずれも装置先端部での振動の挙動がポイントとなりますが、シミュレーションでは様々な条件を自由に作成できるため、実際の機器を試作する等の手間をかけずに、効率的に条件の検討が可能です。
今回は以下の超音波メスの先端部の共振周波数を計算し、その周波数での振動を出力することを目的とします。

使用している機能
  • スキューメッシュ
  • 周波数ごとの変形出力機能

PZFlexでは、スキューメッシュを使用することでスムースなカーブの曲面をモデル化できます。

解析モデル

解析した超音波メスの形状は、以下の通りです。
先端部の形状を表現できるよう、スキューメッシュを使用しています。

解析結果

解析結果を以下に示します。
音圧の伝搬図と、それぞれの方法の変位を出力しました。左上が圧力で、右上、左下、右下の順でx、y、z方向の変位です。

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続いて、先端部での振動と、共振数波数を下図に示します。
左図が先端での各方向の振動のグラフ(x方向:黒、y方向:赤、z方向:青)、右図が各方向の先端での振動をフーリエ変換したものです。
左図を見ると、x方向には振動がほとんど無く、y方向、z方向には同程度の大きさで振動していることがわかります。

右上図の結果から、y方向のピークのある9kHz、15kHz、z方向のピークのある7kHz、19kHzでの振動を出力しました。
このように、指定した周波数での変形を出力することが可能です。

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