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サンプル&事例紹介PZFlex:圧電波動解析ソフトウェア

デバイス解析 ~3次元FBARモデル~

概要

目的

圧電フィルムを電極で挟み電圧を加えると、厚さに応じてある周波数で共振を起こします。このような振動子を圧電薄膜共振子(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)といい、携帯電話の電波フィルターデバイス等に使用されています。
FBARでは、厚み以外の形状の振動が厚み共振周波数近傍に現れデバイスの性能を阻害することがあります.こうした振動を寄生振動と言います。
この解析では、シンプルな矩形形状のモデル1と、切り込み形状をを設定して性能向上を狙ったモデル2の2つのモデルの解析を実施し比較しました。
モデル2の切り込み形状は、厚み共振の周波数付近で横方向の寄生振動を抑制するためのものです。
シミュレーションによるインピーダンスカーブの比較し、モデル2の切り込みにより共振周波数近傍の寄生振動の低減を確認することを目的とします。

使用している機能

  • インピーダンス計算機能
  • 周波数ごとの変形出力機能

解析モデル

解析した3次元FBARモデルの形状は、以下の通りです。
基本形状をモデル1、横振動モードがなるべく現れないように改良した形状をモデル2とします。

[モデル1]基本形状

[モデル2]改良形状

解析結果

(1)時間発展

解析過程での時間発展の様子を動画にまとめました。
上が超音波伝搬図(z方向変位)、左下が圧電素子の電圧と右下が電荷です。

[モデル1]の時間発展

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[モデル2]の時間発展

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(2)インピーダンスカーブ

[モデル1]と[モデル2]のインピーダンスを比較すると、[モデル1]の矩形の素子では、共振周波数付近に寄生振動が現れているのに対し、[モデル2]の切り込みを入れた形状のでは、寄生振動が低減されていることがわかります。

振動モード

共振周波数(1.48GHz)での振動モードの動画を以下に示します。この共振周波数では、厚さ方向(z方向)に大きく振動していること、横方向にさざ波のような波が立っていることが確認できます。モデル1ではさざ波の移送が揃っており、強い寄生振動の原因となっています。

[モデル1]の振動モード

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[モデル2]の振動モード

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