背景と目的
背景
工場や倉庫の在庫レイアウトは、建屋や設備とは異なり図面要素および変更頻度が多いため、システム化が遅れている分野です。そのため設計担当者は設計する度に、「どこに置くのか」「何段積むのか」「何間口とるのか」といった項目を検討し、CADや手書きでひとつひとつの品目の置場を製図したり、表計算ソフトのデータを1行1行更新したりして、多くの時間と手間を費やしていました。さらに「空間に無駄がないか」「運搬は効率的か」「障害物と干渉しないか」「通路幅に対してフォークリフトの幅や回転半径はどうか」といった複雑な要件を総合的に判断して良いレイアウトを設計することは熟練の担当者にとっても難しい作業でした。
このような方法で設計したレイアウトを変更することは容易ではなく、また、作成したレイアウトがどれくらい良いのか(あるいは悪いのか)を定量的に評価することができなかったため、これまで改善が困難な分野でした。
LVisionは、このようなレイアウト作成業務の工数削減および在庫レイアウトの改善という問題を解決するためにCTCが開発した、これまでにない新しいレイアウト作成支援ツールです。
複雑なレイアウト設計業務を合理化
LVisionは、複雑な在庫レイアウト(位置と広さ)の設計作業を支援するソフトウェアです。
在庫品の荷姿寸法および数量を入力し、配置するエリア(ストレージ)を図面に描画すると、エリア上に在庫レイアウトを自動生成することができます。レイアウトの自動生成は数秒~数分で計算が完了します。ユーザインタフェースはCADソフトをベースに構築しており、マウス操作でひとつひとつ在庫品を図面に配置したり、自動生成されたレイアウト図面を変更したりすることも簡単です。
設計担当者は、「図形を描く」「寸法を計算する」「レイアウトをチェックする」という手間のかかる作業から開放され、より付加価値の高い作業である「改善」の検討に時間をシフトできるようになります。
収納率および搬送コストの改善
さまざまな奥行きのストレージがある場合、LVisionの自動レイアウト機能を用いれば、収納率がよくなるように在庫品を自動配置することができます。図面に搬出入口と通路を追加すれば、搬出入口から在庫置場までの搬送経路を考慮して、搬送コストの総和が小さくなるようにレイアウトを自動生成します。
収納率と搬送コストの調整機能を使えば、バランスが取れたレイアウトを自動生成することが可能です。
LVisionにはレイアウトの改善活動に必要なさまざまな評価指標が用意されており、作成したレイアウトを定量的に評価することができます。また、マニュアル操作でレイアウトを変更後、重なりやデータ設定の漏れなどの違反を検出する診断機能を備えています。
評価指標や違反に対して図面を色分けする機能も備えており、図面を一見して良し悪しを判断することができます。


導入効果
在庫レイアウト設計工数の削減
- 単純な作図時間の大幅な削減
- レイアウト帳票の手入力およびチェック作業扶養
- より付加価値の高い作業に時間をシフトできる
在庫レイアウトの改善
- スペース効率の向上
- 搬送距離短縮
- 精度向上(レイアウト設計の誤り減少)
在庫レイアウト業務の簡易化
- 短い期間でレイアウト業務プロセスを習得
- 熟練者から若手へのノウハウ継承
適用分野
- 商品・部品の在庫レイアウト管理業務
- 在庫量変動に伴う在庫レイアウトのメンテナンス業務
- 在庫品の入れ替え、レイアウト変更時の面積過不足量の計算
- 新倉庫、新工場建設時のストレージスペース見積り
- 新製品リリースに向けた部品在庫・製品在庫レイアウト再編成
- 最適な在庫レイアウトを決定するためのシミュレーション etc.
関連ソフトウェア
LVision DUMA
LVision DUMA(ドゥマ)は、LVisionのレイアウト情報データベースから、WITNESSのモデルを自動で作成するLvisionのオプションソフトです。このオプションを使うことにより、複数のレイアウトでピッキング等のシミュレーションを行なうことが容易になります。

- WITNESSのルールやロジックをコーディングすることなくピッキングや入庫時の搬送物流モデルを作成・実行
- レイアウトを選んで、走路とビークルの設定を入力すれば瞬時にWITNESSのモデルを生成
- モデル実行時のビークルの動きをガントチャー トで表示することで稼働率を分析(移動・荷積み・荷降ろし・駐車に要した時間を確認できます。)
※ピッキングモデルは、ピッキングの指示(ピッキングファイルに記述)に従って、在庫置場からピッキングして搬出口に運んでくるモデルです。
※入庫時の搬送物流モデルは、搬入口に到着した荷物を該当する在庫置場(パーツファイルに記述)に配置するモデルです。
LVision DUMAで指定できる項目
- 走路の車線を設定できます。
- 作業を行うビークルを投入することができます。 (表示アイコンも指定可)。
- モデルの表示(単位)を指定できます。
- 入庫時の搬送物流モデルのパーツファイル設定や、荷積み、荷降ろし時間が指定できます。
- 走路の表示(LVisionの走路の枠線を背景として表示/モデル実行中の路表示の表示/非表示)を指定することができます。
- その他、細かな指定はモデルテンプレートファイルによりカスタマイズできます。
本製品が動作するために必要となるソフトウェア
項目 | 推奨環境 |
---|---|
ソフトウエア | LVision V1.3 |
witness 2007 以上 |