HOMEプロダクト一覧GUROBI詳細

詳細Gurobi Optimizer:高速数理最適化線形/整数計画ソルバー

適用分野

物流・運輸・港湾分野における最適化

物流分野においても、コスト削減は、重要な課題です。企業は、物資の輸送に伴う様々なコストを常に意識し、サービス レベルを落とすことなく、業務改善に取り組んでいかなくてはいけません。激化する競争に打ち勝つためには、お客様満足度の向上を目指し、そして、同時にトータル コストをできる限り削減しなくてはならないのです。最適化技術は、そのような課題を抱える企業の救世主です。様々な企業が抱える固有の制約を考慮しながら、各企業の目的にあわせた価値ある「答え」を提供してくれます。

運輸分野では、鉄道において、広く最適化技術が採用されてきました。世界に羽ばたく日本の鉄道ビジネスにおいて、今後さらに最適化技術の活用の場が増えていくことでしょう。

港湾分野においても、国際ハブ港戦略で最適化技術は欠かすことはできません。最適化技術により、各現場における効率的なオペレーションが実現可能になり、港湾全体の運営がさらに改善されます。

1. 最適化技術の利用例

(A) 車両配車計画

物流分野においてリソースを最大限に活用する代表例として、トラック等の車両の配車計画および最適配送ルートの探索システムへの最適化技術の適用があります。効率的な配送を実現させるためには、お客様の拠点数、倉庫数、配送指定時間、配送指定場所等の制約、そして、複雑に絡み合うその相関関係を考慮しながら、最適な必要車両台数および配送ルートのスケジューリングを行わなくてはいけません。多くの場合、車両の必要台数を最小に留めながら、車両1台あたりの走行距離を最短にするという、相反する制約条件が配送ルート スケジューリングでは考慮されます。こうした複雑な制約条件の組み合わせにおいても、Gurobi Optimizerを活用すれば、数学的に最適な車両台数および配送ルートを素早く計算させることが可能になります。これにより、物流に関わるトータル コストの大幅な削減が実現できます。

(B) 物流網(ネットワーク)シミュレーション

倉庫や配送センターおよびクロスドッキングの位置の決定は、配送先のお客様の場所や配送する容量等に大きく依存します。 Gurobi Optimizerを活用することにより、複雑な制約条件を満たしながら、これら拠点の最適な場所を決定するための物流網シミュレーションを、容易に実現できます。最適化技術の活用で、サービス レベルを維持しながら、または、更に向上させながら、倉庫、配送センターへの効率的な投資が可能になります。

(C)倉庫管理システム

倉庫内における物資の場所、量、貯蔵時間に関する情報は、倉庫サイズの増大と共に比例して急激に複雑化してきています。特に、在庫量を最小にするためには、単なる倉庫内だけの管理に留まらず、生産から在庫管理、そして配送といった総合的なSCM(サプライ チェーン マネジメント)における包括的な管理が重要な要素になってきています。 Gurobi Optimizerは、様々な要素が複雑に絡み合う倉庫管理システムにおいても、その活用が期待されています。

(D) 3PL (3rd Party Logistics)

荷主にとって、お客様への配送コストを削減することは必要不可欠な要素です。しかしこれまでの輸送形態では、自社系列の運送会社や一般の運送会社を使用した既存の物流ネットワークの制限に阻まれ、輸送の効率性に大きな無駄が生じていました。例えば、荷主1、荷主2の両者がお客様に納品がある場合、それぞれの荷主が別々の輸送手段で配送を行っているため、別々の運送会社がお客様を訪問することになります。このような無駄を解消するため、荷主1および荷主2の両社が、共通の倉庫および車両を使用して、お客様への配送を一本化させる物流形態が3rd Party Logisticsです。 3PLにより、荷主は、トータル物流コストの大幅な削減が可能になります。インターネットの通信販売等の増加の流れを受け、このような3PLに代表される更なる効率的な物流システムの構築が、市場から強く求められています。 3PLシステムの構築においては、配送先の順序および配送車両の割り振り等の複雑な制約条件を満たすことが要求されます。 Gurobi Optimizerにより、このような複雑な問題を解決する物流システムの構築が可能になります。

(E) e-Logistics

これまでの配送システムにおいては、荷主が、予め契約した料金体系で特定の指定業者へ配送の依頼を行っていました。しかしe-Logisticsでは、ネット上で任意の業者に対して配送先および金額等の条件を提示することにより、それらの条件を満たす最適な運送業者の利用可能な車両の空きスペース等に関する情報を入手することができ、ネットを通じての商談が可能になります。 e-Logisticsは海外で最も広く活用されており、国内の運輸/物流業界においては、新しいビジネス モデルと言えるでしょう。

(F) マンパワースケジューリング

多くの人員を抱える、運送業、航空会社、鉄道/バス会社、アミューズメントパーク等では、最適な人員の勤務シフト スケジューリングが、課題の一つになっています。特に職種によっては人員配置の際に、特定の免許および法的資格等の必要技能条件が要求されます。また同時に、勤務時間および休日に関する労働条件等の制約をも満たさなくてはいけません。このような人員の最適な勤務シフトスケジュールを実現させるため、Gurobi Optimizerは、世界の多くの有名企業で採用されつつあります。航空会社の乗務員スケジューリング システムおよびファースト フード チェーン等において、最適化技術が、効率的な勤務シフトの構築を支援します。

(G) 鉄道の時刻表作成、鉄道ダイヤ再スケジューリング

鉄道の時刻表の作成、事故および障等が発生した際の鉄道ダイヤの再スケジューリング(運転調整)は、今までは、その分野に特化した専門の担当者によって、行われてきました。しかし、このような作業は、時として瞬時の対応が要求されます。実際に行われた対策措置としては、例えば快速列車のダイヤにおいて、障害発生時には特別快速列車の運転のみを廃止するといった対応(80%運転)等を実施したりしました。しかし、瞬時に最適なダイヤの再スケジューリングが可能であれば、より効率的な運転調整を実施することが可能になります。 Gurobi Optimizerは、このような列車のダイヤ作成や障害発生時の再スケジューリングのシステムにも適用可能です。

(H) マルチ コンテナ ターミナルにおけるバース割り当て

年々増加する海運での物資取扱量に効率的に対応するため、港湾では、船舶が係留するバースの最適な割り当てが求められています。船舶を港のどのバースに停泊させるかは、その船舶の長さ、喫水、そして船種により決定されます。しかし、多くのバースをかかえる大規模な港においては、入港する船舶の順番および優先順位等によって、バース割り当てが非常に複雑になっています。コンテナ船においてはバース割り当ての他に、ガントリー クレーンのサイズおよびクレーンの稼動速度が、その荷役効率に大きな影響を与えることになります。港湾管理者は、海運会社への配慮を考慮に入れつつ、港湾の公共性の観点から、できるだけ、バース待ち時間および荷役時間が最小になるよう、バースの効率的な割り当て方法を海運会社に提案しなくてはいけません。もちろん、それにより、船舶から荷物を受け取り、その配送を行う、または船舶への積荷を運ぶ車両の待ち時間の最小化も必要になってきます。様々な制約、海運会社からの要望等を考慮し、いかに、バースを最適に割り当てるかにおいて、最適化技術が活用されています。



一覧へ戻る