Sample 2 - 兵庫県南部地震の強震動解析
大規模地震波伝播解析の一例として、兵庫県南部地震の解析をご紹介します。この解析では、六甲山などの地形形状を標高マップから読み込んでモデル化しています。解析領域は57km x 37km x 20km(深さ)であり、75mの均一メッシュで要素生成をしました。
解析規模は1億3千万要素、使用メモリは6.5GBの解析になります。GeoWAVEでは、8CPU(Pentium4 2.0GB)の並列計算で2750ステップを約16時間で終了することができます。
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Furumura and Koketsu(1998):Specific distribution of ground motion during the 1995 Kobe earthquake and its generation mechanis, Geophys.Res.Lett.,25,785-788.
兵庫県南部地震では、2つの破壊領域があり、一つは神戸側、もう一つは淡路側にあります。
これらのすべり分布は吉田らが1996年に構築したものを使用しています。
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解析結果
![]() (均一の断層すべりモデル) |
断層すべりモデルを均一すべりにした場合は、スライド右上の図からわかるように、神戸側断層の北端部で非常に大きな揺れが生じてしまうことが分かります。これは断層破壊に伴うディレクティビティ効果として知られていますが、実際の観測から得られた震災の帯は神戸市街地に集中しており、異なった結果になることが分かります。 |
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![]() (現実の断層すべりモデル) ![]() |
一方、吉田らのすぺり分布を導入し解析を行うと、最大速度分布は神戸市街地側にシフトしてきており、実際の観測から得られた震災の帯と良く一致することが分かります。 |
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![]() ![]() 速度波伝播(地形モデル) |
![]() ![]() 速度波伝播(地図モデル) |
下図は、地殻変動解析を行った例です。有限要素法では速度波形と同時に変位も得ることができるため、このような断層のずれによる変形図を求めることも可能です。
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K Koketsu,Imaging earthquake falt rupture by waveform inversion,BUTSURI-TANSA Vol.52 No.6(1999) pp.505-513.