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サンプル&事例紹介CHIP:制約論理プログラミング言語

アプリケーション事例

ATLAS 生産計画

背景

ATLAS 生産計画COSYTECは、ベルギーのコンサルタントBeyers&Partnersと共同で、アメリカの化学会社のアントワープ工場向けにスケジューリングシステムを開発しました。この会社では、ゴム、プラスティック、樹脂、除草剤を全世界へ輸出しています。
このスケジューリングシステムは、計画管理スタッフ及び現場スタッフ向けのマルチユーザーの意志決定システムで、除草剤の製造およびパッケージングラインをスケジューリングします。
このCHIPにより開発されたシステムは、それまでの手作業でのスケジュール作成を代替しました。スケジュール作成のためには、パッケージ材料の在庫量および、製造ラインの稼働率、作業員の勤務状況、ストックエリアのスペース等を考慮しておく必要があります。手作業でのスケジュールは泥縄式で、時には生産が混乱し、高コストのものとなっていました。

製造プロセス

工場では、数百種の最終製品が生産されており、おのおのが、瓶、箱、カートン等様々な形態でパッケージされ、また、ラベルや蓋、パレット等もパッケージングに必要です。従って、工場トータルでは数千種のパッケージ材料が必要です。一方、製造ラインは、パッケージ前のバッファスペースと最終製品の在庫スペースの制約を考慮しなければなりません。また、季節変動要因も考慮しておく必要があります。
工場には、数ラインのパッケージラインがあり、紙での包装、自動缶詰め、瓶詰め、手作業でのパッケージ等自動化レベルにも差があります。これらのラインは24時間週7日稼動しています。また、外注での製造品もあり、この制約条件は内製品とは異なります。原材料の納入及び製品の出荷は、輸送業者との契約条件に基づいて行わなければなりません。

CHIPによるシステム

CHIPによって作成されたシステムは、既存の情報ネットワークに統合されています。MRPシステム上の製造データは、CHIPが稼動しているUNIXワークステーション上のORACLEデーターベースに移され、CHIPとリンクされています。ユーザーはシステム上の必要なデータを各自のPCにダウンロードします。
システムには、ガントチャート、リスト、部品展開表、作業人員等のデータがグラフ及びテキスト形式として表示される、すぐれたユーザーインターフェースを備えています。ユーザーはこのデータを調べたり、変更したりできますし、自動スケジュールを行って注意すべき状況が発生しないか、品質に影響しないかを調査できます。

ソルバー

ATLAS 生産計画制約解消系は、製造およびパッケージングの2つのサブシステムに分かれます。製造の部分は、各設備での製造時間の違い、バッチサイズの制限、製造品目に依存する段取り替え時間、バッファスペースの制限等の制約条件を考慮する必要があります。
パッケージングの部分は、ラインの選択、パッケージ順、マシンに依存する段取り替え時間、作業員の制約、中間製品の製造・消費による制約、在庫スペースの制約等を考慮する必要があります。
CHIPのソルバーは製造スケジュールを数種の戦略で解くことができます。ここでは、6ヵ月間にわたる1000工程のスケジュールを5分以内にスケジュールできます。
また、ユーザーは各戦略によるスケジュール結果を保存・読み込みして比較し、シミュレーション的に使用することができます。スケジュール結果を各オペレータの間でやりとりして、承認を得た後、ORACLE及びMRPデーターベースが更新されます。
開発期間は、3ヵ月のプロトタイプ開発、詳細仕様作成フェーズを経て、6ヵ月の開発及び設置フェーズをサブシステム毎に2回行い、合計15ヵ月でした。インクリメンタルな開発により、ユーザーや熟練したスケジュール作成者のフィードバックが得られ、よいシステムが開発できました。

得られた効果

スケジューリングに関しては、コミュニケーションの向上が図れ、一部の熟練したスケジュール作成者のみでなく、システムのユーザーの多くがスケジューリングに習熟できました。
また、シミュレーション機能により、顧客要求にも正確に応えることができるようになりました。在庫量は減少し、製造ラインや作業員の平準化レベルも改善されました。


 
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