バリ形状の予測
目的
切削加工では加工方法に応じて被削材の端にバリが生成する。生成されたバリによっては製品形状に対して不良となるため、バリ取りの工程などが発生し課題となりやすい。加工前にバリ生成に関する知見が得られることは有益な情報となる。
方法
切削速度をパラメータとしてバリ生成の様子をAdvantEdgeFEMでシミュレーションする。
セットアップ
送り | 0.13mm |
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切削速度 | 250m/min 1250m/min 2500m/min |
すくい角 | 20度 |
逃げ角 | 5度 |
刃先丸み半径 | 0.025mm |
工具材質 | 超硬Carbide-General |
被削材 | Al合金Al6061-T6 |
結果
図1は切削速度2500m/minにおけるバリ形成過程である。工具が被削材を加工し抜け際となると被削材が変形しバリを形成する。速度をパラメータにシミュレーションを実施し形状を比較した。

まとめ
AdvantEdgeFEMを利用することでバリ形成の様子をシミュレーションすることができた。今回のケーススタディでは切削速度の違いがバリ形状に違いを及ぼすことが分かった。温度分布や塑性ひずみ分布も評価することでバリが形成される物理現象を理解し加工条件や工具形状を工夫できる可能性がある。ドリル加工やフライス加工のような工程でも同様に評価可能である。