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ヒロセ株式会社 様基礎工事で活躍する重仮設資材
-“鉄と土と建設”をテーマに活躍-

お話を伺った方

ヒロセ株式会社大阪本社 交通技術部
重仮設カンパニー 工務統括部 設計計画担当
課長:石倉博司様(写真左)

重仮設カンパニー 東京本店 第一事業部
技術部長:三瓶 孝様(写真右)



ヒロセ(株)は昭和13年、日本初の重仮設資材リース会社として創業。パイオニア精神で、リース業にとどまることなく発展を続けてきた。現在、日本での業界トップ企業として、建設工事の設計・施工はもとより新技術、新工法の創出で、常に時代に先駆けた取り組みを行っている。

建設現場で掘削した地盤を崩れないように支える「山留材」、地下鉄や電気・ガスなど都市開発工事の工事中の交通整備に欠かせない「覆工板」など、土木・建築の基礎工事に使われる資材を取り扱うヒロセ株式会社。土木や建築の世界でも、知る人ぞ知る存在ではありますが、実は鋼製山留をはじめ、仮設橋のKD橋、補強土工法など常に新しい取り組みを行っており、基礎工事分野の技術コンサルタントとして大きな役割を果たしています。

ヒロセでは、CRCの山留め弾塑性解析トータルシステム「KASETSU-5X」を全社的に導入していただいているほか、KD橋の設計や積算プログラム開発でもCRCを利用していただいています。

今回は、ヒロセの重仮設カンパニーの石倉博司氏、三瓶孝氏、総務担当の加島弘也氏に、CRCソフトウェアの活用状況について伺いました。

重仮設資材の設計計算から資材加工、施工まで

土木や建築の基礎工事で、地盤を掘削するときの土留材として使われるのが「矢板」です。さらに掘り進むと矢板だけではもたなくなるので「山留材」を組んで支えます。こうした矢板や山留材は、もともとは建設会社が自分で資材を持ち組み立てていました。しかし必要な部材をすべて自社で保有すると大きなコストがかかります。そこでリースやレンタルというビジネススタイルが登場したのです。

ヒロセは、昭和13年に日本で初めて鋼矢板(シートパイル)を貸し出す会社として創業しました。その後、鋼製山留材を開発するなど取り扱い品目を拡大し、現在では重仮設資材の保有量と品質で業界トップを誇っています。皆さん、あまりお気付きでないかもしれませんが、ビルの基礎工事や地下鉄建設、上下水道、共同構など、ヒロセの重仮設資材は土木・建築現場の至るところで使われています。

また、仮設・解体が容易な鉄構橋梁や、土地の有効利用に欠かせない各種の補強土工法など、“鉄と土と建設”をテーマにさまざまな製品・工法を用意しています。

当社では山留工事や仮設橋の工事の計画・設計から資材のレンタル、施工までトータルに請け負っています。山留の杭に使われるH形鋼やシートパイルは鉄鋼メーカーで製造されますが、当社ではそれらを多数保有し、各工事の施工条件にあわせて加工して出荷し、現場で組み立てます。そのためには、事前の設計計算、施工計画、積算などの検討が不可欠です。このときの解析の手段として、CRCの【KASETSU-5X】を利用しています。

重仮設資材 資料提供:ヒロセ(株) 重仮設資材
資料提供:ヒロセ(株)

お客様のご要望が多かった「KASETSU-5X」を導入 

ヒロセでは、以前より「仮設」に関するソフトは仮設専門業者としての経験を設計に反映できるように自社開発で行ってきました。しかし、道路協会の指針で掘削深さが10mを超える案件には弾塑性法を適用するという基準が採用されることになり、弾塑性法による計算ソフトの開発の必要性が出てきました。当初自社開発も検討しましたが、弾塑性法の計算ソフトについてはお客様での市販ソフトの利用頻度が高く、信頼性の高いソフトを導入して運用するほうがメリットがあると判断しました。数ある市販ソフトプログラムから先ず、お客様によく使われていて計算結果が当社の考え方と適合している2社のソフトを選びました。最終的に、お客様のニーズが高かったCRCのKASESTU-5Xに一本化することになったのです。

建築学会の指針が改定され、弾塑性の詳しい条件が記載されましたので、使用頻度は多くなっています。とはいっても、慣用法と弾塑性法の割合は8:2くらいですが。ただ、鉄道が近いとか、重要構造物が背面にあるなどの限定された条件の場合には必ず弾塑性法で解析してほしいという要望があります。

KASETSU-5Xのバージョンも上がるにつれて、入力の仕方も改良され、見やすくなってきました。私たちの希望を入れて、各種の基準を追加していただいたこともあり、より便利になっています。

当社のお客様である大手建設業者(ゼネコン)様ではKASETSU-5Xが広く使われているので、データのやりとりがメールでできるという利便性があり、お客様が行った基本設計のデータをいただいて、現場の動きに応じて修正しながら設計していくというケースも増えてきています。

当社では、KASETSU-5Xの結果を、カストマイズした汎用CADに落とし込んで図面を作成しますが、このとき積算も一緒にできるようにしてあります。材料費や施工費を盛り込み、コストの問題も含めて総合的に設計を検討するためです。

総工費のなかでコスト削減を意識。

建設業者様が国、県、地方公共団体などから受注した工事を進めるに当っては、地下構造物は基本的には本体構造物ではないので、土を留めるだけの鋼材を入れるのはなるべく省力化して短期間で行いたいというニーズがあります。当社から仮設資材はこのくらい必要ですと積算して出しても、構造計算との兼ね合いで、もっと少なくていいとか、もっと増やしてくれというご要望が出てきます。それらを伺ってご相談しながら、設計・施工していくのが通常のパターンです。

現在の厳しい経済情勢の中で、できるだけコストを下げたいという要求は当然ですが、他方で作業性を考え、仮設資材や工事で多少コストはかかっても全体の工期短縮に貢献できれば、トータルでのコスト削減が実現できます。総工費のなかで、全体の工程や構造をみながら仮設資材の設計計算や積算をしていくことが大切です。

経験をもとに、さらに提案営業力を強化。

ヒロセの設計部門では営業の武器として、以前から提案型の営業を行っています。お客様のニーズはいまのところどうしてもコスト削減に向いていますが、それとうまく共存できる方向で、できるだけサービスの幅を広げようとしています。

仮設はどうしても経験によるところが大きい分野ですから、いままでの経験を活かして最適な仮設計画を提供できるようにしていきます。

例えば、KASETSU-5Xを使用しても、土木の場合はほぼ同じ答が出るのですが、建築の場合だと設計者の主観がかなり反映された値が出ます。また、以前は仮設資材がつぶれなければいいという感じだったのですが、いまは変形をいかに抑えるか、どういう管理をすれば変形がある範囲に収まるかといったテーマで山留めをとらえることが多くなっています。

 

慣用法ですと、そこまでの値が出せないので、これはやはり弾塑性法でないとだめです。弾塑性法の計算と現場での計測をマッチングさせて仮設資材を減らすなど、より経済的な現場管理をしたいというケースが増えています。

設計者にとっては、机上の計算である程度の値をつかむという技術と、もっと施工現場に密着して自分が設計したものが、地震がおきたとき、雨が降ったときにどういう影響を受けるかを目で見て、肌で感じておくことの両方をあわせ持たないと、なかなか説得力のある提案はできないのではないでしょうか。

そうした意味で、現場でこうだったということを設計部門にフィードバックしたいのです。そうしたノウハウを蓄積していき、それに基づいて新しい設計・積算をしなければなりません。実際は、なかなか難しいですね。日々の仕事に追われ、終わった現場を検証する時間もとれないし、計測データも集めにくい。しかしながら、その部分をしっかりやってこそ顧客ニーズに応えられる会社となるわけですから、日々頑張っています。

CRCとは、KASETSU-5Xからのお付き合いですが、一昨年くらいからKD橋の設計など開発のほうでもお手伝いいただいています。最近は自社ですべて揃えるより、必要なところはプロにまかせるという方針に変わりつつあります。できるだけ効率よくやっていきたいので、KASETSU-5Xの改良も含め今後ともよろしくお願いします。

河川上でのスムーズな設置・撤収を可能にしたPG橋が、国の文化財「錦帯橋」の迂回路として採用。

インタビューを終えて │ 後 記 │Editor's notes
ヒロセ様にはKASETSU-5Xのご利用にあたり、機能強化のための数々のご提案をいただきました。おかげさまで同種のソフトの中では高い機能を備えることができました。今後もご利用者の視点からアドバイスをいただきたいと存じます。

最後に石倉様、三瓶様、加島様には貴重な時間を頂戴いたし、誠にありがとうございました。(聞き手:CRC青木)

名称 ヒロセ株式会社
ヒロセ株式会社
http://www.hirose-net.com/

本社所在地 東京都江東区東陽4-1-1 東陽セントラルビル
創業 1938年(昭和13年)11月25日
社長 廣瀬太一
資本金 23億4,185万4,009円
年商 671億円(平成14年度)
社員数 655名
主な事業概要 鋼矢板(シートパイル)、H形鋼、鋼製山留材、覆工板、鋼製橋梁等の仮設資材のリース、販売。
各種補強土工事の請負、工法開発
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