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コラム:プラント

プラント設計アプリケーション間の連携

アプリケーションサービス部 CAEサービス第1課 佐野 秀昭

[2020/03/18]

プラントの関連構造物では設計対象が多岐に渡るため、アプリケーション間で必要な情報を効果的に共有して作業を推進することが重要です。本稿では、STAAD.ProとAutoPIPEを中心とした設計情報の連携機能に関して紹介します。

構造物において設計を容易に行うために多くのアプリケーションが開発されています。一般的な構造物に比べてプラント構造物は、幾つかの構造物の集合体となっており、それぞれにおいて設計を行う必要があり、また個々の部品を繋ぐ部分も評価が必要な場合があります。個々の部品が結合されているということは、その部分で力の伝達が行われることになります。このため、個々のアプリケーション間で伝達される力などの設計で入力が要求される情報を自動で渡す機能を活用すれば、時間削減だけではなく、間違いの削減や変更による再設計を容易にします。
ここではBentley Systems製のプラント関連の設計アプリケーション間の連携を紹介します。以下が連携の概要を示した図です。

図1 プラント関連設計アプリケーションの連携

図1 プラント関連設計アプリケーションの連携

① 配管と架構

配管はサポート構造物の上に載っている場合が多々ありますが、通常は配管のみをモデル化して設計が行われます。ここで配管解析にて得られたサポート点の反力は架構設計では荷重となりますので、自動で読み込むことができます。また、AutoPIPEではSTAAD.Proの架構モデルをそのまま読み込む配管+架構をモデル化して解析することができますが、その他の機能として架構解析で得られたサポート点の変位を配管解析の強制変位として読み込むことができます。

② 断面プロパティ計算

既存の形鋼に板を貼り付けて補強する場合があります。そのような任意形状の断面プロパティを計算し、架構設計に渡すことができます。

③ 接合部設計

架構の梁柱の接合部の設計においては、実際に作用している部材力を使うことで経済的な設計が行えます。このため接合部設計のために架構解析から部材力を渡します。

④ 2D図面

立体のモデルを作成して架構解析を行い設計することが一般的に行われています。しかし、2D情報は図面や設計計算書では主流です。立体モデルから平面図や立面図を作成できます。

⑤ 鉄筋コンクリート設計

架構設計(STAAD.Pro)では主に鋼構造の設計が行われます。鉄筋コンクリリート設計ではフレーム解析では要求されなかった多くの情報が必用です。このため、架構解析の部材力を読み込み、別ソフトで鉄筋コンクリートの配筋を決定することができます。

⑥ 基礎設計

架構解析においては、通常は鉄筋コンクリート基礎まではモデル化せずに拘束点として扱います。ここで架構解析の反力を基礎設計の荷重として読み込むことで設計を行うことができます。

⑦ ノズル設計

配管は気体や液体などの流体を移動させることが目的のため、始点や終点には機器や容器があります。配管は自重・熱・地震などの荷重を受け変形します。このため、容器などとの接合部分のノズルには、それに耐えられるか評価が必要です。ノズルの評価では、配管解析のアンカー点の反力を荷重として読み込みます。

⑧ 容器設計

容器は配管と流体のやり取りを行うます。そのため、容器設計でもノズルと同様に配管解析の反力を荷重として読み込むことが必要です。

⑨ アイソメ図

配管の図面として、斜めから見たノンスケールの図面を作成することで、配管ルートを視覚的に確認し易くします。配管解析のモデルからそのままアイソメ図を出力することができます。

これらの連携機能を活用してアプリケーションを使用することで、各構造物の設計を行う設計者の時間や負担の軽減することができます。また、今回は紹介していませんが、各アプリケーションは、3D CADとのデータ交換も可能です。Bentley製品ではISMを利用した3Dモデルの概念を採用しており、CADやその他のアプリケーションともの連携も可能です。また、アプリケーション毎に業界で標準的に使われている幾つかのフォーマットに対応しています。

CTCでは、プラント関連の設計業務を効率的にご利用頂くために、上記のアプリケーションの販売とユーザーサポートを提供しています。

関連製品についてはこちら

架構構造解析・設計システム STAAD.Pro
http://www.engineering-eye.com/STAAD/

基礎設計システム STAAD Foundation Advanced
http://www.engineering-eye.com/STAAD_FA/

鉄筋コンクリート設計システム RCDC
http://www.engineering-eye.com/STAAD/details/software/staad_rcdc.html

任意形断面プロパティ計算システム Section Wizard
http://www.engineering-eye.com/STAAD/details/software/section_wizard.html

配管応力解析システム AutoPIPE
http://www.engineering-eye.com/APIPE/

容器・機器設計システム AutoPIPE Vessel
http://www.engineering-eye.com/AP_VESSEL/