コラム:超音波・電磁技術
アプリケーションサービス部 CAEサービス第2課 平 晃一
[2020/01/15]
去る2019/11/07、TKP品川カンファレンスセンターにて、超音波解析ソフトウェアComWAVEのユーザー会「超音波ソリューションセミナー2019」を開催いたしました。
ComWAVEをリリースした2007年に第1回を開催して以来、本ユーザー会も13回を数え、日頃、超音波関連業務に携わられているユーザー様をはじめ、超音波シミュレーションをご検討中のお客様など、当日は多くの方にご参加いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
今回のセミナーでは、AI、超音波洗浄、レーザ超音波、炭素繊維複合材といった、いま話題の分野でのComWAVE活用事例を中心に、徳島大学 教授 西野秀郎様 による「最近の超音波ガイド波探傷とAI援用による減肉の定量法」の特別講演のほか、ユーザー様による事例紹介3件、CTCからComWAVEの最新動向の紹介を行いました。
本稿では、当日のセミナーの様子の一部をご紹介いたします。
図1 セミナーの様子
徳島大学 教授 西野 秀郎 様
西野様には、ご自身の研究テーマであるガイド波探傷を例に、非破壊検査へのAIの適用についてご講演いただきました。
AI・機械学習では、学習のため非常に多くの教師データを必要とし、その教師データを実際の実験で用意しようとすると技術的、費用的にも困難ですが、代わりに、配管の減肉の状態を少しずつ変えたデータをComWAVEで大量に作成するという、ComWAVEの新たな使用方法をご紹介いただきました。
図2 AIによる減肉深さ推定を行ったときの学習回数に対する正答率
橋爪、石川、西野、古川、四辻、鹿子、AI を援用したガイド波による減肉深さ推定の検討、CAMP-ISIJ Vol.31 (2018)-704
日本原子力研究開発機構 和田 裕貴 様
和田様には、原子力分野の超音波微小液膜測定技術の開発におけるComWAVE活用事例についてご講演いただきました。液膜厚さの推算で、管内液膜における超音波波形がシミュレーション結果と測定結果でよく一致した旨、ご報告いただきました。
株式会社カイジョー 部長 長谷川 浩史 様
長谷川様には、超音波洗浄技術に関する適用分野、役割、機器の構成、メカニズムなど幅広い内容についてご講演いただきました。
東京大学 生産技術研究所 助教 齋藤 理 様
齋藤様には、レーザ超音波による炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の非破壊検査の原理・手法についてご講演いただきました。レーザ超音波はユーザー様からのリクエストも多く、近年私たちも開発に力を入れている分野であり、超音波の発生機構としてアブレーション、熱膨張の2種類あるうち、熱膨張によるレーザ超音波励起シミュレーションに対応しております。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
CTCからは、非破壊/自動車/製造等各業界でのComWAVE活用事例、AI適用の可能性、クラウドサービスの利便性、現在開発中の内容等について紹介いたしました。
以上、簡単な紹介で恐縮ですが、各講演内容についてもう少し詳しくお知りになりたい方は、セミナー当日の配布資料を保守ユーザー様向けページ「お客様の広場」よりダウンロード可能ですので、ぜひご覧ください。
また、超音波シミュレーションをご検討中でセミナー資料をご希望の方は、お気軽にお問合せください。
超音波ソリューションセミナー2019 ~超音波解析ソフトウェアComWAVE利用とAI活用について~
http://www.engineering-eye.com/seminar/2019/1107_ultrasonic.html
「超音波ソリューションセミナー2019」当日配布資料(保守ユーザー様向け)
http://www.engineering-eye.com/ComWAVE/customer/download/index.html
ユーザー訪問インタビュー
「超音波ガイド波による配管の非破壊検査の技術確立を目指して
~ComWAVEによるシミュレーションとAIを利用~」
国立大学法人徳島大学大学院 教授 西野 秀郎 様
http://www.engineering-eye.com/interview/uni/labo18/index.html
超音波解析ソフトウェア ComWAVE のご紹介ページはこちら
http://www.eng-eye.com/ComWAVE/index.html