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コラム:建設系

地質地盤のBIM/CIMモデル

建設営業部 営業支援課 山根 裕之

[2023/03/30]

BIM/CIMの利用時には3Dモデルを作成する必要ありますが、地質地盤モデルと構造物モデルではその作成過程において少し意味合いが異なります。構造物は形状が決まっているため、設計図などから3Dモデルを作成することができ、構造物の完成時には全体像を確認することができます。一方、地質地盤モデルは地表の下にあるため、形状は決まっていますが、全体像を確認することはできません。そのため、地質地盤モデルではボーリングなどの断片的な調査データから “推定” を行い、3Dモデルを作成します。つまり、構造物にはない “推定” というプロセスが入ることになります。

地質地盤モデルでは推定するための調査データが多くなればなるほど精度が上がります。例えば、ダム工事などでは数年にわたり調査を行い、データを累積して地質地盤モデルの精度を上げていきます。実際の施工ではある程度まで調査を実施した後、地質技術者の解釈を取り入れて推定を行い、地質地盤モデルを作成することになります。そのために重要なことは以下の3点であると考えています。

  1. なるべくデータを多く収集する
  2. 検証のための作成プロセスが見える化されている
  3. データ追加により、モデルを簡単に更新できる

特に他の技術者がモデルをどのような解釈で作成したのかを理解するためにも 2. の項目が重要になります。

図 地質地盤モデル作成のためのプロセス(GEORAMA)

図 地質地盤モデル作成のためのプロセス(GEORAMA)

当社製品であるGEORAMA for Civil3Dは地質地盤モデルを作成するためのシステムです。上記を踏まえた基本的な作成の流れは以下のようになります。

  1. 調査データ入力(ボーリングなど)
  2. 断面図作成・解釈(境界テーブル作成)
  3. 推定

2. の作成過程での成果を断面図及び境界テーブル(地質構造を表形式で示したもの)として保存することが、地質技術者の解釈を見える化することになります。これらを残すことでモデル作成者本人以外の技術者でも作成者の意図を理解することにつながります。CTCとしてはこれらの考え方を基本にしてBIM/CIM分野における地質地盤モデルの普及を促進していきたいと考えています。

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3次元土木地質CAD/GISソリューション:GEORAMA for Civil3D
https://www.engineering-eye.com/GEORAMA_CIVIL3D/index.html