HOME技術コラムモノパイル基礎構造の耐震解析例

コラム:建設系

モノパイル基礎構造の耐震解析例

科学エンジニアリング第2部 数値解析技術第3課 松浦 敦

[2022/10/31]

土木・建設分野において、杭基礎などの設計用解析モデルとして、Penzienモデル(またはWinklerモデルとも言います)が広く用いられています。Penzienモデルは、構造物を多質点系モデルとし、地中部に地盤との相互作用を考慮したバネ要素を設定し、相互作用ばね端部に地盤変位を入力する解析方法となり、慣性力の影響だけでなく、地盤変形の影響を考慮した応答結果を得ることが出来る解析モデルとなります。また、相互作用ばねの設定については、鉄道標準示方書、道路橋示方書など各種指針で示されています。

Penzienモデルでは、相互作用ばねの端部に変位および速度波形を入力する多点入力解析を行う方法と、モデル内に自由地盤を設けて自由地盤と一体解析を行う方法の2つのパターンがあります。SoilPlusでは、後者のパターンで解析を行います。

図1 モノパイル基礎を対象としたPenzein系モデル概念図

図1 モノパイル基礎を対象としたPenzein系モデル概念図

図2 (1)最大加速度分布

(1)最大加速度分布

図2 (2)最大曲げモーメント分布

(2)最大曲げモーメント分布

図2 連成モデル最大応答結果(Penzienモデル)

Penzien系モデルは構造と地盤の相互作用を適切に考慮したモデルとして多数の実績のある信頼性の高いモデル化手法ですが、相互作用ばね設定に依存した解析モデルでもあり、設定の妥当性を確認することが大事になります。

妥当性を確認する手段としては3次元地盤構造一体のFEM解析が利用されています。

図3 3次元解析モデル

図3 3次元解析モデル

図4 (1)最大せん断ひずみ分布図

(1)最大せん断ひずみ分布図

図4 (2)最大曲げモーメント分布図

(2)最大曲げモーメント分布図

図4 連成モデル最大応答結果(3次元モデル)

関連製品についてはこちら

地盤・浸透・耐震解析システム Soil Plus
https://www.engineering-eye.com/SOILPLUS/index.html