コラム:超音波・電磁技術
材料・工学技術部 応用システム第2課 平 晃一
[2022/01/27]
去る2021年12月21日、「【超音波・電磁ソリューションセミナー2021】~水素社会における非破壊検査、センサ開発、発電、給電、電磁ノイズ対策~」と題しまして、昨年に引き続きZoom Webinarを用いたWEBセミナーを開催いたしました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントやセミナーの開催が自粛される中で、集合型ではなくオンラインによるセミナー開催となりましたが、当日は多くの方にご参加いただきました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
今回のセミナーでは、非破壊検査、センサ開発、発電、給電、電磁ノイズ対策、といった、今話題の分野でのComWAVE活用事例を中心として、ユーザー様による事例紹介、CTCからComWAVEの最新動向の紹介を行いました。本稿ではそれらの内容、及び、当日のセミナーの様子の一端をご紹介したいと思います。
(1)鋼板の超音波探傷における表面きずの傾きと塗膜厚さの影響の解析による評価
公益財団法人鉄道総合技術研究所 車両構造技術研究部 牧野 一成 様
鉄道車両の台車部品に用いられる鋼板の溶接についての超音波探傷に関し、斜角探傷における伝搬挙動、角度依存性などについて「ComWAVE」により解析/評価いただいた事例を紹介いただきました。
(2)医用テレメータの使用による病院内およびドクターヘリ周囲の電磁環境シミュレーション
川崎医療福祉大学 医療技術学部 臨床工学科 教授 茅野 功 様
医用テレメータの受信不良トラブルを未然に防ぐため、医用テレメータの使用に伴う病院内およびドクターヘリ周囲の電磁環境について、「MAGNA/TDM」を用いたシミュレーションと実測の双方により確認された事例について紹介いただきました。
(3)カーボンニュートラルに役立つ超音波・電磁技術
伊藤忠テクノソリューションズ(株) 池上 泰史
弊社伊藤忠テクノソリューションズ株式会社からは、カーボンニュートラル実現の鍵となる”水素”をキーワードとし、水素の製造、貯蔵、利用それぞれのフェーズにおいて重要となる、タンク、パイプライン等のインフラ検査、および鉄道等移動体の新しい保全技術、あるいは、電気自動車、ドローン、各種ロボット等の新モビリティの安全走行のためのセンサ開発、さらに電気と水素の循環利用の高効率化、給電や電磁ノイズ対策など様々な新技術に関し、弊社の超音波・電磁ソリューションについてお伝えしました(図1、図2)。
図1 超音波ソリューションまとめ
図2 電磁ソリューションまとめ
(4)ComWAVE新機能紹介及び今後の開発計画
伊藤忠テクノソリューションズ(株) 平 晃一
ComWAVE-GUI刷新計画の一環として先年発表致しました新しいプリ処理のアプリケーションに続きまして、ポスト処理アプリケーションを新たに開発し、その機能および、今後の開発展望について報告致しました。
具体的には、今冬にリリース予定のVer12.0 におきまして「ComWAVE-Post」としてポスト処理の基本部分、つまり現行ComWAVE-GUIでいう解析結果の可視化、波形のグラフ表示に当たる部分の基礎機能を実装しました(図3)。
従来GUIからの主な改善点と致しましては、
といった点が挙げられます。
図3 新GUI/画面イメージ
今後の開発展望としては、未完成となっておりますプリとポストの間のソルバー実行、その周辺処理、前述のプリ処理の実装の続き、ポスト処理の続き、より細かいところを実装していくことを予定しております(図4)。
図4 新しいGUIの開発/ロードマップ
今後も引き続き、皆様の声を反映しながら、開発を進めていく所存でございます。
ここでお示ししました情報が、少しでもユーザーの皆さまのお役に立てたのなら、幸いでございます。
超音波解析ソフトウェア ComWAVE
https://www.eng-eye.com/ComWAVE/
電磁波解析ソフトウェア MAGNA/TDM
https://www.engineering-eye.com/MAGNA_TDM/