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コラム:超音波・電磁技術

ComWAVE 非破壊評価総合展出展内容ご紹介

アプリケーションサービス部 CAEサービス第2課 入谷 佳一

[2019/08/23]

去る7月24日から26日の3日間、東京国際展示場にて第9回非破壊評価総合展が開催されました。伊藤忠テクノソリューションズでは超音波解析ソフトウェアComWAVEを出展いたしまして、ブースには、例年以上に多くの方にご訪問いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
ComWAVEは超音波の伝搬をシミュレーションすることで、伝搬経路の可視化やエコーの検討を可能とするソフトウェアであり、非破壊検査分野においても多くのお客様にご利用いただいております。今回の展示では、AI、複合材、レーザー励起超音波、クラウドといった、今話題の分野でのComWAVE活用事例を中心として展示・セミナー発表を行いました。これらの内容については大変好評で、展示会後もたくさん問い合わせをいただいております。そこで、この記事では、これらの内容を改めてご紹介したいと思います。

ComWAVE 非破壊評価総合展出展内容ご紹介

AIの非破壊検査への適用

ご承知の通り、AIは、今や様々な分野で成果を上げており、超音波・非破壊分野でもAIの活用が期待されています。ところで、AI・機械学習では、学習のため非常に多くのデータを必要とします。非破壊検査への適用では、データの中に想定される様々な欠陥のデータが入っていることが望まれますが、こうしたデータを準備することはとても大変です。試験データ集めるためには、対応する欠陥を持った試験体を作成しなくてはなりませんが、技術的にも費用的にも十分なデータをそろえるのが困難なためです。そこで、弊社では、試験に代わりシミュレーションによりデータを作成することを提案しています。展示会では、徳島大学西野研究室の研究を紹介させていただきました。西野研究室では、大口径配管の減肉の様々な状態をComWAVEにてモデル化し、シミュレーションにより得られたデータを用いてAIに学習させることで、減肉程度の判定精度が向上するする結果を得ています。出展社セミナーでは、背景となる配管ガイド波の現象・特徴、シミュレーションの方法・精度にについて説明した後、AI学習について、手法・工夫の詳細を紹介いたしました。セミナーの講演資料はPDFにて準備しております。ご興味のある方は、下記サイトより資料をご請求ください。

ComWAVE 資料請求/お問合せ先

ComWAVE
http://www.engineering-eye.com/ComWAVE/contact.html

複合材・レーザー励起超音波

ComWAVEは、前バージョン(ComWAVE Ver.9.5.3)よりレーザー励起超音波機能を提供しています。現在のバージョン(ComWAVE Ver.10.0.2)はサーマルモードに限定していますが、設定したレーザー照射条件に対してどんな超音波が励起され、どう伝搬していくかをComWAVEにて解析することが可能です。現在は次のバージョンに向け、複合材を想定して積層構造へのレーザー浸透を考慮した超音波励起や、レーザー照射による表面蒸発の衝撃を利用したアブレーションモードへの対応を開発しております。今回出展では、レーザー励起超音波機能の開発でお世話になっている、東京大学岡部研究室での研究のパネルを展示いたしました。岡部研究室は、航空機の複合材の検査をテーマとしていらっしゃり、パネルではComWAVEによるレーザー励起超音波の計算を活用した事例も紹介されていました。

クラウドサービス

ComWAVEは、ユーザー様限定になりますが、「クラウドHPCサービス Rescale」上で計算環境を提供しております。お手元のライセンスに関係なく、大規模並列計算や最新GPGPUボードでの高速計算、パラメータ感度解析の同時実行が可能になります。上述の徳島大学様のAI事例では、オンプレミス環境で1年間かけて約200ケース解析を実施されていますが、クラウドを利用すれば、同様の計算を数日で終了することも可能になります。

クラウドサービス

以上、短い紹介で恐縮です。11月には弊社のセミナーとして、「超音波ソリューションセミナー2019」を開催いたします。セミナーでは、徳島大学西野先生、東京大学岡部研究室齋藤先生にもご登壇いただき、本記事で紹介いたしましたAIや、複合材の話題についてお話頂く予定です。セミナーにつきましては本メールマガジンのイベント紹介記事でご案内しています。ご都合がつきましたら、是非ご参加ください。

関連製品

超音波解析ソフトウェア ComWAVE紹介ページはこちら
http://www.eng-eye.com/ComWAVE/index.html