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コラム:マテリアルデザイン

ナノシミュレーションによる炭素繊維複合材料解析

科学システムサポート部 材料技術サポート課 森 一樹

[2017/04/14]

近年、炭素繊維複合材料(コンポジット)の研究や商品開発が盛んに行われています。その理由は、炭素繊維複合材料の力学的特性が他素材に比較して非常に高く、適用部材の軽量化に大きな効果を発揮するからです。最近の研究でこの力学的特性に大きく関係する箇所として、炭素繊維と樹脂の界面にあるということが判明してきています。しかしながら、実験では界面の様子を正確に把握するのが難しいため、界面を厳密に解析するためにナノシミュレーションの技術が必要とされています。

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これまで、CTCでは第一原理計算及び分子動力学計算を用いて、界面の官能基による強度及び界面の正確な相互作用エネルギーの解明に挑戦し、2017年3月の第8回日本複合材料会議でその成果を講演しましたた。ナノシミュレーションによる解析を行うことで強度に要因解析が可能になってきています。さらに炭素表面と樹脂での界面エネルギーを分子動力学計算を用いて算出し、実験結果と比較し、界面強度の要因について深く研究しています。これらの結果は、2017年4月の界面シンポジウムや2017年6月のプラスチック成形加工学会で発表講演を予定しています。

新たに複合材界面科学研究会が発足し、CTCもその運営理事になっています。
当該分野に関係する皆様及びご興味のある方々は下記URLから是非ともご入会をお願い致します。

複合材料界面科学研究会(SIMS)
http://sims-composites.jp/

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