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コラム:超音波・電磁技術

フェーズドアレイ超音波探傷研究委員会活動報告

科学システムサポートチーム MBD・超音波技術課 池上 泰史

[2016/06/17]

「フェーズドアレイ超音波探傷研究委員会(PAUT委員会):委員長は東北大学の三原毅教授」は、(一社)日本非破壊検査協会(JSNDI)に設置されている委員会の1つです。CTCは、同委員会の幹事を2014年度から担当し、近年注目されているフェーズドアレイ超音波法の工業分野への適用研究を行っています。

フェーズドアレイ超音波法とは、よく医療分野で使われている手法ですが、胎児の診断や健康診断で肝臓を見たりする光景は、みなさんご存じと思います。なお、PAUT委員会のメンバーは、大手鉄鋼メーカ、重工、関連検査会社、大学、研究機関等で構成されていますが、弊社で開発している超音波シミュレータComWAVEのユーザ様も多数参加いただいています。また同委員会のフェーズドアレイシミュレーションにもComWAVEをご活用いただいています。このため、弊社にとっても、今後の開発に関する貴重な情報収集の場ともなっています。

また、PAUT委員会の活動報告として、5月12日(木)松江テルサで開催された、平成28年度第1回超音波部門講演会において講演を行いました。タイトルは、「フェーズドアレイUTの探傷範囲、焦点位置および異方材探傷の特性評価」です。講演では、様々な特性を持つ検査体をフェーズドアレイ超音波法のシミュレーションにより画像化し、その特徴を示しました。また、検査体の画像をシミュレーションを用いてデータベース化することにより、実際の検査時の画像評価にも貢献することを示しました。講演後の質疑応答も活発であり、フェーズドアレイの利用法やシミュレーションに対する関心の高さを感じました。

シミュレーションの活用はまだまだ発展途上ですが、シミュレーションを活用することで、見えない超音波を可視化し、容易に評価することが可能になり、さらに効率的かつ高精度な非破壊検査手法が編み出されつつあります。このため、シミュレーションの重要性は、今後ますます高くなっていくと考えています。

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ちなみに、JSNDIのテレビCMが放映中ですが、みなさんご覧になったことがあるでしょうか。動画が以下のWebページがら見られます。

JSNDI動画ギャラリー、テレビCM「みんなの非破壊検査」編

http://www.jsndi.jp/movie/index.html

ここのノンディ(正義の味方?)とクラッキー(悪者?)のキャラクターを通して非破壊検査を分かりやすく解説しています。
弊社のシミュレーションも非破壊検査を分かりやすく伝え、活用できるツールとして、これからも整備を進めていきたいと考えています。

超音波解析ソフトウェアComWAVEのご紹介ページはこちら
http://www.eng-eye.com/ComWAVE/index.html

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