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コラム:超音波・電磁技術

超音波探傷技術者向けシミュレータ(ComWAVE for NDE)の開発

科学システムサポートチーム 超音波・電磁技術課 永野 美貴

[2016/02/19]

弊社自社製品の「超音波解析ソフトウェア“ComWAVE”」は、超音波探傷のみではなく、超音波洗浄、超音波接合、また様々な超音波センサ解析等、多分野にわたる皆様にご利用いただいております。その中でも、近年、超音波探傷解析の需要が増加しており、弊社では、超音波探傷技術者向けの機能開発に、ますます力を入れております。

しかし、超音波探傷技術者のユーザ様からは、探傷装置と解析ソフトウェアとの操作性の違いや、出力される評価結果の見方の違いなどで、シミュレーションを有効にご利用いただく上で、まだまだ改良すべき点があるとのご意見を頂いております。

そこで、超音波探傷技術者に使いやすいソフトウェアとしていくため、弊社開発者が「発電設備技術検査協会様」にお邪魔して、超音波探傷の実技講習を受けてきました。以下にその内容の一部をご紹介します。

垂直探傷の実習

まずは垂直探傷の実習を行いました。本実習は最も基礎的な内容ですが、実際の検査を体験することで、探傷装置の出力や、探傷技術者が検査をする上での考え方などを実感することができました。

続いて、斜角探傷にも挑戦しました。その結果、欠陥からの直接反射ではない、謎のエコーが出現・・・。皆で考えても原因が分かりません。そこで、「このエコーを、“ComWAVE”で計算しましょう」ということになりました。

シミュレーションを行うと、エコーの経路を、視覚的に確認することができ、無事原因を特定することができました!謎のエコーは、円柱状の欠陥により放射状に拡がった超音波が底面にあたり、返ってきたものであることが分かりました。

実習の様子

ご紹介した実習内容はほんの一部ですが、今回の講習では参考書等では分からない、超音波探傷の実際を、わずかですが体験することができ、大変有意義な実習になりました。ご指導いただいた「発電設備技術検査協会様」に感謝いたします。

現在ComWAVEは、これらの実習などを通して、探傷技術者の目線に立った機能開発を実施しています。来年度リリース版では、探傷技術者に必須のツールとなるようなソフトウェアにしていきます。ご期待ください。

超音波解析ソフトウェア ComWAVEの紹介ページはこちら
http://www.eng-eye.com/ComWAVE/index.html/

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