砂防堰堤に対する巨礫の衝突シミュレーション
近年、集中豪雨等の影響を受けて大規模な土石流が発生しており、土石流とともに巨礫が流下してくる事例も報告されている。土砂災害対策の一つとして、渓流等には砂防堰堤と呼ばれる土砂を堆積させるための設備が配されているが、この砂防堰堤に対して巨礫が衝撃的に作用する状況を想定しておくことは、防災の観点からも重要である。
ここでは、巨礫の衝突を受ける砂防堰堤の動的応答をANSYS AUTODYNによりシミュレーションした事例を紹介する。
解析条件
コンクリート製砂防堰堤
- 2次元平板体系
- 巨礫
- 直径 :3m
- 衝突速度:8.45m/s
- コンクリート製砂防堰堤
- 高さ :10m
- CAPROUS構成則(伊藤忠テクノソリューションズ㈱開発)を適用
鋼製透過型砂防堰堤
- 3次元1/2体系
- 巨礫
- 直径 :3m
- 衝突速度:8.45m/s
- 鋼製透過型砂防堰堤
- 高さ :8m
- 鋼製フレーム構造

主な参考文献
- 松澤遼,別府万寿博,嶋丈示,石川信隆,水山高久:極めて大きな土石流荷重を受けるコンクリート砂防堰堤の対衝撃性に関する解析的検討,平成27年度砂防学会研究発表概要集,平成27年5月
- 別府万寿博,松澤遼,嶋丈示,石川信隆,水山高久:極めて大きな土石流荷重を受ける鋼製透過型堰堤の耐衝撃性に関する解析的検討,平成27年度砂防学会研究発表概要集,平成27年5月