Shaped Charge(成形爆薬)による侵徹解析
地球の衛星軌道上にはスペースデブリ(宇宙ゴミ)と呼ばれる不要な人工物が存在する。このスペースデブリは衛星軌道上を毎秒数kmという超高速で周回しており、軌道上の宇宙機にとって大きな脅威となりうる。宇宙機防護の観点から、超高速飛翔体の衝突を受ける材料挙動の評価は重要である。
Shaped Charge(成形爆薬)は爆薬の爆発エネルギーを利用し、金属(金属ジェット)を毎秒数キロメートルに及ぶ高速で射出することが可能であり、スペースデブリ関連の研究でも用いられている。
本事例では、Shaped Chargeによって生成した金属ジェットが金属板を侵徹する挙動をANSYS AUTODYNにより解析した。
シミュレーション条件
金属ジェットの生成過程
- 2次元軸対称体系
- 高性能爆薬,金属ライナー:Eulerソルバー,ケース(金属):Lagrangeソルバー
- 材料データはAUTODYN標準マテリアルライブラリを使用

金属ジェットの衝突(侵徹)過程
- 3次元1/2体系
- 金属ジェット、ターゲット:Lagrangeソルバー
- 「金属ジェットの生成過程」で解析したジェットデータを3次元Lagrangeソルバーへ移行