水素爆発野外試験の再現解析
水素爆発による爆風圧を計測した大規模野外試験 [1] に対する再現解析をANSYS AUTODYNで実施した。
解析条件
- 二次元軸対称体系
- Multi-Material Eulerソルバー
- 水素-空気予混合ガス
- 化学量論比で一様に混合
- 直径約3m×高さ約3.5mの円柱形のビニルハウスに充填
- ビニルハウス中央において爆薬による着火
- 爆轟条件および定容燃焼条件の2ケースで計算
(定容燃焼条件はすべての可燃性ガスが定容燃焼した際の圧力を開放する条件) - 爆轟特性および定容燃焼特性はAISTJANで算出
- 空気
- 1気圧
- 周囲は流出境界条件

解析条件
解析結果

爆轟条件での圧力コンター図

定容燃焼条件での圧力コンター図

距離10.6mにおける爆風の過剰圧時刻歴(爆薬着火)
定容燃焼条件での解析結果は試験結果と良い一致を示している。爆轟条件での解析結果は試験結果より高めの評価となった。これは試験において実際に生じた反応が理想的な爆轟に至らなかったためだと考えられる。しかし、爆轟に至る確率はゼロではなく、安全側の評価を行う上で爆轟条件は不可欠であると考えられる。
参考文献
[1] 中山良男、水素爆発を事例研究とした大規模野外爆発実験、安全工学、Vol. 44、No. 6、(2005)、pp.412-420