地形効果を考慮した爆風解析
屋外での爆発事故や火山噴火等の大規模爆発による被害を正確に予測することは、周辺環境への安全確保やハザードマップ作成などの観点からも非常に重要な課題といえる。しかし、このような状況における爆風伝播過程は比較的大きな人工構造物や地形効果によって局所的な影響を受けるため、地表面における最大過剰圧分布は爆源を中心とする同心円状とはならない。
そこで現在は、3次元的な地形データを考慮した計算モデルを用いて、大規模爆発数値シミュレーションを行い、地表面の最大過剰圧分布を見積もる試みがなされている。
解析条件
- 地表面は国土地理院地形データをAUTODYN専用メッシュファイル(ZONファイル)に変換して作成。Fillパーツ(110x110mesh)を用いて剛体とした。
- 空間はEuler-FCTメッシュ(110x110x60mesh、750m/cell)とし、標準大気で満たした。
- Euler/Lagrange(Fill)相互作用による剛体設定。
- 爆源は、TNT10Mtと等価のエネルギーを高圧空気とし、中央独立峰の南東斜面の噴火口付近に配置。