HOME > テクニカルレポート > 画像で見る 土木の不思議(メルマガアーカイブス)

画像で見る 土木の不思議(メルマガアーカイブス)東京都市大学 工学部 都市工学科 災害軽減工学研究室 吉川 弘道 教授

第3回:海ほたる’余話

「アクアライン(東京湾横断道)の海ほたるは、土木構造物です!」、先回の復習です。さて、アクアラインの休憩地として、海ほたるに立ち寄ることは多いと思いますが、利用の際は、是非とも、技術資料館「うみめがね」(千葉橋梁側)とカッターフェイスの巨大モニュメント(トンネル側)を訪問/見学ていただきたい。うみめがねは、アクアラインの技術資料が展示されている(だから、技術資料館)。特に、計画・設計・施工に関する技術情報を、模型、ビデオなどを多用し、解り易く解説している。プロ/アマどちらの方々にもお奨めスポットで、興味の赴くまま1時間は直ぐに過ぎてしまう。特に、メカニズムの説明や構造的な特徴は、理系中学生や理系高校生の理工マインドをいたく刺激することは間違いない。将来の土木エンジニアが、ここから誕生することを期待したい。

下記の2枚の画像をご覧ください。

テクニカルレポート:Web講座:画像で見る 土木の不思議(メルマガアーカイブス)   テクニカルレポート:Web講座:画像で見る 土木の不思議(メルマガアーカイブス)

もう一つのスポット、カッターフェイス巨大モニュメントは、アクアラインの穴場として推奨したい。(過日訪問した際の写真を添付しました)。これは、世界最大級のシールドマシン(直径14.14m,総重量3000ton以上)の前面にあるカッターフェイスを、芸術家澄川喜一氏がモニュメントとして制作したものです(氏のホームページでは、‘環境造形’と呼んでいる)。
実際のカッターフェイス(回転する刃先)はシールドマシンの前面にあり、切り端に相対し、回転しながらトンネル切り端を掘削/排土する(もちろん、本物は円形であり、この環境造形は、その半円強をデフォルメしたものと理解/鑑賞しています)。
再度、夕日に染まるカッターフェイスを御覧いただきたい。掘削ビットからの木漏れ日が如く閃光は、‘土木と太陽の会話’などと、一人で勝手に感激しながら、シャッターを切りました。大仕事を終えた老翁が如く、かつて掘削した海底トンネルを振り返り、鎮座しているようにも見える。実際、このカッターフェイスの後方遥か遠くには、風の塔が海上にて相対していることも印象的であり、土木屋として誇らしい限りです。


前へ 次へ
一覧へ戻る
このページの先頭へ