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疲労評価

複合材ソリューション

疲労評価

弊社では、破壊確率・信頼水準を考慮した設計強度評価や、積層材の疲労寿命推定など、複合材料の疲労評価についての取組を進めています。

計算例1:積層材料の疲労寿命の予測

疲労試験データ(UD材0度、45度および90度のSN線図)から積層材の疲労寿命を予想した例を示します。

方法

  1. 各層に働く応力からSN線図とマイナー則により各層の寿命を求めます。
  2. 最も早く寿命に到達する層を破壊(除去)する。残った層にはこの際の繰り返し分のダメージ量を加算します。
  3. 残った層で応力を再分配します。
  4. 1.~3. 3を繰り返し、全層が破壊されると最終的に積層材の疲労寿命(=繰り返し数の合計)が求まります。

以上の手法により求めた積層材の寿命(グラフ:茶)と、試験により求めた積層材の寿命(グラフ:黄)を比較するとおおよそ一致しており、再現することができました。

計算例1:積層材料の疲労寿命の予測 1
計算例1:積層材料の疲労寿命の予測 2

計算例2:高圧タンクの疲労寿命に対する安全性評価

対象とするCFRP製の高圧タンクが設計基準「例:繰返し数 (N) が 104回、破壊する確率 (Pf) が 10-3以下(信頼水準 95%)」を満たすかを判定します。

方法

  1. 高圧タンクの解析を行い、最大の引張応力値を得ます。
  2. 疲労試験データから疲労プログラムを用いて S-N 線図を取得します。
    ここで S-N 線図は基準(破壊確率 Pf = 10-3(信頼水準95%))のものとします。
  3. Goodman 線図を用いて設計寿命に対する安全性を評価します。

以上の手法を用いて、定格圧 60 MPa (引張応力の最大は 1640 MPa)の高圧タンクに対し、設計基準を満たすか判定します。

  1. 圧力が 0 から定格圧 (60 MPa) まで変化する条件 (R=0) では:
    平均応力 820 MPa, 振幅 820 MPa. ⇒ 安全でない
  2. 圧力が定格の半分から定格まで変化する条件 (R=0.5) では:
    平均応力 1230 MPa, 振幅 410 MPa. ⇒ 安全である
図.CFRP製高圧タンクモデル(5層、ブレード構造)

図.CFRP製高圧タンクモデル
(5層、ブレード構造)

図.Goodman線図による安全性評価

図.Goodman線図による安全性評価