FAQ
06_動的解析
ジョイント要素の物性値
ジョイント要素の剛性率(軸、せん断剛性)について説明します。剛性率はジョイント要素がモデル化する対象(亀裂、地層)によって次の設定方法があります。
・幅が無い場合(亀裂など)
厚みがなく、滑り・剥離のみ表現する場合、ジョイントの初期剛性は解析的に剛な値で設定します。
例えば周辺地盤の弾系係数の 1000 倍等で設定します。
・幅がある場合(弱層など)
厚みがあるが平面ひずみ要素やソリッド要素では無く、滑り・剥離が想定される位置にジョイント要素を設置する場合があります。
この場合、単位面積当たりの剛性は地盤の弾性係数を地層幅で除した以下の値を設定します。
Kn=E/t
Ks=G/t
ここに、t:ジョイント幅(亀裂幅)
E:ヤング率
G:せん断弾性係数
節点ジョイントを使用する場合、さらに節点ジョイントの支配面積を掛けます。
(算出方法)応力ひずみ関係は σ=E・ε(式1)、ジョイントの応力変位関係は σ=Kn・u(式2) です。
ε=u/t であるから(式1)は σ=E・u/t(式3) となります。
(式2)、(式3)から Kn・u=E・u/t の関係が得られ、最終的に Kn=E/t が得られます。
せん断方向も同様にもとまります。
ここに、σ:軸方向応力、E:ヤング率、ε:軸方向ひずみ、Kn:軸方向剛性率、u:変位、t:幅