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サンプル&事例紹介ComWAVE:超音波解析ソフトウェア

複雑な構造物中(丸棒)の超音波伝搬挙動の把握

目的

例えば、自動車や鉄道の車軸等に広く用いられている丸棒の水中での検査では、円形曲面へ超音波を入射した際に、以下の図のように音速の早い縦波の屈折角が横波よりも小さくなるというスネルの法則に一致しない例がある。このような複雑な超音波伝搬挙動をComWAVEによりシミュレーション可能であることを示す。

光弾性法によるガラスの中の超音波可視化例(文献[1])

光弾性法によるガラスの中の超音波可視化例(文献[1])

解析モデル

光弾性法による可視化例をもとに2次元モデルにより構築する。
モデル形状:丸棒を水中に設置。

丸棒(鉄)
半径:15mm
探触子
周波数:2MHz
サイズ:4.5mm
オフセット:2mm
屈折面までの距離:10mm
解析モデル

解析モデル

材料物性値
  縦波音速(m/s) 横波音速(m/s) 密度(kg/m3)
1,500 0 1,000
5,900 3,200 7,900

解析条件

解析規模
要素サイズ 0.037500mm
要素数 1,776,889(13,333×13,333)
伝搬時間 1.5e-5sec
ステップ数 2,484
解析環境と所要時間等
OS Windows 10
CPU Intel(R)Core i7-8750H CPU
@ 2.20GHz 2.21GHz
GPU なし
使用メモリ 約182MB
計算時間 364.842sec
入力波形

中心周波数 2MHz
3波のウェーブレット

入力波形

入力波形

解析結果

同一の条件で実際に入射を行い可視化した写真と、シミュレーション結果の静止画とアニメーションを以下に示す。両者ともに同じ特性の伝搬挙動を見ることができた。縦波の屈折角が横波の屈折角より小さくなっており、スネルの法則から想定される結果とは異なっている。

可視化写真(再掲)

可視化写真(再掲)

シミュレーション結果 シミュレーション結果

シミュレーション結果

まとめ

ComWAVEを利用することによって、今回の解析例のように複雑な伝搬挙動を正確に再現できることが確認できた。これによりComWAVEによって様々な条件下でシミュレーションを行うことで、複雑な形状を持つ検査体においても精度よく最適な探触子の配置を検討することができると考えられる。

参考文献

[1] 江口、坂、伊達、阿部、円柱状検査物の超音波水浸探傷における 物体内屈折波伝ぱの解析、日本器械学会第68期全国大会講演論文集(Vol.A)1990、538-540

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