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コラム:建設系

BIM/CIMモデルの3次元モデルと属性情報

建設ビジネス部 営業支援課 山根 裕之

[2023/10/31]

BIM/CIMモデルは、3次元モデルと属性情報の組合せにより、構造物等の形状や諸元を表すものです。BIM/CIMというと3次元モデルの作成・表示などの部分がクロースアップされることが多いですが、属性と組み合わせて表現することにBIM/CIMモデルの意義があります。

3次元モデルは実際の形状を示すものなので一度作成すると変更や更新などの作業はあまり発生しません。一方、属性情報は目的に応じて多種多様の情報が追加・更新されます。例えば調査・計画・設計・施工・維持管理段階においてそれぞれ利用する属性情報は異なります(図1)。また属性情報に参照資料などのドキュメントが付属することも考えられます。点検情報などの時間が進むにつれて増えていく属性情報もあります。BIM/CIMではこれらの属性情報と3次元モデルを組み合わせてうまく表現していく必要があります。

図1 調査・計画・設計・施工・維持管理段階

図1 調査・計画・設計・施工・維持管理段階

BIM/CIMモデルを構成する3次元モデル(形状)と属性情報(属性)を組み合わせて管理する方法としては以下の2つの方法が考えられます(図2)。

  1. 形状/属性の一体化:  属性情報を3次元モデルに埋め込む
  2. 形状/属性の分離:   属性情報と3次元モデルを別々に管理、参照時に結び付ける

1. の方法では3次元モデル内に属性情報があるため、属性を直接参照でき、速く処理できることが考えられます。しかし、属性情報が増えていくにつれて埋め込む情報量が増大して3次元モデルが巨大になり、パフォーマンスが落ちる可能性があります。2. の方法では属性情報は別に保存されるため、属性情報が増えても3次元モデルのパフォーマンスに影響を及ぼしません。しかし、3次元モデルと属性情報を的確に結びつけるための仕組みが必要になります。

図2 3次元モデルと属性情報の管理方法

図2 3次元モデルと属性情報の管理方法

建設業界では長期間に渡り、同じ構造物を別々の会社が分担して作業していきます。設計、施工、維持管理などそれぞれの別会社が担当します。それぞれの目的も異なるため、取り扱う属性情報は異なります。一つのモデルにそれぞれの担当が属性情報を埋め込むのは効率的とは言えないかもしれません。そのため、各会社で属性情報を作成し、必要な時に3次元モデルに統合して組み合わせる方が効率的になると考えています。

CTCでは “属性情報と3次元モデルを別々に保存し、参照時に結び付ける” という作業を実施するためのツールとしてNavis+をリリースしています。Navis+ではID属性をキーとして利用することで3次元モデルと属性情報を結び付けて様々な利用が可能なBIM/CIMモデルを作成します(図3)。

図3 Navis+の利用方法

図3 Navis+の利用方法

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建設・建築3D属性管理ソフトウェア:Navis+
https://www.engineering-eye.com/NAVISPLUS/